素人(アマチュア)落語と侮れないぞ!と思わされた昨日の会だった。古典落語も、創作落語も、私は十分に楽しむことができた!もっとも、聴いている私が落語を聴くうえで素人だったかもしれないのだが…。
昨日(4月13日)午後、北24条まで遠征して札幌サンプラザで開催された「第20回 落語と南京玉すだれの会」に参加した。
参加した理由は、当日特に予定がなかったことから「何か市内でイベントはないか?」と探していたところ、目に留まったので「たまあには素人落語もいいかも?」という軽い気持ち参加した。会場は150~60人の会場だったが、私同様の中高年でほぼ満杯の盛況だった。
※ 開演前の舞台の様子です。
主催は「室蘭落語長屋」と「仙助流南京玉すだれ保存会北海道支部」の二者だったが、内容的には「室蘭落語長屋」が主導しているように見えた。
当日の演目は次のようになっていた。
1.落語 ちりとてちん
※ 「ちりとてちん」を披露した甘味屋ぷーさんです。
2.口上 ういろう売り
3.落語 かぼちゃ屋
4.落語 太郎さんの日記
5.講談 浪花のお辰
6.落語 時うどん
※ 「時うどん」を披露した娘婿のほっけ家どすこいさんです。
7.曲芸 仙助流南京玉すだれ
8.落語 人生百年
以上の中で、5.の講談が演者の都合で急遽交代し創作落語に変更となった。したがって、古典落語が「ちりとてちん」、「かぼちゃ屋」、「時うどん」の3本、創作落語が「太郎さんの日記」、「人生百年」と前述した交代されたもの(演目不明)の3本だった。口上の「ういろう売り」はまた一味違った落語といえるかもしれない。(後述)
古典落語はやはり玄人の落語家たちとの比較となってしまうため、どうしてもアラが目立ってしまうのだが、それでも「ちりとてちん」の語りとか、「時うどん」の仕草などは長年の鍛錬が良く出ていたように思えた。
それら古典落語に比べると創作落語は気楽かもしれない。現代の人たちを笑わせるには長年落語に親しんでいる人たちにとってはお手の物なのかもしれない。三者ともに大いに笑わせてくれた。特に最後の演じた室蘭落語長屋の大家である柴垣義男氏は、ご自身の父親が103歳まで存命だったことを題材にしながら、父親を敬いつつ笑いを織り交ぜての話芸は、長年鍛えた笑いのコツを存分に披露していただいた舞台だった。
※ 会を主宰する(?)ご本人。山笑亭小粒さんです。(御年79歳とか)
また、その柴垣氏の奥さまが演じた口上「ういろう売り」は、落語に詳しい方はご存じだと思われるが、発声や活舌の練習に格好の題材らしい。聴いている方ではその内容はほとんど把握できない。もの凄いスピードで演じ切った。これもまた長年鍛えた成果なのではと思わされた。
※ 「ういろう売り」の口上を披露した芝辻あきこさんです。(南京玉すだれの衣装?)
実は柴垣家は夫妻、ご子女、娘婿の方が舞台に登場し、孫息子が演目の「めくり」役を務めるなど一家総出の舞台だった。
最後になってしまったが「仙助流南京玉すだれ」は7~80代と思われる女性9人が日頃鍛えた南京玉すだれの芸を、年齢を感じさせない見事さで演じ切り、これはこれで観る者たちを感激させてくれた。
プログラムによると「室蘭落語長屋」は「北海道素人落語協会」のでも知友心的役割を担っているようで、そのレベルはかなり高いようである。
以上、私が期待していた以上の舞台だったことで「遠くまで遠征して良かったなぁ!」という率直な感想である。そう感じさせてくれた理由の一つに、第20回目の開催ということで会の方から「紅白まんじゅう」がプレゼントされたことも加味していることを忘れずに記しておきたい。
※ 聴衆に配られた紅白まんじゅうです。