スペイン語で遊ぼう!みんなの広場_since2004

スペイン好き、ラテンアメリカ好き、スペイン語好き、スペイン語をやってみようかなぁと思っているヒト、寄っといで!

「連れて行く」も「持って行く」も "llevar" です。

2023-04-15 | ひとくちスペイン語

忙しすぎるので Netflix を絶ちました。何か見なくちゃ、と義務感が芽生えて、探して、はまって、毎日毎日追われてしまう。。。中毒のようなものです。

でもスペイン語の「llevar:持って行く, 連れて行く」という動詞について考えていたら、去年 Netflix で見たメキシコ映画の1シーンを思い出しました。

関連ページ:40代のセオリー[Cuarentones] メキシコ映画

 

カンクン、ホテルのフロントビーチでのシーンでした。

セザールとパウロ、二人のシェフ(男)の近くには、きれいな花と、その向こうに美女2人。

セザール(イケメンのほう)のセリフ
「Me encantaría llevarme*las* al cuarto」
*las*を僕の部屋に持って行けたらいいなあ。

パウロ(イケてないほう)のセリフ
「A mi también」ぼくも同じだよ。
つまり「A mi también me encantaría llevarme*las*...」

言っていることは同じなんだけど、二人の目線が違う方を向いていて何かおかしい。セザールは *花* を、パウロは *女性たち* を見ているんです。なぜ話が噛み合ってないかと言うと、実はスペイン語の落とし穴が2つあります。

1)llevar/llevarme は物でも人でも使えるので、日本語でいうところの「連れて行く」「持って行く」両方になりえる。

2)las という「直接目的格人称代名詞」は、女性名詞複数(物)でも女性複数(人)でも同じように使える。

 

セザールは複数の花(las flores)を、パウロの方は複数の女性(las mujeres)をホテルの自分の部屋に持って/連れて行きたいと思っていたわけですよ。

llevar/llevarme には要注意ですね。紛らわしいったらありゃしない。

 

そして今思えば、代名詞の類は繰り返したくないときに使うのかと思っていたんですが、このシーンのように「いきなり」*las* にしちゃうこともあるんですね~。それはフェイントというか、落とし穴が深すぎますよ!

 

llevarme:llevar(持って行く/連れて行く)の再帰動詞 llevarse で、「自分と一緒に」という意味も含まれる。


犬を散歩させる

2023-04-05 | ひとくちスペイン語

「犬を散歩させる」というのは、日本語では動詞の使役形を使っていて日本語初心者には難しすぎるので、「犬と散歩する」という言い方をよくします。英語では "to walk the dog" だということを知り、なんでこんなシンプルなんだろうと不思議に思ったんですが、英語の "walk" は他動詞でもあり「散歩させる」という言い方になり得るんですね。でも考えてみたらスペイン語もそうでした。

ただスペイン語には「歩く:caminar/andar」のほかに「散歩する:pasear」という動詞もあるので、

犬を散歩させる:pasear al perro

…となります。直接目的語がペットのワンちゃんなので、前置詞 "a" を前につけ、定冠詞 "el" と合体させます。自分のワンちゃんと特記したいときは "a mi perro" でも良いんですよ

前置詞の "a" には色々な意味・用途があり、間接目的語を導くときや直接目的語が「人」であるときには「~に/~を」みたいな感じでつけます。「物」が直接目的語の場合、通常 "a" は要りません。小学館の西和中辞典では「特定の人・動物」となっていますので、お散歩させるワンちゃんの前にも "a" をつけてOKですよ! 

…というのは、英語交じりでスペイン語を教えているYouTubeビデオで、 "to walk the dog"pasear el perro と説明しているのがあったんです。

調べてみたらコロンビアのスペイン語学校と称するグループが発信していました。ので、ひょっとしたら、コロンビアではペットのワンちゃんが「物」扱いなのかしらと思ってしまいました。

 

 

お散歩のスペイン語表現は他にもあります。

pasear con el perro:犬と散歩する

(el perroの前にconという別の前置詞があり、"a" の入る余地も必要もありません)

sacar al perro a pasear:犬を散歩に連れ出す

(sacarの直接目的語がワンちゃんなので、"a" が要ります)

 

以上、日本語教師が考えた『犬を散歩させる』でした。


Cómo quitar el cochambre

2022-12-18 | ひとくちスペイン語

日本語のオノマトペ「ぎとぎと」を説明しているとき、メキシコ人から「それはたぶん cochambre のことだね」と言われました。

台所のコンロ回りや、油を使って調理した後の鍋など、脂っぽい汚れがこびりついた状態、なかなかとれない汚れなどを総称して、メキシコでは cochambre と呼ぶそうです。なるほど、cochambre で画像検索をすると、「ぎとぎと」で検索したのと似たような汚れの画像が一斉に出てきます。

