AKira Manabe ブンブン日記

enjoy eating fun to cooking

理念と経営8月号

2008-08-08 12:49:39 | Weblog
◆◆今週のことば

みなさんがお間違えになるのは、伝統は守っていくものと思っておられますが、そのまま守っていくのは伝統ではなくて伝承です。

株式会社半兵衛麸 
代表取締役会長
第11代目半兵衛 玉置 辰次


★関連記事は、月刊「理念と経営」8月号に掲載されています。
(14~21ページ「企業事例研究1・『老舗』に学ぶ」)


◆◆企業事例研究

今週の企業事例研究・「『老舗』に学ぶ」は、京都・株式会社半兵衛麸をご紹介します。

代表取締役会長で、第11代目半兵衛・玉置辰次氏に、同社の歴史と受け継がれてきた伝統について、お話を伺いました。


☆「義を先にして利は後とす」

1689年、玉置半兵衛氏が創業。

以来、麸作り一筋で、代々受け継がれてきました。

3代目・三十郎氏は、京の町で「石門心学」を教えていた

石田梅岩の門人となり、商売人としてのあるべき姿を学びました。

そして、3代目が家訓として残した言葉が、荀子が説く「先義後利」(義を先にして利は後とす)でした。

この家訓は今に至るまで、日常生活をとおして代々、語り継がれてきました。

玉置氏も祖父や父親の話を聞いて、人の命や食べることの大切さ、また、人としての生きかた、商売の仕方を学んだとおっしゃっています。

しかし、第2次大戦では、食糧統制により麸作りができなくなります。

持っていたものを売り、家を売るという生活で、糊口を凌ぎました。

戦後、麸屋のなかには闇取引で小麦粉を買い、麸を作って大儲けしていたところもありました。

若き日の玉置氏が父親に、この“闇の麸屋”を提言したところ、こう諭されました。

「うちは先祖代々、麸というもののおかげでずっと続いてきたのや。

そのありがたい麸の闇商売をできるか。わしはできへん。

規則を曲げてまで生き延びても、あの世で先祖に怒られる」

これが父親の考えであり、半兵衛麸がいまも受け継ぐ精神です。

☆「みんなご先祖さんのお陰」

戦争は半兵衛麸に大きな爪あとを残します。

昭和28年に食糧統制も終わり、家業は再開したものの、麸作りに必要な機械や釜、そのほかの道具は強制供出により一切合切ありません。

ゼロからのスタートであり、いわば“第2創業”です。

父親から麸屋を受け継いだ玉置氏は、母親から鍋一つとしゃもじを貸してもらい、小道具は自分で作りました。

そのほかの機械はなし。当然、従業員もいない。
すべて一人で、手作りで麩づくりを再開されます。

しかし、そのような苦境の時代でも、先代が残してくれた“信用”がありました。

「おまえの親父さんには世話になったから」と、またお得意先になってくれるところもあったのです。


「みんなご先祖さんのお陰です」(玉置氏)

紆余曲折がありながらも、先人の培ってきた信用と玉置氏の精一杯の日々の努力が実を結び、今日の半兵衛麸を築き上げました。


☆「大切なのは、お客様に幸せ感をもって帰ってもらうこと」

戦前は全国で1200軒ほどあった麩屋も、昭和30年に組合が結成されたときには約800軒に減少します。

その後、食生活が変化し、食べるものが洋風化され麸の需要が減少します。

現在では組合員だけで125軒になりました。

そのような状況の下、「大切なことは麸のことを知ってもらうことだ」
と玉置氏は語られました。

「同業者同士が麸を大事にしなければいけません。

人と共によくならなかったら、ほんものといえないと親からも教えられてきたものですから。

いまは若い人たちから生麸を、『どうやって食べるの』という質問が多いんですよ。

『あっ、ここだ』と思いました。

うちがなんぼええ商品を作って、『うちの麸はおいしいですよ。
麸は体にもいいですよ』と言っても、食べ方のわからない社会になったら麸屋は成り立ちません。

いまのうちに、麸の食べ方を知ってもらうことが大事だ。
これが、業界としての一番の仕事だ、と思ったんです。
 
(中略)

大切なのは、お客様にまずは満足して帰ってもらう。
幸せ感をもって帰ってもらう。

そして、生麸はこれだけ柔らかくて、こんな味でおいしかったという感動をまず覚えてもらうことやと思っています。

業界をあげて、そういう工夫をしたらいいと思うんです」

☆「伝統は守るものではない、潰していくもの」

麸のことを知ってもらうことと、いい製品をつくり続けることこそが業界や自社を生き残らせる道だ。

玉置氏はこう断言されます。

いい麸をつくるには、材料のいいものを使い、手間ひまをかけ、非効率なことをしなければならない。

しかし、儲けを優先して作ったらおいしい麸はできない。
おいしい麸をつくってお客様に信用されることが大事だと。

その信用こそが、代々受け継がれてきた「伝統」でした。
この伝統を守るために一番大事なこととして、次のように語られます。


「伝統は守るものではない、潰していくものです。

みなさんがお間違えになるのは、伝統は守っていくものと思っておられますが、そのまま守っていくのは伝統ではなくて伝承です。

伝統とは潰していくもの、改革していくものです」

その時代に適合し、変えるべきものは変えていく。

そして、変わってはいけないものは変えない。

これが「伝統」だと。

めまぐるしく変容する我々の現代社会において、非常に大切な、経営の本質をついた言葉でないでしょうか。

★関連記事は、月刊「理念と経営」8月号に掲載されています。
(14~21ページ「企業事例研究1・『老舗』に学ぶ」)

第45期社長年度方針

2008-08-08 02:22:59 | Weblog
◆◆酒商山田さん

朝は広島でした。
酒商山田さんにお邪魔しました。山田社長はお人柄も経営センスも素晴らしく大好きな社長の一人です。


昨日の勉強会仲間の青果の社長さんから広島の庄原市で採れた“シチリア”という品種のトマトをいただきました。皮が固く、酸味が少し強く、旨味は薄かったですね。

西条市の高橋さんが作っている“あいこ”に形は似ているのですが、野菜や果物はやはり日本のものが美味しいですね。技術や思いが違うのでしょうかね。

農薬や化学肥料を使って大量生産していた時代は、味が薄く美味しくなかったですが、今のこだわり農家さんの野菜は世界に誇れる品質になりましたね。

いただいた“シチリア”は???という品質ですが、早速帰って高岡さんに料理してもらいます。


大好きな山田社長にお昼ご飯をご馳走になりました。
宇品にある“SHIP”というこじんまりとしたいいイタリアンレストランでした。
かじきマグロとおろし大根のスパゲッティをいただきました。オリーブオイルを使って、トマトを隠し味にして、さっぱり仕上げた新和風スパゲッティでしたよ。


◆◆小松へ走る

松山に着いた後は、急いで小松まで車を飛ばし帰りました。

先日呼ばれてお話させていただいた、西条東中学の生徒の感想文をもらいました。

「あんなオッサンだったらなりたいな」と子供たちに夢を与える大人でありたいですなぁ。


◆◆社長方針まとまる

午後は迷いに迷っていた第45期の社長年度方針(案)をまとめました。

昨年までは方針は沸いてでてましたが、今回は外部環境が読めないだけに悩みました。

また社員やスタッフの育成レベルが上がってきてるので、間違った方針を出すと大変なことになる危険性があります。

幹部の皆さん遅くなってすみません。

忌憚のないご意見をよろしくお願いします。