インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

『チェルノブイリ・ハート』を観て。

2012-10-13 15:29:11 | 映画や小説、テレビなど
  たまたまツタヤで準新作100円だったので、『チェルノブイリ・ハート』なる映画を借りてみた。

  1986年の春、旧ソ連、キエフ近郊のチェルノブイリ原発事故についての、ドキュメンタリーであった。

  福島の原発事故があったがゆえに、真剣に観ていたのだが、障害の子供たちに衝撃を受けた。タイトルの『チェルノブイリ・ハート』とは、子供に多発する甲状腺がんと並ぶ、放射能の影響による心臓病のことであるようだ。

 生まれてしまって、成長した以上、苦しみながらも、頑張って生きている。心臓の右心室と左心室の間の穴を防ぐため、破格の値段の手術をするわけであるが、手術が成功し、涙をボロボロ流して感謝していた、ターニャの母親には、心を打たれた(もらい泣きした)。

 執刀医自身も、もらい泣きしているわけであるが、これが毎回のためであるため「ただ仕事をしていただけだと」淡々と語る。手術を受けられずに死んでいく子供たちも多いわけだ。

  目に見えない放射能の影響が、何十年経っても長いこと続くわけで、やっぱしただ事ではないのだな、と思わされた。

  現実問題、故郷を捨てられない、仕事は変われない、ということで、リスクを覚悟して危険地帯に住み続けるわけであるが、自分の子供がこういう病気に罹ってしまったら、「離れていればよかった」といことになるのか。

  セシウム137はカリウムと似ているので体内に蓄積されるとかあり、何か日本でもとんでもないことになるのではないかと予感させられる映画であった。最近では報道されなくなっているし、我々は状況を甘く見ているのかもしれない。