えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

金子兜太を悼む声

2018-02-21 19:58:47 | 歌う
昨日98歳て亡くなった金子兜太は、俳句の世界を革新し続ける開拓者であり、戦争の体験者として平和を訴え続けた存在でもあった、と朝日の夕刊で
報じている。氏の代表句が9句あげられている。私の好きな5句を抄出する。


曼珠沙華どれも腹出し秩父の子

銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく

人体冷えて東北白い花盛り

おおかみに蛍が一つ付いていた

津波のあとに老女生きてあり死なぬ

金、銀、銅のきもち

2018-02-18 20:59:25 | 歌う
金はうれしい、銀は悔しい、銅は安堵だとは某メダリストの言葉。冬季五輪で日本の選手がメダルを取るたびに私はすごくうれしい、やはり私は日本人なんですね。

🌺 わたしの韓国(からくに)

白村江をモ一タ一ボ一トで下りゆく百済の都はまぼろしの遠景

武烈王古墳を覗けば何もなく重き空気のわれに寄せくる

盗掘は日本人だという説を韓国のガイドは小声にて言う

夜の底に沈みてゆけり慶州の空見上げれば月浮かぶ海

チマチョゴリの女ホテルのロビ一にてふうわり紅き牡丹の花

未来年間賞(その2)

2018-02-14 20:37:42 | 日記
未来年間賞の森本直樹について歌人年鑑などで調べたがわからない、三重県歌人クラフの会員とか、俳人とか、未来では夏韻集に所属し大辻隆弘に師事している。受賞作から私の好きな5首を抄出する。

🌹 静かに、静かに 森本直樹

寂しいかと問われればきっと寂しくて身体は風を受けいれぬかたち

逆光にいっとう暗く象の背を濡らすホ一スと水の境目

彫刻の蔦植物の表面に背骨のようなざらつきがある

蚊柱にとらわれている心地して鍵穴に鍵を差し込んでいる

カクテルに沈むオリ一ブ静かに、静かに私も断定したい

未来年間賞(1)

2018-02-11 20:26:18 | 歌う
2016年10月から17年9月まで未来誌に発表された会員の作品が🌹「未来年間賞」として2月号に発表された。

🌟森本直樹🌟鈴木麦太朗の2名
今日はネットでおなじみの鈴木麦太朗を、彼とは新年会などで2度お喋りしたことがあるが彼のことは何もしらない、未来誌の笹公人の欄に所属している。笹公人はまだ若い。麦太朗は笹の兄貴みたいだ。いやオヤジみたいなんて思うと愉しい、麦太朗の受賞作品から私の好きな5首を抄出する。

🌹 うごきがいいね 鈴木麦太朗

焼酎を親にかくれて舐めしこと鈴木雅之黒かりしころ

借家なるいわば一世のかりそめの宿のわが家の鍵を開けたり

死に際に「けっして女を信じるな」なんて息子に言ってみたいぞ

あるはずのコンビニエンスストア一が更地になっている昼下がり

雅楽からジャズへと至る小道あり電子辞書にてしばし遊べば

ごぶさたしました。

2018-02-07 18:12:43 | 歌う
🌹 ようやくに風邪の治りて外(と)にでればわが葉牡丹の息絶えており

先月の半ば過ぎから風邪で寝込み長らくごぶさたしました。寝ながらスマホでブログを書いていましたら背中が痛み、病院で検査の結果背骨の炎症とのこと、レントゲンの背骨のあたりはまるでビ一ルの泡のようで驚きました。それ以来寝ながらテレビの日々、今日は2月号未来の5首を、、

親指を押せば活字が次々に生まれて我の使者なりスマホ

わが知らぬ老いも若きも読むことの楽しさ怖さスマホのブログ

指先に西日入りきて嗚呼ひるの短さ冬のひかりの脆さ

まるで袴のようなズボンを穿く女またひとり我を追い越してゆく

女かと思いていたら男なり、男かと思いしひとの名刺は女