えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

馬場あき子歌集「あさげゆふげ」 のこと

2019-08-29 16:25:44 | 歌う
「あさげゆふげ」を読んだのはかなり前である。ブログに書くつもりだったが遅れてしまった。この第二十七歌集は夫の岩田正の急逝が詠まれ、読みながら私は辛かった。秋になったら更に書き難い。八月が去らないうちに今日こそ書こう、と思う。

🔘 朝餉とは青いサラダを作ること青いサラダは亡き母好みき

🔘しごと一つしたこともなくて夕焼けにけふは西瓜を食べ忘れたり

🔘歯を磨くあとどれだけを噛み砕く力残るや朝の歯みがく

🔘ぼんやりとしているからだは気持ちよくたっぷりとした時間の海だ

🔘透きとほるほどの薄さで食べたしと夫のいふなる東京たくあん

🔘ふたりゐてその一人ふと死にたれば検死の現場となるわが部屋は

🔘月桃餅すこし残るをあたためて分かち食うべぬ最後の昼餉

🔘きみの死のみづみづとわれの手に甦るまだ温かき胸や肩や手

🔘亡きひとよしんしんとろりゆつくりと眠つてください雪の夜です

🔘雪晴れの空と大地を見わたせば夫なく父母なく過去とはけむり


ほんとに「過去とはけむり」 ですね。冬に「あさげゆふげ」 を読んだら更に辛くなるでしょう。(短歌研究社刊)

超一流の雑談力

2019-08-28 14:24:53 | 歌う
8月が去ろうとしている。今年は冷夏かもしれないと勝手に期待していたら8月は昨年のような猛暑、わたしは海へも山へも行かず家で「読書の夏」、読みたい本が山になりそうなのにまた本の広告が私に迫ってくる。

🌹 超一流の雑談力 著者は安田正

人もお金も引き寄せる!仕事や人間関係のわずらわしさを解消!今すぐ使える38のスキル、一流の雑談力が身につくと次のような効果が!

1、表情や気持ちが明るくなり、人生が
充実してくる。
2、苦手な人がどんどん減り、人間関係で悩まされなくなる。
3、どんな場所にも顔を出すことができてチャンスに恵まれる。
4、仕事が驚くほどやりやすくなり、成績が上がる
5、自分に対する印象や評価がかわる

この本の広告文はとても親切だ。買って読む前に試してみたらどうか。

🌹 青は愛、赤は愛憎そんなことあの日話した茶房を過ぎる

10数年前、わたしは歌会の帰りに仲間たちとお茶を飲んだ。そのなかの初老の男のお喋りが楽しかった。以前から知っていたが地味な人で一緒にお茶を飲んだのははじめて、2時間位の雑談だったが楽しかった。かなりの読書家に思えた。でもそれが最後だった。その後会合に現れなくなった。自身の履歴を語ることもなく彼について仲間たちも知らない。雑談だけで人を引き寄せる魅力。あの茶房は今もあるのに、、。

俵万智の「寅さん」

2019-08-27 14:43:15 | 歌う
今朝の☀新聞の広告「月刊・寅さん8月号」に驚く。50年前の今日「男はつらいよ」 シリ一ズ第1作が公開された。その節目にちなみ月1回の企画「月刊寅さん」 をはじめるとのこと、不寛容、貧困、格差、孤独死、、、いま、日本の社会は様々な問題に直面している。寅さんだったら、どんな言葉をかけるだろうか?「いまの社会を見たら何て言うかな」と俵万智が次のように語っている。

「高校生のときボ一イフレンドが映画・寅次郎ハイビスカスの花に誘ってくれました。寅さんの言葉にスカッとしたり、自由な生き方に憧れたり、柔らかく心が揺れ動く感じがしてとても幸せな気分になりました」

私が寅さんと親しくなったのは「はとバス」 の旅の帰路だった。ガイドさんが何か映画を?乗客に聞くと「寅さん!」のリクエストがいつも圧倒的に多く、私もその一人だった。寅さんは旅そのものみたいな男、旅を楽しませてくれた。おどけた表情にも哀愁が漂よっていた。旅の道連れの相手も寅さんに惚れているのに、さりげなく別れてしまう失恋ばかりしている寅さん、、こういう控え目な男はとても魅力がある。あの世でぜひ会いたい、一緒に旅をしたい。

寅さんのような男が猛暑の日、宅急便を届けてくれた

友達の前で「仮面」

2019-08-25 15:04:01 | 歌う
もうじき夏休みが終わるが学校に行きたくない子供たちが多いらしい。本日日曜☀新聞 で小説家の平野啓一郎さんが自身の中学2年の経験を語っている。

平野さんは中学2年のときに、自分より成績の低い友達を「あおって」しまい、1年間くらい遊びに誘われなくなった。友達の前で「仮面」 をかぶっていたからだと感じる。しんどい、むなしい、彼は「自分」は複数の人格の集合体と考えているそうである。対人関係ごとの自分は、本当の自分だと考えたらよいと思う、彼はいま4 4歳。父を1歳で亡くし早熟だったらしい。

「日蝕」 という小説で「芥川賞」 を受賞したのは大学生のときだったような気がする。その「日蝕」 を私は読んだが難解だった。その後は彼の作品を敬遠していたが、映画化される作品を書いたりして作家として活躍しているらしい。たぶん彼の母親は私より年下であろう。父を1歳で亡くした彼は母親を守りながら友達より早く成長し大人になってしまったのかもしれない。おそらく今は「しんどい」 作家であり、ときには「むなしい」 かもしれない。

「あなたの未来もいろんな人との出会いを通じて生まれてくるはずです。それを楽しみにがんばってほしいです」 と言う平野啓一郎さんは優しいおじさんである。私もやさしいおばあさんになりたくなってきた8月最後の日曜日。

🌸何なりと話してごらん聞きますよ私の耳は退屈している

渋谷は豪雨されど近くの我が家は?

2019-08-23 16:56:38 | 歌う
けさ7時のテレビで渋谷駅付近の豪雨を見て驚く。我が家には小雨も降っていない。ベランダも濡れていない。物干しのシャツも乾いている。我が家と渋谷駅はバスで20分、せいぜい4キロしか離れていない。買い物は渋谷、待ち合わせも渋谷なのだ。

☔ 大雨の渋谷駅にて我を待つ岡本太郎の「明日の神話」

力いっぱい太郎が描いた大壁画、岡本かの子の息子が描いた

「芸術は爆発ですね太郎さん」、この線は怒りあの線は叫ぶ

「完成ってどこで自分を許すかを知ることですか」「未完もいいぞ」

私は久しぶりに太郎さんに会いたくなった。でも渋谷駅付近はいま豪雨、そして我が家には小雨もふらないなんて、

渋谷駅付近の雨は「ゲリラ豪雨」とテレビで言われている。岡本太郎の作品もゲリラ豪雨みたいだ。ぜひ渋谷駅で岡本太郎さんに会いたい!