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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 東京オリンピック〈前編〉 №267

2020-02-21 16:37:21 | 映画観賞・感想

 あの勇壮な古関裕而作曲「オリンピックマーチ」にのって赤と白のユニフォームを纏った日本選手団が堂々と行進する。そのさまを伝える鈴木文弥アナの名調子が画面に蘇った。陸上競技を中心とした映画「東京オリンピック」の前半を観た。

          

 本日(2月21日)午後、かでる2・7において「懐かしのフィルム上映会」があり参加した。今回取り上げられたフィルムは、1965年に開催された東京オリンピックを名匠:市川崑監督がメガホン取った「東京オリンピック〈前半〉だった。今年2度目の東京オリンピックが開催されることから、担当者が開催前に前回のオリンピックを思い出してみようとの計らいから実現した。フィルムは全編で170分の長時間になることから前後半に分けて観賞することにしたということだ。

 フィルムの前半は開会式と陸上競技を中心とするものだった。1965年10月10日の日は図っていたかのような晴天の秋空が広がる中での開会式だった。私には何といっても古関裕而二作曲の「オリンピックマーチ」が懐かしい…。あの勇壮なオリンピックマーチが耳に入ると、私は一気にあの時代に還ってしまうほどである。マーチにのって入場してくる各国選手団は現代のオリンピックのようなラフな入場の行進の姿とは違い、国々の選手団の足並みが揃っているところが印象的である。日本選手団もへんに格式張っているわけではないが、ごく自然に足並みがそろっているという感じが好ましかった。

 最終聖火ランナーの坂井義則さん、選手宣誓をした小野喬さんも懐かしい。また、あの航空自衛隊のブルーインパルスが国立競技場上空に描いた五輪のマークも懐かしかった。

  

 競技編である。前述したように前編は陸上競技が中心だった。(一部体操競技も入っていたが)当時行われていた競技のほとんどは取り上げられていたが、そこは市川監督である。その取り上げ方は一様ではなく、当然のごとく市川監督の目から見て魅力のある競技を中心にして編集されていた。私の記憶にあるのは、男子100m、男子走り高跳び、砲丸投げ(男女)、ハンマー投げ、男子10,000m、女子800m、女子80mHなどであった。特に、男子100m、女子80mHなどは、出走前の選手たちのぴりぴりとした緊張感をよく伝えていた。

 また、非常に特徴的だったのは男子砲丸投げの一人の選手が投擲前に執拗に繰り返すルーティーンをずーっと撮り続けて放映したところに市川監督の真骨頂が現れていると思った。その選手は、投擲のサークルに入ってから利き腕の方の手先を自らの唇とシャツの裾のところを何度も何度も往復させていた。その数が十数回も繰り返していたところをずっーと撮っていたのである。市川監督としては、選手が競技に臨んだ際の極度の緊張感を捉えたのだと思った。

          

          ※ カメラを覗く市川崑監督です。

 オリンピックの記録映画としては、1936年、「ヒトラーのオリンピック」とも揶揄されたベルリンオリンピックの時、映画監督女流映画監督のレニー・リーフェンシュタールが撮った「オリンピア」は高い評価を受けた(その裏側の話を、私は沢木幸太郎のノンフィクションで読んでいた)が、その映画に比肩するほど芸術的には高い評価を受けた映画である。記録性にやや難があるとも評されたが、私には記録性も芸術性も兼ね備えた素晴らしい映画だと思えた。ただ、残念なことに本日観たフイルムは経年劣化のためか、カラーフィルムのはずなのだが、色が飛んでしまい全体が赤茶系の色調になってしまっていたことが残念だった。

 3月に放映を予定している後編が楽しみである。

 

 

 

 

 



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