こんばんわ。
新橋のパナソニック汐留美術館で面白い現代工芸美術展が開かれている。和巧絶佳/令和時代の超工芸展。和巧絶佳とは?現代日本の工芸作品の三つの傾向、日本の伝統文化の価値を問い直す「和」の美、手わざの極致に挑む「巧」の美、工芸素材の美の可能性を探る「絶佳」を組み合わせた言葉とのこと。それぞれの章に、12名の作家の素晴らしい作品がずらりと並ぶ。壮観でした。おまけに写真撮影も自由ということで、文句なし。ぼくの知らない作家も多かったので、作家の略歴も一緒に。
次のような章立てになっている。順にご紹介します。
第1章 和 日本の伝統文化に根差した工芸美
第2章 巧 手わざの限界のその先にある工芸美
第3章 絶佳 素材が生み出す工芸美の可能
第1章 和
舘鼻 則孝
1986年東京生まれ。大学では染織を専攻、江戸時代のファッションリーダー、花魁に関心をもつようになる。卒業制作で花魁の高下駄とヨーロッパの革のブーツを融合したHeel-less shoesを制作した。ほかに花魁の簪、日本刀、木版画、香文化などの日本文化を再解釈し、現代の表現として再生、現代と過去をつなぐことを課題としている。
作品一覧
Heel -less Shees
Camellia Fields
椿の花を散らしている。鎌倉の覚園寺でみた光景がこの作品の原点になっているとのこと。花の姿のまま散る椿は潔い死と感じている。生と死はこの作家のテーマ。
Embossed Painting
桑田卓朗
1981年広島生まれ。学生時代、ストリートダンスに熱中。卒業後、陶芸の修行。現在、茶碗を中心に造形を展開。ポップな色彩の作品は海外で高い評価を得ている。日本文化のアイコン的存在の茶碗を通して現代の文化や造形、表現を新たに生み出している。
それぞれ、黄緑化粧白金彩梅華皮志野垸とか、桃色化粧白金彩梅華皮志野垸とかの作品名がついているが、ここでは省きます。
深堀隆介
1973年愛知県生まれ。美大を卒業後、ディスプレイの会社に入ったが、スランプに陥り、もう美術を止めようと思ったが、自宅の金魚鉢の金魚のうつきしさに心を奪われた。それは7年前、夏祭りの金魚すくいで得たものだった。それ以来、金魚を描くようになった。透明樹脂にアクリル絵の具で重層的描く方法を編み出し、立体的でまるで生きているような金魚にした。ぼくはこの作家の展覧会を平塚美術館で見ている。素晴らしい金魚たちだった。ここでは、ほんの一部が展示されている。
四つの桶
金魚酒
百舟
今、横浜そごうで、深堀隆介/金魚愛四季(いとしき)展が開催されているので、明日にでも、見に行こうと思っている。
第2章以下は次回に。
では、おやすみなさい。
いい夢を。