9月から毎週木曜、河北新報夕刊に連載していた「みちのく山のゆなな」が、昨日17回で、終了しました。夕刊のない地域は、今朝の新聞に載ります。
イラストは、最終話。ゆななが赤ちゃんのときのエピソードです。
物語は、ちょうど秋から始まり、里の秋祭り、神無月(山神様のお留守の山での事件)、クリスマス、新年と途中からは季節を先取りし、最終回は夏の物語でした。
東北に伝わる民話や、東日本大震災のこと(ちょうど10年前、ゆななが生まれた年のできごと)も書くことができ、私にとって大切な作品になりました。
Tさんからは、山神や海神も震災のことに心を痛めているというところに共感したと言ってくださいました。
担当してくださったKさんの感想も、記録させてください。
神話的な世界でありながら、身近で、時にはユーモラスさも感じました。愛らしく気の強い主人公のゆなな、威厳がありながら、どこか人間的なととさま、登場人物のキャラクターがきっかりと浮かび上がり、読者を引き込む魅力がありました。さまざまなエピソードではらはらどきどきしなからも、どこか懐かしく安心感を持って読めたのも、物語を貫く芯がしっかりしていたからだと思います。素晴らしい世界でした。
新聞の1面を使い、仙台在住イラストレーター古山拓さんのイラストが毎回、1~2枚はいるという豪華な連載をさせていただき、感謝しかありません。
古山さんの絵は時にやさしく、時に迫力があり、時に美しく、すばらしかったです。
さて、これを何とか本にしたいと思っているところです。