ヒトリシズカのつぶやき特論

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人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの新刊「クジラアタマの王様」を読み終えた話の続きの続きです

2019年09月20日 | 
 人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの新刊の単行本「クジラアタマの王様」を読み終えた話の続きの続きです。

 この小説はなかなか難解な話です。数回読んで、あちこちに散りばめられた伏線がつながり、話の全体の展開が分かり、その面白さに気がつきます。

 この単行本「クジラアタマの王様」は、2019年7月5日にNHK出版から発行されています。価格は1500円+消費税です。



 単行本「クジラアタマの王様」の小説の主人公である岸さんは、自分が見る夢の世界で、ロールプレイングゲーム(Role-Playing Game) の主人公の一人として活躍しています。

 以下は、この小説のネタばらしです。

 自分が見る夢の世界で、怪物と戦うチームの一員である小沢ヒジリ(おざわひじり)さんは、最初に現実社会で顔見知りになった時は、人気歌手グループのメンバーでしたが、15年経った今は、世界的な映画俳優になっています。

 そして、もう一人の怪物と戦うチームの一員である池野内征爾(いけのうちせいじ)さんは、東京都議会議員から国政の衆議院議員になり、なんと国土交通大臣になり、さらに今は厚生労働大臣に就任しています。

 この池野内征爾議員は、国土交通大臣の時には宅配業者から多額の政治献金を受けていたとのニュースが流れ、厚生労働大臣である現在は、補助金通知決定の通知を受けた法人から違法献金を受けていたという疑惑のニュースが流れてます。これが伏線です。

 夢の世界で、怪物と戦うチームの一員同志である3人ですが、小沢ヒジリさんによると、チームではなく一人で怪獣戦ったこともあるそうです(夢の中の戦いは、小沢ヒジリさんは覚えていますが、岸さんはほとんど覚えていないのです)。
 
 そして、小沢ヒジリさんが夢の中で、大きな牛の怪獣と戦って負けると、小沢ヒジリさんが所属する芸能事務所が脱税容疑で調べられます。夢の中の戦いの結果が現実社会に反映します。

 現在は課長に出世した岸さんは、池野内征爾議員に呼び出されて話をすると、言い訳として「政治家が献金をもらうのは常識なのかもしれません」といって、「私から献金を求めていないのに、相手が勝手に献金し、受け取ったことがある」といいます。

 話は、日本で新しい“鳥インフルエンザ”が流行し始める動きになっていきます。そして、岸さんの娘の佳凛さんが、近所のおばあさんが身体の具合が悪かったので、家まで送り届けた時に感染したようです。

 この時代の日本では、“鳥インフルエンザ”患者が出た地域やその家庭を探しだし、「不注意だ」などとの“うわさコメント”を出す不穏な時代になっています。現在の一部のSNS(Social Networking Service=ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のように、無責任な投稿意見が個人を傷つける風潮が強まっていました。

 実は、このSNS的なうわさ情報は、各自が持っている「パスカ」に届きます(この情報端末「パスカ」は、伊坂幸太郎さんの単行本「スピンモンスター」に登場したものです。伊坂幸太郎ファンでないと分からない話です)。

 日本で流行始めた“鳥インフルエンザ”は、日本の製薬企業が研究開発したワクチンによってなんとか収拾します。岸さんの娘の佳凛さんも救われます。

 実は、この“鳥インフルエンザ”ワクチンは、海外の製薬企業が研究開発し、成功していました。日本の政治家の中で、この海外の製薬企業と結び付いた者たちが、「池野内征爾議員の国内製薬企業からの政治献金疑惑」を流してました。

 作者の伊坂幸太郎さんは、政治献金疑惑の中身を書いていません。今回、日本の製薬企業が研究開発したワクチンによってなんとか収拾できたのは、夢の世界で怪獣を倒した結果、池野内征爾議員に幸運な結果になったとも読み取れます。

 物事の正否、裏表も、実は曖昧なものだと伝えたいようです。

 単行本「クジラアタマの大様」の最終章の第4章「マイクロチップと鳥」は話が飛び飛びになります。全体の流れをつかむだけでも、予想以上に苦労します。何となく、この続きがまだあるような気もします。

