えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

魚の館をめぐる

2016-07-30 09:49:35 | 歌う

                魚の館をめぐる

 親密な関係を「魚と水」、相手の出方次第でこちらにも出方があるという「魚心あれば水心」、人類の起源をさかのぼれば魚になるらしい。迷ったり、困っているときは水族館を独りでゆっくり巡るのもいいかもしれない。人類の起源は魚とか、魚になってみたくなる。

              魚たちと私と    松井多絵子

    夏至の日の魚の館の客人のわれは魚族にとりかこまれて

    とらふぐが胸の辺りに来ていたり、心のなかは覗かないでね 

    シビレエイに睨まれている電流を放つ魚らし自家発電の   

    総身の棘を光らせハリセンボン体まるごと怒りていたり

    いちまいのガラスを通しその胸にふれいし手より去りゆくメバル

    水槽がもし割れたなら非情口どこにあるのか魚のための

    死ぬだろう、この水槽が割れたなら外つ国よりきしチョウチョウ魚は

    今日もまた魚を食べる気になれず冷蔵庫には鰈の死体

    あの魚は辛かったのだ私をじっと見ていたアラブの鰈

 

               >゜))))彡  >゜))))彡

          

       午後はペットショップに、、水槽の魚たちに会いに、、、。

                   7月30日  松井多絵子

              。 


蛍のなき夏

2016-07-29 09:31:20 | 歌う

                        蛍のなき夏

♦ 近寄れば青の電飾点滅し今年も蛍を見ることできぬ  松井多絵子

 この夏も蛍を見ることができないかもしれない。昨年も1昨年も、いいえ何十年も蛍を見ていない。私の少女期には東京でも蛍はほいほい飛んでいた。あれは半世紀も前だが。、先日読んだ歌集のなかに「ほたる火」が詠まれていた。ホタルが夜に発光する光、消え残っている小さな光、それは思い出のようだ。高齢になるほど思い出依存症になるのか。

 ホタル以外の夏虫や蛾はよく見かける。昨日も夕方の居間の網戸に貼りついたように、やや大きな蛾、その白濁の羽は初老の女を思わせる。網戸を離れないのは私に何か云いたいからだろうか。母の化身かもしれない。なにか小言を言いたいのだ。「網戸は埃だらけじゃないの。部屋も散らかっているし」 などと。

 夕食を終えたとき網戸にはあの蚊はいなかった。私を待ちくたびれて母はあの世へ帰ったのだろう。相変わらずセッカチだ。窓を開けると火星が私を見下ろしている。まるでホタルのように。汚れた地球の水は苦いのでホタルたちは空の奥へ逃れてしまったのだ。夜の8時、洗濯した干しものをベランダから除く。少し涼しい微風が寄せてくる。空のあちこちに星がまたたいている。ホタルたちの宴が始まっていた。

      夏空のホタルの光、地球より去りしホタルか星の瞬き

                 7月29日  松井多絵子

       、


テレビは1日5時間似内に

2016-07-28 09:40:19 | 歌う

             テレビは1日5時間以内に

 1日5時間以上テレビを見る人は、肺の血管が詰まって死亡する危険性が高い。こんな研究を大阪大などがまとめた。長時間座り続けている姿勢が原因だという。27日、米科学誌電子版に発表した。昨日☀夕刊のこの記事が気になる。テレビの見すぎは目に悪いのはわかっている。だから時々画面から目を外し音声だけを聞く。聞きながら居眠りをしたりする。

 白川透・特任研究員(公衆衛生学)らは、1988~90年に、テレビの視聴率などを尋ねたアンケートを全国で行った。参加した40~79歳の約8万6千人を追跡調査。血液の塊が肺の血管を詰まらせる肺塞栓で亡くなった59人について、テレビの視聴時間と死亡する危険性を分析した。その結果5時間以上の人の死亡リスクは、2.5時間の人に比べ2.5倍。
エコノミークラス症候群と同様らしい。

 テレビ視聴時は足を動かさなくなり、足や骨盤に血液がたまりやすくなることが原因なのだ。テレビに座りっぱなしの時は、時々立って歩いたり、足をマッサージしたりして肺血栓症を予防するよう心がけなければならないらしい。坐ることの愉しさ、背もたれのある椅子に腰かける心地よさを味わえる動物は、人間だけではないか。

