ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本経済新聞紙に掲載された見出し「トップ企業 成長力見劣り」を拝読しました

2019年12月17日 | 日記
 2019年12月15日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面に掲載された見出し「トップ企業 成長力見劣り」を拝読しました。

 このコラムは、ここ最近、日本経済新聞紙が力を入れているシリーズ「チャートは語る」の続きです。

 このコラムに添えられた図の「東証1部のトップ30社の株価はさえない」という折れ線グラフによる2000年時点から2019年時点までの東証1部のトップ30社の株価の落ち込みは寂しい限りです。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版は見出し「トップ企業、成長力見劣り 日本株の足かせに」と伝えています。



 このコラムの冒頭の文章はストレートに問題を伝えています。それは「バブル経済のピークだった1989年末、日本企業は株式時価総額で世界上位100社のほぼ半分を占めていた。30年後の今ではトヨタ自動車1社のみだ。海外を見渡すとイノベーション(技術革新)や再編をてこに、巨大企業が止まることなく成長している。日本を代表する企業の成長力を高めなければ、株価の上昇は見込めない」と伝えています。

 こうした日本企業の株価の低迷を受けて、東京証券取引所は、1部と2部などの市場区分の見直しに着手に、投資対象として優秀な企業が集まるプライム市場(仮称)の創設を模索していると伝えます。

 本質的には、こうした小手先な変更ではなく、日本企業が持つ時価総額1000億ドル(約10兆円)の水準に達すると、それ以上への成長の壁がある問題を本質的に解決する道を探ることです(日本経済新聞社系のQUICK・ファクトセットのデータから)。
 
 日本企業では、時価総額が1000億ドルを上回った企業は8社しかありません。米国の86社、欧州の53社、中国の18社に比べると、かなり見劣りします。

 日本企業が成熟が早い理由を早稲田大学の清水洋教授は「収益性の高い事業には経営資源をシフトしきれない経営問題」と分析します。日本企業の経営陣は大胆な事業の新陳代謝ができない経営を続けているからです。無難な道しか採らないからです。

 従業員の給料も上げず、経営陣の新陳代謝も行わない日本経営の問題点です。

 たとえば、日本を代表する創薬企業の武田薬品工業は、数年前に社長にフランス系企業の経営経験のあるフランス人をスカウトしています。

 こうした事例はとても珍しいことです。日本企業の中でも、三菱重工業が創業時の長崎造船所の一部を売り出し、日立製作所も優良子会社の日立化成工業を売りに出しています。

 こうした事業の新陳代謝を成功させるカギは、優秀な従業員をどう確保するかです、そのためにも、従業員の給与を改善し、欧州企業のようないい循環システムをつくらないと、日本企業に未来はありません。

 この際に、重要なことは正しい企業情報を公開することが根底・基本になります(どこかの政府とは違うように・・)。

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6 コメント

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日本企業の事業転換 (スマグリ)
2019-12-17 14:28:28
1980年代の高度成長期に、日本企業は事業の成長があまりにも、うまく行き過ぎ、経営陣の育成を怠りました。
2000以降の失われた20年問題で、日本の電機産業・半導体産業は事業の新陳代謝に失敗に、大規模リストらを実施し、優秀な日本人従業員を韓国や台湾、中国に結果的にだしました。
この結果、事業ノウハウが韓国や台湾、中国に伝わりました。従業員を大切にしなかったということの失敗です。
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スマグリさま (ヒトリシズカ)
2019-12-17 15:40:28
スマグリさま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

日本企業は1980年代に事業化にあまりにも成功しました。当時は「電子立国日本」とまでいわれた時期でした。

今はこうした状況にほど遠い様子です。外国人の方から見て、日本企業は働いてみたい企業ではなくなっています。
終身雇用・新卒一括採用はもう時代遅れです。
女性に活躍していただく環境づくりも欧米に比べて遅れています。
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日本の自動車メーカー (GTO)
2019-12-17 16:03:25
日本では、電機系企業が事業不振に陥り、今は自動車系企業が日本をけん引しています。
しかし、トヨタ自動車以外は陰りが出ています。
ゴーン体制移行を模索する日産自動車はさておき、あのホンダもスバルも販売台数を増やしていません。
マツダもあまり伸びていません。
日本の自動車メーカーが低迷すると、日本の産業は大変な事態になります。
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GTOさま (ヒトリシズカ)
2019-12-17 22:05:26
GTOさま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

日本の電機産業は2000年ぐらいまでは、世界市場を席巻していました。その後に、半導体、液晶パネルなどのシャアが落ち、パソコンも数量的に厳しくなりました。

携帯電話機(ガラ携)も国内市場を抑えていましたが、米国のアップル社と韓国のサムソン電子のスマートフォンの登場によって壊滅しました。

残った自動車産業には頑張ってもらいたいです。
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日本企業 (グラッパ)
2019-12-18 09:42:46
日本企業の中で、国内市場で圧倒的に強い製造業はあるのかどうか・・
自動車メーカーは国内よりも海外市場で稼ぐ仕組みです。
半導体メーカーはもうあまり残っていません。
韓国との対応で分かったように、半導体向けの材料は強いですが、半導体自身は日本はマイナーな存在です。
これからの生き残りをかけた戦略を考えられるのか、とても心配です。
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グラッパさま (ヒトリシズカ)
2019-12-18 14:53:48
グラッパさま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

国際的にも、企業利益を上げてる業種は米国のIT企業が代表的です。米国の製造業の代表企業のGEでも、業態変更に苦労しています。

日本の電機産業の未来像は何なのか、よく考えたいです。たとえば、ソニーは情報・メディアに力点をおき、日立製作所もIT系に力点を置く様子です。
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