 人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの新刊「クジラアタマの王様」を読み終えた話は、弊ブログの2019年9月18日編から始まっています。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
伊坂幸太郎さんの新刊 (メロンパン)
2019-09-20 14:21:16
伊坂幸太郎さんの新刊の「クジラアタマの大様」は最後は政界の癒着や違法献金などに触れた話になっているのですか?
しかも、その中身を白黒はっきりではなく、グレーの中で白に近い、あるいは黒に近いなどと、含みを持たせているのでしょうか?
一つの事実も視点によって異なる評価になりますね・?
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伊坂幸太郎さんの新刊 (GTO)
2019-09-20 15:39:34
伊坂幸太郎さんの新刊は、伊坂幸太郎さんの熱烈なファンでないと分からない用語も出てくるのですね。
日本で鳥インフルエンザが流行って、そのワクチンをめぐる政治疑惑も出てくるようです。
伊坂幸太郎さんの関心は様々な分野に及びますね・・
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メロンパンさま (ヒトリシズカ)
2019-09-20 16:09:09
メロンパンさま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

伊坂幸太郎さんの新刊の「クジラアタマの大様」の最後の第4章は、主人公の一人の池野内征爾議員が国会議員になり、国土交通大臣の時や厚生労働大臣である現在に、いろいろと疑惑がささやかれています。

この「クジラアタマの大様」の中では、灰色風ですが、日本人を鳥インフルエンザから守るためにした一部の動きという解釈になりそうです。

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GTOさま (ヒトリシズカ)
2019-09-20 16:13:32
GTOさま

コメントを重ねてお寄せいただき、ありがとうございます。

伊坂幸太郎さんの新刊の「クジラアタマの大様」の最後の第4章は、日本で鳥インフルエンザが流行り、パンデミックになりかかる時に、主人公の一人の池野内征爾議員が厚生労働大臣として、そのワクチン開発を支援していたという話になっています。終わりよければ、すべてよしのようです。
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伊坂幸太郎さんの新作 (曖昧模糊)
2019-09-20 17:17:00
伊坂幸太郎さんの新作の「クジラアタマの大様」は、主人公が夢の世界で怪物と戦い、その結果によって、自分が生きているリアルワールドの生き方に影響がでるという仕掛けが面白いです。
日本で鳥インフルエンザが流行ったことも、その主人公が夢の世界で怪物と戦う成否にかかっていたのですね・・
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曖昧模糊さま (ヒトリシズカ)
2019-09-20 17:52:50
曖昧模糊さま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

伊坂幸太郎さんの新刊の「クジラアタマの大様」の主人公の岸さんなど3人は、夢の世界で怪物と戦い、怪物を倒さないと、よくないことが起きるようです。

現実世界のいろいろな出来事が主人公3人の活躍にかかっています。金沢市のホテルの火災でも、3人が活躍し、宿泊客が助かりました。
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伊坂幸太郎さんの新刊 (鉄子)
2019-09-21 05:29:24
この伊坂幸太郎さんの新刊では、日本では鳥インフルエンザが蔓延し始めているのですか・・
とても怖い話です。
そのワクチンを巡って、日本の製薬企業も海外の製薬企業も開発には成功しているのですね。
安心しました。
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鉄子さま (ヒトリシズカ)
2019-09-21 06:37:40
鉄子さま

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

伊坂幸太郎さんの新刊の「クジラアタマの大様」の第4章では、日本で鳥インフルエンザが流行り始め、人々はややうろたえます。

無事に、そのワクチンが開発され、その危機は収まるようです。その際に、夢の中で戦う仲間の一人の池野内征爾議員が厚生労働大臣として、そのワクチン開発を支援していたそうです。

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スマフォによるSNS投稿 (水すまし)
2019-09-22 17:54:19
多くの方がスマートフォンを持ち、あまり知らないことでも、感情的な心の動きで、付和雷同的に感想を公表する社会現象は怖いものです。
匿名だから、気軽に感想を伝える時代に、もし鳥インフルエンザが流行だすと、流言飛語が飛び交いそうです。
怖い話です。
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水すまし様 (ヒトリシズカ)
2019-09-22 18:55:43
水すまし様

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

多くの方がスマートフォンを持ち、あまり知らないことでも、本当らしい投稿内容に無責任な反応をして、問題になることがあります。

まったく無関係の方が、その犯人だとして実名を公表された出来事もありました。困ったことです。
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