昨夜から降り出した雨。
大雨(たいう)にならず、大きな自然災害にも発展しそうにない雨です。雨という天象は、男と女にとって、"雨宿り"の名目で二人が寄り添うキッカケとなる一方で、二人の間にたちはだかる厄介者にもなるのです。
奄美のしまうたに、「らんかん橋節」という歌があります。この曲はまさに、雨で割かれた男女の仲を歌い込んだ名曲です。カサンの大御所である上村藤枝さんのCDから歌詞を転載してみましょう。
大水(うくむぃじ)の出(い)じでヤレー
らんかん橋ば、洗(あ)れながらィ 流(なが)し
(ソラヨーイヨイ)
らんかん橋ば、洗(あ)れながらィ 流(なが)し
(らんかん橋ば、洗(あ)れながら 流(なが)し)
忍(し)ぬでもる加那やィやーれー
泣しどィマタ戻どりゅィ戻どりゅィ
(ソラヨーイヨイ)
泣しどィマタ戻どりゅィ戻どりゅィ
雨が降り続いて、大雨となり、加那(=愛する人、男にも女にも使う)の家に通うためのランカン橋が流されてしまった。忍んで逢いに来たのだが、橋がなければどうしようもない。泣いて戻ることにしょう--といった意味です。
奄美大島のしまうた(遊び歌)は、男女の恋愛の掛け合いを歌った抒情歌が多く、この「ランカン橋」も、橋という二人をつなぐ絆が喪失してしまったことに対する嘆きを、思いをこめて歌い込むことが唄者の聞かせどころなのです。
加那の家に行って、今晩も、夜語りをしながら、楽しく過ごそうと思っていたのに、橋が洗い流されてしまったので、泣く泣く帰るしかない加那の心情。この歌は、続きがあり、さらに男女の抒情に拍車がかかるのです。
こもりてばこィもーりヤーレー
渡ららぬィこもり こもり
(ソラヨーイヨイ)
渡ららぬィこもり こもり
(渡ららぬィこもり こもり)
情けィ橋(ばし)掛けてヤーレー
渡し給(たぼ)れ 給れ
(ソラヨーイヨイ)
渡し給れ 給れ
「こもり」とは、水が溜まって沼のようになった場所を言うそうです。大意はこうでしょう--こもりといえば、こもりです。渡ることが出来ないこもりです。でも、この水溜まりにあなたが"情け橋"を掛けて、わたしの許に渡って来てください--。ここでは待っている方の加那の心情が歌われています。「情け橋」という表現がいいですね。なけてきます。こうしたありもしない架空の橋を掛けてまでも、雨にもかかわらず、それを乗り越えて、逢いに来て欲しいという感情が加那(恋してしまった人)の切なる思いなのでしょう。
大雨(たいう)にならず、大きな自然災害にも発展しそうにない雨です。雨という天象は、男と女にとって、"雨宿り"の名目で二人が寄り添うキッカケとなる一方で、二人の間にたちはだかる厄介者にもなるのです。
奄美のしまうたに、「らんかん橋節」という歌があります。この曲はまさに、雨で割かれた男女の仲を歌い込んだ名曲です。カサンの大御所である上村藤枝さんのCDから歌詞を転載してみましょう。
大水(うくむぃじ)の出(い)じでヤレー
らんかん橋ば、洗(あ)れながらィ 流(なが)し
(ソラヨーイヨイ)
らんかん橋ば、洗(あ)れながらィ 流(なが)し
(らんかん橋ば、洗(あ)れながら 流(なが)し)
忍(し)ぬでもる加那やィやーれー
泣しどィマタ戻どりゅィ戻どりゅィ
(ソラヨーイヨイ)
泣しどィマタ戻どりゅィ戻どりゅィ
雨が降り続いて、大雨となり、加那(=愛する人、男にも女にも使う)の家に通うためのランカン橋が流されてしまった。忍んで逢いに来たのだが、橋がなければどうしようもない。泣いて戻ることにしょう--といった意味です。
奄美大島のしまうた(遊び歌)は、男女の恋愛の掛け合いを歌った抒情歌が多く、この「ランカン橋」も、橋という二人をつなぐ絆が喪失してしまったことに対する嘆きを、思いをこめて歌い込むことが唄者の聞かせどころなのです。
加那の家に行って、今晩も、夜語りをしながら、楽しく過ごそうと思っていたのに、橋が洗い流されてしまったので、泣く泣く帰るしかない加那の心情。この歌は、続きがあり、さらに男女の抒情に拍車がかかるのです。
こもりてばこィもーりヤーレー
渡ららぬィこもり こもり
(ソラヨーイヨイ)
渡ららぬィこもり こもり
(渡ららぬィこもり こもり)
情けィ橋(ばし)掛けてヤーレー
渡し給(たぼ)れ 給れ
(ソラヨーイヨイ)
渡し給れ 給れ
「こもり」とは、水が溜まって沼のようになった場所を言うそうです。大意はこうでしょう--こもりといえば、こもりです。渡ることが出来ないこもりです。でも、この水溜まりにあなたが"情け橋"を掛けて、わたしの許に渡って来てください--。ここでは待っている方の加那の心情が歌われています。「情け橋」という表現がいいですね。なけてきます。こうしたありもしない架空の橋を掛けてまでも、雨にもかかわらず、それを乗り越えて、逢いに来て欲しいという感情が加那(恋してしまった人)の切なる思いなのでしょう。