えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

佐藤羽美さん、歌集ありがとう

2013-03-31 13:59:57 | 歌う

          ★★「佐藤羽美さん、歌集ありがとう」★★

 昨日、土曜の午後あなたの歌集が届きました。ありがとうございます。『ここは夏月夏曜日』という歌集名からも、平凡な歌集ではないことは察しがつきます。未来の会員になられてから、あなたの大胆な作品に注目しておりました。2009年には「歌壇賞」を受賞されましたね。そのあなたに一度もお会いしたことがないことに、あらためて気づきました。

❤ バス停で夕方からの霧雨はぼやんと終わり西瓜の匂い

※ この歌から始まるあなたの歌集、いま私は60頁を読んでいます。ちょうど3分の1です。

❤ 母親の翳ごとにぎられおむすびは半ばで昆布を飛び出させたり

❤ その時は清少納言のうたた寝を邪魔したという夕立がくる

❤横書きで読む小説は何行か改行したのち雨。で終わりぬ

※新鮮な作品、わたしには眩しいです

❤ 白昼夢 君はひとりでカラフルな紐でなわとびばかりしていた

❤ 白々と発光させたしわたくしの体は二十八歳である

❤凹凸を確かめながらるるるると上って下りるやわらかい蛇

※あなたが師事していられる加藤治郎氏は、帯文で『ここは夏月夏曜日』は色、香、匂いそして  感情の豊かな一連であると書いていられます。これから私はじっくり読みます。そして夏月までにはこのブログで書かせていただくつもりです。青森もまもなく桜が咲き、あなたの夏月夏曜日。未来の歌会でお会いできる日を楽しみにしております。   3月31日  松井多絵子


三月のヒマワリ

2013-03-30 13:55:59 | 歌う

          HIMA 「三月のヒマワリ」WARI

 昨年の今頃でした。八重山四島を周遊したのは。沖縄で乗り継いで石垣島空港に着いたのは夜。まるで海外旅行のような気がしました。この3月から新石垣空港へ羽田から直行便が出ているようです。二泊三日でもゆとりのある島めぐりができるでしょう。

❤まなうらを流れやまざる仲間川ときおりマングローブがゆれて

 目をとじれば西表島の仲間川がひろがります。「西表」と書いてイリオモテと読む、日本語とくに地名のややこしいこと。 この島からお隣の由布島へは水牛車で海を渡りました。海といってもほとんど水のない処。

❤慎太郎という名の牛が荷車のわれらを運び由布島へむかう

 由布島の熱帯植物園は珍しい植物がたくさんありました。

❤見上げればスカイツリーになりてゆくココヤシの木の長寿を願う

 赤瓦屋根の集落を牛車にゆられながら巡り、星砂ビーチを散策しました。島のあちらこちらにヒマワリが咲いていました。三月にヒマワリが咲くなんて。気温は28度。東京へ帰りたくない。でも石垣島空港から沖縄経由で深夜の東京へ戻りました。気温は7度の一年前の東京に。

❤島国に暮らしつづけてきし我がさらに小さき島々を恋う   松井多絵子


ベトナムコーヒー

2013-03-29 13:57:46 | 歌う

          BETO 「ベトナムコーヒー」 NAMU

 ★みちのくの牧場の牛の乳を入れやさしくなった珈琲を飲む  松井多絵子

 コーヒーが大好きだがブラックは苦手の私はコーヒー通ではないかもしれない。熱くて濃いいコーヒーにミルクを入れ、ゆっくり飲むそのひとときが楽しい。どろりとした濃いコーヒーは、10年も前に二度訪れたベトナムへわたしを誘う。
 ベトナムのコーヒーは19世紀に栽培が始まり、今では世界第二のコーヒー豆の輸出国。そのベトナムの最大の経済都市ホーチミンに米国のスターバックスが開業。コーヒー好きの市民たちは値段が高くてもスタバに集まるらしい。ベトナムにスタバがチェーン店を作るのなら、ベトナムもアメリカ全土にベトナムコーヒー店を作ればいい。コクのないアメリカンコーヒーよりベトナムコーヒーの方が味が深い。一杯づつ銀色のフィルターで入れるらしい。
 しかし世界を相手に勝ち残るには質だけではなく、どのように売るか、広告宣伝次第とはねえ。

 ★逃がしたくないこの温もりを、飲み終えてコーヒーカップはまだ温かい  松井多絵子


第四回角川全国短歌大賞のこと

2013-03-28 20:47:13 | 歌う

           ★★ 「第四回角川全国短歌大賞のこと」 ★★

 投稿から短歌をはじめた私は入選歌はつねに興味があります。本格的に短歌に関わっている歌人の作品に比べて表現は拙くても、発想のおもしろい作品をよく見かけます。第四回角川全国短歌大賞が「短歌4月号」に発表されています。昨年9月1日~11月30日に応募された作品です。

★★★ 大賞 (賞状・副賞十万円・記念品)

<自由題> 青いまま落ちるどんぐり初めからそういう役であるかのように
                                        東京都  若草のみち

※熟さないまま落ちたどんぐりは目的を達成することなく脱落した若い人たちを暗示しているのでしょうか。思わせぶりな下句がこの歌を魅力的にしていますね。

<題詠> 老いの掌にまだある力たぐりつつ朝の光のなかに米研ぐ
                                        群馬県  桜井君代

※朝になると、よく晴れた朝は特に元気になる老人、わたしもその一人です。「まだある力たぐりつつ」がこの一首を盛り上げていますね。

★★ 準 賞(賞状・副賞三万円)

<自由題>声もたぬ魚のように流れにも逆らいもせず会議終わりぬ
                                        岐阜県  伊藤かえこ

        サボテンと話が合ふと言ひし子よ今は都会に寡黙に暮す
                                        長野県  近藤久美子

※伊藤かえこさん。「声もたぬ魚」がこの歌を成功させましたね。

  近藤久美子さん。話せばわかってもらえそうな感じがしますね。サボテンは。

<題詠>天命に余白あるらし道すがら母の紋絽の桔梗に出逢ふ
                                       青森県  小沼澄子

※この歌はむずかしいので宿題にさせてください。   松井多絵子