ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本経済新聞紙の「英離脱後に包括協定 EU検討 通商や規制巡り」を拝読しました

2016年06月27日 | 日記
 2016年6月26日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面に掲載された見出し「英離脱後に包括協定 EU検討 通商や規制巡り」を拝読しました。

 6月24日に実施された英国でのEU離脱を問う国民投票で、EU離脱派が勝利してから、その後の対応を巡って、いろいろな検討が始まりました。

 想定外・予想外のことへの対応に、EU(欧州連合)は追われています。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では、見出し「英離脱後に包括協定 EU検討、通商や規制巡り」と報じています。



 英国は、EUに離脱を正式に通告してから、2年間は現在の“ステータス”が維持されます。その後は、新しく結ぶ協定によって、経済、司法、教育、テロ対策などを、英国とEU間で定めることになります。

 EUは、これまで周辺国、例えばノルウェーと結んだ協定を参考に交渉に臨むと考えられています。ノルウェーと結んだ協定は、多くの分野で関税撤廃などの恩恵が得られる半面、EUへの拠出金を求められています。

 さらに、EUの法律や規則を守ることが求められています。その一方で、ノルウェーはEUの政策決定には参加できないのです。

 その一方、カナダがEUと結んだ協定は、関税撤廃などを盛り込んだ包括的・貿易協定(CETA)を締結しています。カナダとの協定はEUからの移民労働者の受け入れを含まず、EUへの拠出金も不要です。

 EUとノルウェー、カナダと結んだ協定の中間を、英国とEUは目指すと推定されています。特に、今回、英国内で反対が多かったEUへの拠出金は大きな課題になりそうです。

 EUの主要国であるドイツでは、ドイツ財務省が英国を“準パートナー”という位置付け案を提案したと報じられています。加盟国ではありませんが、EUとの密接な関係国という位置づけを狙います。

 ドイツ、フランス、イタリアなどのEU6カ国の外相会議では、英国に早期の離脱を求める交渉を促すとの意見で一致したと、伝えています。既に、EUと英国は自分たちに有利な条件を模索し始めています。

 この日本経済新聞紙の朝刊一面のコラム「震える世界 英EU離脱」では、結束か亀裂か、欧州の岐路と解説しています。このEU離脱の決定は、日本にも多くの影響を与え始めています。

(追記)
 2016年6月27日に発行された日本経済新聞紙の朝刊の中面に、今後、英国とEUが締結する通商関係の参考例として、以下の4つのパターンが示されています・

 第一は、現在、EUとノルウェーはEEA(欧州経済地域)を締結しています。貿易面では農業と漁業以外では関税が撤廃されています。EUに拠出金を出していますが、EU政策には関与できない関係です。ただし、事実上の非関税障壁があります。この方式は、アイスランド、リヒテンシュタインも同様の内容を締結しています。

 第二は、スイス型です。スイスはEUと個別の協定を約120件締結しています。過去20年間に個々の協定を結びました。各協定を時間をかけて締結する必要があります。

 第三は、カナダ型です。包括的経済・貿易協定(CATA)を締結しています。締結までに時間がかかると予想されています。日本経済新聞紙では、英国は、このカナダ型を目指すのではないかと推定しています。ただし、カナダとEUは契約締結に10年間かけています。

 第四は、WTO型です。世界貿易機関(WTO)のルールに頼る協定です。

 また、英国が実際にEUから離脱した段階で、日本は英国と輸出関税の減免などの個々の協定を提案し、締結するのが基本方針のようです。

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4 コメント

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Unknown (fukurou0731)
2016-06-27 12:13:31
おはようございます。
一面トップで激震が走りましたね。
国民投票の怖さを思い知ったという感じです。一票でも上回ったら、大きな変化が起きる。
2年の間にもうひと波乱あるのではないでしょうか?揺り戻しのような。
日本の憲法改正もどうなるのでしょうね、国民投票すると。考えさせられました。
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fukurou0731さま (ヒトリシズカ)
2016-06-27 19:09:37
fukurou0731さま

コメントをいつもお寄せいただき、ありがとうございます。

今回の英国のEU離脱を問う国民投票は、国際市場関係で働いている方々と、各地方で地産地消している方々との意見の違いを問うた結果です。結果は結果なので、尊重せざるを得ないと考えています。

自分たちで選んだ行政官ではない方(EUの行政官)に、自分たちの行政方針を決められる点に不満がかなり高まったようです。

先日放映されたTBSテレビのリポートでは、英国の郷土食のフッシュ・アンド・チップスの原料のタラの90パーセントを、ノルウェー産か中国産を使わざるをえない現状には、英国の漁民の怒りが高まることを理解できました。

日本もTTPが始まると、「昔はよかった」という日本の地方に住む高齢者が増えるような気がします。

単純に経済的利益と、住んでいる地方の実情(地産地消など)が両立できない点に、広域での関税無しルールを簡単には判断できない問題があるように思います。
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英国のEU離脱の波紋 (美文字)
2016-06-27 21:00:03
先週の英国がEUを離脱するとの結果となった国民投票の結果は、日本では株価が下がり、円高になり、ドル不足に陥っています。
円高が進むと、日本への中国人旅行者が激減すると予想され、これまでの日本への観光ブームがどうなるのか、不安が広がっています。
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EU脱退通告 (GTO)
2016-06-28 08:57:27
英国政府はEUに対して、「EU脱退通告」のタイミングが次の焦点になります。
EU脱退の通告は、EUからの脱退を定めたEU条約第50条で定められている手続きです。
これが脱退を巡る英国とEUの交渉開始のトリガーになります。
英国政府はEU脱退通告を急がない方針です。
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