ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

人気ミステリー作家の東野圭吾さんの新刊単行本の「希望の糸」を嵐の中で再読しました

2019年10月13日 | 
 人気ミステリー作家の東野圭吾さんの新刊単行本の「希望の糸」を再読しました。

 昨日2019年10月12日は一日中、関東地方に近づく台風19号による強風・雨の天気だったために“晴耕雨読”となり、新刊単行本の「希望の糸」を再読しました。

 この「希望の糸」は2019年7月5日に講談社から発行された単行本です。価格は1700円+消費税です。



 この単行本の「希望の糸」は、なかなかの傑作です。読み始めると、面白くて止められなくなります。このタイトルの「希望の糸」は複雑な意味を持っています。

 ただし、この小説に描かれた“因果関係”は確率的には起こりえないほど、奇跡的な出来事が重なるということが背景になっており、小説としてのつくりものです。

 この小説内で起こった殺人事件を主に担当する刑事は、警視庁捜査一課の松宮脩平(まつみやしゅうへい)です。あの人気単行本「新参者」シリーズの主人公の日本橋警察署にいた加賀恭一郎(かがきょういちろう)の従兄弟です。

 加賀も今は警視庁捜査一課に戻っています。この刑事の松宮の下に、金沢市の老舗旅館のたつ芳を経営する女将という吉原亜矢子(よしはらあやこ)から突然の電話があり「あなたの実の父親かもしれない男性老人が危篤になっている。末期癌で危篤になっている」と突然、伝えられます。この吉原という女性は、松宮によって見ず知らずの人物です。

 松宮は、母親からは「父親は小さいころに亡くなった」と聞いていて、父親の記憶はなったくありません。そして父親の墓もないことに気がつきます。

 すぐに母親に電話をかけると、今は千葉県の田舎に友人と一緒に住んでいる母親は「私の口からはいいたくない。いえない」と答えます。ますます当惑します。

 この松宮の生い立ちが、今回の殺人事件の背景を匂わす伏線になっています。この刑事の生い立ちを伏線になっていることが、東野圭吾さんの名人芸です。

 殺人事件の被害者は、東京都目黒区の自由が丘で喫茶店を経営する51歳の中年女性の花塚弥生(はなづかやよい)です。感じのいいカフェの「弥生茶屋」を経営し、近所や客から評判のいい女性でした。お客ごとに似合う、お手製のケーキを勧めるなどの居心地のいいカフェを運営していたからです。

 この花塚弥生の死体を発見した女性も「人からうらまれる人物ではない」と証言します。このため、恨みの犯行ではなく、流しの強盗殺人ではないかと推定されます。初期捜査ではの経緯です。しかし、・・。

 この「希望の糸」の冒頭は、絵に描いたように幸せな親子4人の子どもが、両親が多忙なために、子ども二人で母親の祖父・祖母がいる新潟県長岡市に帰省します。

 そして、新潟地震が起こって、古いビルに遊びに来ていた子ども2人が倒壊したビルの下敷きになり亡くなります。これが事件の背景になっています。幸せな親子の両親が突然、途方に暮れます。

 さまざまな事柄が絡んで、殺人事件が起き、自分の出世の秘密を探る松宮刑事が難事件を解決します。

 それぞれは関係ない事件や経緯ですが、その“赤い糸”があるところで、結び付きます。確率的には起こりえないことですが、かなり面白い中身です。

 このミステリーの本論は、続編で明らかにします。日本の社会で進む少子高齢化が背景になっています。


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
東野圭吾さん (雪月花)
2019-10-13 10:04:12
東野圭吾さんの人気ミステリーの「新参者」の主人公である加賀恭一郎の従兄弟の刑事の松宮脩平が犯人を推理する、ある種のスピンオフの作品ですね。
その主人公の出生の秘密が関係するような中身に、東野圭吾さんの円熟味を感じます。
返信する
雪月花さま (ヒトリシズカ)
2019-10-13 10:46:36
雪月花さま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

昨日、台風19号による大雨・強風の中では、本を読むしかやることがなく、この東野圭吾さんの「希望の糸」を読み返していました。

昨日夕方からは、埼玉県南部を流れている荒川支流が、荒川に水が流れなくなり(逆流・・?)、近くの市町村では一部では避難勧告が出て、驚きました。
返信する
東野圭吾さん (ビタミンE)
2019-10-13 11:31:52
東野圭吾さんの新刊の「希望の糸」は、あの人気「新参者」シリーズのスピンオフ作品なのですね。
名探偵の加賀恭一郎の従兄弟が、今度は主人公の刑事という設定がいいです。
これだけで面白い小説という期待感が高まります。
返信する
ビタミンEさま (ヒトリシズカ)
2019-10-13 12:30:56
ビタミンEさま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

この東野圭吾さんの新刊の「希望の糸」は、あの人気「新参者」シリーズのスピンオフ作品だということは、約30パーセントぐらい読み進んで初めて分かります。

導入部はかなり異質な本筋にどう結び付くのか分からないエピソードです。東野圭吾さんの筆力がよく分かります。
返信する
名探偵の加賀恭一郎 (マリンバ)
2019-10-13 15:56:40
東野圭吾さんの新刊の「希望の糸」は、テレビの人気番組にもなった名探偵の加賀恭一郎刑事の従兄弟が活躍するミステリーなのですね。
何気ない会話や動きが、いろいろな伏線になっている面白いミステリーなのでしょうね・・
東野圭吾さんの名人芸のようです。
返信する
マリンバ様 (ヒトリシズカ)
2019-10-13 17:20:08
マリンバ様

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

この東野圭吾さんの新刊の「希望の糸」は、あの人気「新参者」シリーズのスピンオフ作品で、加賀恭一郎刑事の従兄弟が活躍するミステリーです。

加賀も上司として、いい助言をし、殺人事件の謎を解くことに貢献します。

この新作は、なかなか微妙な問題を取り扱っています。
返信する
東野圭吾さん (メグロ警部)
2019-10-16 18:24:22
東野圭吾さんの新刊は、警視庁捜査一課の松宮脩平刑事が探偵役です。
殺人犯人を追い詰めます。
その背後には、ある意味で不幸な人生があります。
こうした物語を書ける点が、東野圭吾さんの腕前です。
返信する
メグロ警部さま (ヒトリシズカ)
2019-10-16 19:27:42
メグロ警部さま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

この東野圭吾さんの新刊の「希望の糸」の探偵役は、警視庁捜査一課の松宮脩平刑事です。

この松宮脩平刑事の生い立ちが、物語のなかなかの味を出しています。
返信する

コメントを投稿