18歳の寺山修司が「チェホフ祭」で第二回短歌研究新人賞特薦で注目された前年には、斎藤茂吉、釋迢空の大歌人が没している。戦後の古い価値観やモラルに束縛されない新しい若者を主人公にした石原慎太郎が「芥川賞」を受賞、寺山修司の「チエホフ祭り」はその直前のことだった、
「わたしの気になる寺山修司の一首」
🌼山木礼子
▲わが野生たとえば木椅子きしませて牧師の一句たやすく奪う
🌼吉田隼人
▲菅草に日ざしささやく午後のわれ病みおり翼なき歌かきて
🌼石井僚一
▲この家も誰かが道化者ならむ高き塀より越え出し揚羽
🌼寺井龍哉
▲無名にて死なば星らにまぎれんか輝く空の生贄として
🌼遠野真
▲わが知れるのみにて春の土ふかく林檎の種子はわが愛に似る
🌼武田穂佳
▲チエホフを演ると決まりし放課後は椋鳥の巣にあふれる日ざし
🌼佐佐木定綱
▲草の笛吹くを切なく聞きており告白以前の愛とは何ぞ
🌼大平千賀
▲叔母はわが人生の脇役ならむ手のハンカチに夏陽たまれる
「わたしの気になる寺山修司の一首」
🌼山木礼子
▲わが野生たとえば木椅子きしませて牧師の一句たやすく奪う
🌼吉田隼人
▲菅草に日ざしささやく午後のわれ病みおり翼なき歌かきて
🌼石井僚一
▲この家も誰かが道化者ならむ高き塀より越え出し揚羽
🌼寺井龍哉
▲無名にて死なば星らにまぎれんか輝く空の生贄として
🌼遠野真
▲わが知れるのみにて春の土ふかく林檎の種子はわが愛に似る
🌼武田穂佳
▲チエホフを演ると決まりし放課後は椋鳥の巣にあふれる日ざし
🌼佐佐木定綱
▲草の笛吹くを切なく聞きており告白以前の愛とは何ぞ
🌼大平千賀
▲叔母はわが人生の脇役ならむ手のハンカチに夏陽たまれる