             坐ったままで    松井多絵子

   手ぬきして作る料理を食みながら母より長くこの世に居坐る

   昼さがり ソファーにひとり座りいて我を見つめるテレビの青年

   覚めることなかれ、柔らかな温かなソファーにわれ深く座らす

   自殺するエネルギーなど何処にあるこの座席から立ち上がれない

   今日の陽は沈みてしまいぬ窓の辺のソファーにわれを坐らせたまま        、

 

     今日もまた昼餉の後はソファに埋もれることでしょう私は

                 7月28日 松井多絵子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


すぐやる人グズな人

2016-07-27 09:30:00 | 歌う

               すぐやる人グズな人

♦ なぜだろう光りそこねてしまうのは、わたしは陰に愛されている  松井多絵子 

PRESIDENT8/15号の広告に私はドキリとする。 ▲すぐやる人グズな人
 500人の調査判明 グズは年間600万円の損 性格別<人生を変える7つの習慣>

 私はまさに「グズな人間」、分かっているけど「スグやる人間」にはなれない。エンジンがかかるまで時間がかかる。でもグズグズしてトクをすることも多い。洋服は流行のピークを過ぎたときに買えばぐんと安い。食品は旬の時に買っても冷蔵庫に眠らせてしまうことが多いので旬を過ぎたころ安く買う。特急より鈍行の方が寛げる。グズが私のお財布を豊かにするような気がする。でも「すぐやる人」は「勝ち組」になれることも否定できない。

 「グズ」な私を「少し早くやる私」に変えるのは夏しかない。私は夜行性型。朝早く起きるの
は辛い。夜早く寝るのはモッタイナイ。夜が更けるほど私の脳が活発になる、ような気がする。このような「夜行性型」は「寝る前にお笑い番組」を勧めている、この特集は♦仕掛かりが遅い人は「締切りを2つ設定せよ。と。私の所属している歌誌「未来」の締め切りは、毎月15日。私はほとんど13日に投函している。これからは10日に投函するように心がけてみようか。3日だけ早く投函する。グズな私にはこんなことでも大変なことなのである。

 「せっかちvsノンビリ」県民ランキング 2番目にせっかちなのは兵庫県 たしかに関西人にはセッカチが多い。言葉はのんきなのに「すぐやる人」を思い出す。彼女たちは平均寿命より何年も早く他界してしまった。一番せっかちなのは何県か。広告には書かれていない。
書店でまず立ち読みしなければ、。いや、それより来月10日に投函する「未来」の歌稿の準備をしなければ、、。

    ここに原稿用紙があるから書いている杖のごとペンを動かしながら 

                   7月27日  松井多絵子、

 

 


コンビニがなかったら

2016-07-26 09:23:34 | 歌う

             コンビニがなかったら

♥ コンビニのなかった頃を思い出しどうしていたのか思い出せない 
                        (守口市 小杉なんぎん) 

 この歌は7月25日・朝日歌壇入選歌である。選出した永田和宏の{評}は「同感の人も多い筈」。わたしも同感だ。我が家から徒歩4分の処に「セブンイレブン」があるが、いつ頃できたのか思い出せない。夏になると徒歩8分のスーパーへは毎日行かない。「足りない品」は「セブン」で買う。店はかなり広い。この店ができる前は何があったか思い出せない。

 コンビニの発祥はアメリカ、1927年に氷を売る店に日用品や食料品を置き、毎日営業したのがそのルーツらしい。1973年、日本に初めてできた本格的コンビニは、埼玉県狭山のファミリーマート、翌年、「セブンイレブン」が日本に登場し、いま全国にコンビニが50000店とか、熊が出るところまでコンビニがある。旅先で私はコンビニに度々感謝している。

 先日発表された、芥川賞の小説は「コンビニ人間」 作者・村田沙耶香は大学時代にコンビニで働きはじめ、いまも週3回、店に出る。「子供時代から何をやっても不器用な自分が、コンビニではやっていけると気づいた。朝2時に起きて6時まで机に向かう。コンビニ勤務は午後1時まで。「空想の世界にこもるより社会との接点があった方が小説が進む」 以上は7月25日朝日「天声人語」の受け売りである。

 村田沙耶香はすでに「野間文芸新人賞」や「三島由紀夫賞」を受賞している。芥川賞に決定した日も昼間はコンビニで働いていた。その夜の記者会見の彼女は天女のようなドレス、長い黒髪の優雅な妙齢の女である。どこのコンビニで働いているのか。ポケモンGOに参加して♥「村田沙耶香のコンビニ」へ。卵1パックを買って「ありがとうございます。またどうぞいらしてください」とやさしく沙耶香にいわれてみたい。

                  7月26日  松井多絵子