ただ、日本語の「ぎとぎと」には脂っぽくべたっとしたイメージ、油分でテカっているイメージがありますが、cochambre には焦げ付いて黒くなったお鍋の底(油分無し)も含まれるようです。

私のお気に入り『西和中辞典』by小学館によると:
[名詞]汚らしいもの;がらくた, くず
と出ていました。メキシコでは「ぎとぎと感」がプラスされているのかもしれませんね。

 

表題の「Cómo quitar el cochambre」に関しては

「ぎとぎと汚れをどう取るか」と和訳して問題ないように思います。

 

ちなみに、スペインのレアルア・カデミア--Real Academia Española--(スペイン語の標準を規定している組織)の辞書にも載っていました~。(以下、引用します)

>>cochambre

>>De cocho 'puerco'.

>>1. m. o f. coloq. Suciedadcosa puercagrasienta y de mal olorU. menos c. m.

 

こうした汚さを表すスペイン語は「豚」cocho=cerdo=puerco からきていることが多いです。豚ちゃんゴメン。


"ya" ってひとつの意味ある単語だったんですか!?

2022-10-09 | ひとくちスペイン語

そうなんです。"ya"「ヤー」ってひとつの意味あるスペイン語だったんですよ。

同じ文章を英語とスペイン語の両方で書いたら、スペイン語の方が長くなってしまうのが普通です。文字数も多くなる。だけど意外と短い単語も多いんですよねー。

"ya" もそのひとつですが、短いし、間投詞に見えるし、英語で”イエイ”って言われてるみたいに聞こえます。さほど意味があるとは思えないんですが、実は完了の意味があって「すでに」「もう」と訳されます。間投詞的にも使われて、色々ニュアンスが違うからややこしい。。。

─出かけようとしている夫婦の会話─

夫:¡Ya!(もう行くぞ!)

妻:¿Ya?(えっ、もう?)

夫:¡Ya, ya!(いますぐ!)

妻:¡Ya!(わかったわよ!)

これは極端な例ですが(笑)、状況やトーンによって色々な意味が考えられます。

だからスペイン語って難しい?いやそんなことないですよ。日本語だってよくあることです。

先日、アメリカ人の(日本語の)生徒さんに水族館の大きい魚の写真を見せてもらったのですが、「この魚は日本語で何ですか?」と聞かれ「エイ」と答えました。すると「は?何言ってんだこの先生」と不審そうに自分の辞書で探し始めました。そして「あーあ」と深く納得の声。

おそらく彼女は「自分が魚の名前を聞いてるのに突然 "イエイ" みたいな声を発して、意味わからん」と思ったことでしょう。


¡Ya salió el peine!

2022-09-04 | ひとくちスペイン語

¡Ya salió el peine!

という、スペイン語の表現を最近覚えました。直訳すると「もう櫛が出た」…なんのこっちゃ?

櫛が出てきたの?櫛が外れたの?いや櫛は全然関係なくて、隠してた本当の理由・原因がわかったときに使う表現なんだそうです。“Ya salió el peine” でネット検索すると、ドアを開けて出ていく櫛や、スーツケース持ってお出かけする櫛の絵まで出てきてびっくりでした。

なぜ「櫛」なのか!? できるかぎり調査してみますが…、難しそう。

話は長くなりますが、最近 ”めまい” に悩んでいまして、そのことをメキシコ人の友人にオンラインで話していました。1日中パソコンに向かって仕事してるからじゃないか、と友人は同情してくれ、自分でも「確かに」と納得していたのですが、話しているうちにNetflixの話になり、「そういえば最近面白くてはまってるのは、英語とスペイン語が交差して話されているアメリカのシリーズ」と、『ジェーン・ザ・バージン』のことを話し出すと、彼女も見たことがあったので話がはずんだんですが、「面白くてつい次々と見ちゃうのよ」と言ったときに、すかさず…

Ya salió el peine. (Ya apareció la verdadera razón) と笑われてしまいました。

あー、そうだった、そうだった。Nerflix を字幕付きで見ると目が忙しくて、眼精疲労が激しいのよね。

めまいの直接の原因は三半規管(さんはんきかん)がどうのこうのっていう話だとしても、この字幕を目で追う作業は少なからず悪影響を与えていると思うのよねん。ちょっとジェーンはお休みしておきます。