森羅万象への畏敬とかなんとか、堅いことを書きましたが、俳句の場合。それをそのままババンと打ち出しません。芭蕉が言っていた軽み(かろみ)というのがそこ。
根底には季語、つまり言葉、つまり森羅万象への畏敬を持ちつつ、表現そのものは軽く。
大寒や見舞ひにいけば死んでをり 虚子
という句。お見舞いにいったら、死んでたよー。と軽くいっているけど、じゃあ命を軽く見ているかというとそうとる人はいないんじゃないかな。亡くなった方の尊厳のようなものがこの句にはちゃんとあるように思えるのです。でも、いい方は軽いよね。
そこが川柳とは違うところ。(川柳には川柳のよさがありますが)
*上の虚子の句については、いろいろ考察できるのでしょうが、やめときます。ただ、ちょっと調べたら、実際にそういうことがあったというわけではないようです。文学はフィクションですからね。
梅にジョウビタキ