えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

「或るホームレス歌人を探る~十三」

2012-12-14 20:19:10 | 歌う

  ★ 「或るホームレス歌人を探る~十三回 」 松井多絵子

2009年6月1日 高野選

 ● 林芙美子を二千回生き華やげど「放浪記」とは寂しき言葉  公田耕一

「放浪記」とは私には「逞しき言葉」だが

6月8日 高野選

 ● 辞書持たぬ歌作りゆゑあやふやな語句は有隣堂で調べる  公田耕一

 先週につづき公田は自身の個人情報を少し公開する。彼の歌にはむずかし漢字が多い。

6月22日 佐佐木選

 ● 雨匂ふ五十六年駆け抜けて「グイン・サーガ」は未完のままに  公田耕一

 佐佐木の評に「グイン・サーガ」が五十六歳で亡くなった栗本薫の大長編小説とある。

6月22日 高野選

 ● 一週に二首の投稿心懸け雨恋うて咲くあぢさゐ三球  公田耕一

 この歌のとおり毎週二首投稿し、それぞれの選者に採られている。このところ雨の歌が続く。

公田が朝日歌壇に現れてから半年。裸木から紫陽花へまわりの自然は変わった。注目の歌人になり感慨無量であろう。

❤ 公田さんに捧げる二首   松井多絵子

   あじさいの夢の道にて今しがた出会いし人に会いたくなりぬ   あじさいの花まだ若き寺に来て三年ぶりに亡きひとに会う

※ 公田さんの6月の入選歌をまとめました。「グイン・サーガ」という小説は読んでいませんがこのたびも読んだふりをして書き続けています。「では明日のその十四を」と言いにくい、とても内気な松井多絵子。  

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「或るホームレス歌人を探る~その十二」

2012-12-14 14:58:14 | 歌う

  ★「或るホームレス歌人を探る~その十二」 松井多絵子

2009年5月18日 高野選

●雨降れば水槽の底にいる如く図書館の地下でミステリー読む  公田耕一

図書館は公田の書斎にもなる。雨の日の図書館の地下を水槽の底という比喩が冴えている。

❤ 公田さんに捧げる二首  松井多絵子

午前よりわれの書斎の図書館の二十二歳の啄木と会う

閲覧室の隅に新聞読んでいる公田さんかもしれぬ瘦身

5月25日 永田選

● ララ物資ならぬ支援のジーパンのウェスト58が入りぬ  公田耕一

今までの作品からは公田の容姿は全くわからなかったが細身らしいことを知る。

※ 痩せた男が好きな私は、公田さんが細身だと知り喜ぶ。わたしの贅肉をさしあげることのできる男を探していた松井多絵子。