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変わる文法用語

2005-03-25 | ひとりごと
「文法用語が統一されていない」と、ポ語学習者の nyan さんが嘆いていた(ような気がする)。実はスペイン語もそうである。

私はそもそも文法用語というのが好きじゃないし、あまり細かく分類されていると頭が痛くなる。その上テキストによって違っていたら、踏み倒して走り出したくなってしまう。これって、日本の文法学者の偉い先生の、それぞれの見解とか学説ちゅーやつなのかい?…と思っていたが、考えてみると、昔スペインで習ったときの文法用語と、2年前メキシコで習ったときのと、やはり微妙に違う部分があったなぁ。そして昨日、「文法用語が移り変わる」という話をあるスペイン人から聞いて、絶句してしまった。

「現在完了」という時制がある。用途は「完了」「経験」「近過去」など。
この「近過去」の使用法、スペインではうるさかった。私は初めての短期留学(マラガ)で、これを徹底的にたたきこまれた。たった今、今朝、今日、今週、今月、今年などの “今”(心理的現在)に起きたことは「現在完了」で語り、昨日の話は「過去形」(日本で点過去と呼ばれているヤツ)なのである。このへん微妙で、難しかった。

しかしマラガのあとカナリア諸島に行くと、「ここでは近過去に現在完了はあまり使わない。ラ米と同じだ」と言われた。半分がっかり、半分ホッとしたよー。で、数年後南米に行くと、やはり使わない。今ご飯を食べてきたところ、とか、今朝早起きした、なんて話も、フツーに「過去形」が使われる。いったいマラガの苦労はなんだったのか。。。

そして昨日聞いた話では、スペイン人がやたらに「現在完了」を使いたがり、あまりにも多くの人が、昨日のことでも先週のことでも使用するようになったため、スペインではそれが「正しい」ことになってしまったというのだ。
ちょっと例文を見てみよう。そもそものスペインの文法では:

1)Ayer fui a la Alhambra.
昨日、アルハンブラ宮殿に行ったよ。
¿Ah, sí? Y, ¿te gustó?
そう? それで、気に入った?

2)Esta tarde he ido a la Alhambra.
今日の午後、アルハンブラ宮殿に行ってきたよ。
¿Ah, sí? Y, ¿te ha gustado?
そう? それで、気に入った?

このように 1)・2)の違いがあったのだが、ラ米では以前から 1)ばかりを使っていたし、今のスペインでは昨日のことにも 2)を使う。それじゃ、1)と 2)の差異について深く悩んだ学習者の立場はどうなるの?

昨日のことに使うなら、もはや「現在完了」ではなく「過去形」である、ということで文法的な名前も変えざるを得なくなったそうだ。しかしそもそもの「過去形」と名前が同じでは困るので、「完了過去複合形」「完了過去単純形」というふうに区別するようにしたという。「現在完了」が「完了過去」になっちゃって 「過去完了」の立場はどうなるのよ?

このように、スペインでは言葉の変化とともに文法用語もちょくちょく変わってきたという。しかも「あっちの権威」と「こっちの権威」では正しいコトが違うらしい。それをその時その時で和訳しているから日本の文法書にも色々な文法用語が氾濫しているということなのか。なんだか色々謎が解けてきた。

文法は大切だけど、文法用語にひっかかってる場合じゃないってことですかい? 正しい文法で書いたり話したりできるなら、別に「文法用語」を覚える必要はないんだけど。。。
コメント
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