スペイン語で遊ぼう!みんなの広場_since2004

スペイン好き、ラテンアメリカ好き、スペイン語好き、スペイン語をやってみようかなぁと思っているヒト、寄っといで!

「帰る」という動詞

2014-08-27 | くらべて文法(西・英)
『くらべて西和』でございます。

日本語で何気なく使っている「行く」「来る」「帰る」という動詞について、他言語と比較してみると思わぬ迷路に入り込んでしまいます。今日はその中で「帰る」について考えてみます。

家に帰る。国に帰る。などに使うこの「帰る」ですが、例えば会社で働いていて定時がすぎ、タナカさんの机がきれいに片付いているとき、同僚がやってきて:
「あれ、タナカさんは帰ったの?」
「もう帰りましたよ」
…というふうにも使います。

「帰った」「帰りました」
過去形でしょうか。タナカさんはまだ家に着いてないでしょうが、電車で家に向かっているところかもしれないし、もしかして寄り道してるかもしれません。でもそんなことは知ったこっちゃないのです。とにかく、タナカさんはタイムカードを押して会社を出ました。「帰っています」ではなく「帰りました」という過去なんですよね。

この場合タナカさんは、スペイン語的には:
regresó とか volvió というより、se fue (irse:立ち去る)…したのですよね。

日本語の「帰る」という動詞には「立ち去る」という意味も含まれているのだ、というあたりまえのことに今更気づかされます。

では「帰る」が「帰っています」という形になるとき、どういう意味なのでしょうか。
タナカさんの奥さんが里帰り中で居ない、というときは「いま妻は実家に帰っています」と言えますよね? これはスペイン語だと:
Mi mujer está en la casa de sus padres.
という風に、動詞は単に estar の現在形で良いのではないでしょうか。

辞書で探して、つい「○○=◇◇」とインプットしてしまいますが、守備範囲は各言語で違うものです。いつも何気なく使っている日本語の動詞を、場面ごとに吟味してみると、意外なことを発見してしまいます。
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砂糖か塩か

2014-08-16 | ほうげん・ひょうげん
ペルーではアボガドのことをpaltaと呼ぶそうです。共通スペイン語としてはaguacateです。paltaには色々な種類があり、パパイヤのようにデカいのもあるそうです。といってもパパイヤにも色々な大きさがあるでしょうが…。

Paltaは、塩やレモンをかけて食べるのが普通だそうです。「アボガドに砂糖」というアイデアは、眉をひそめられることでしょう。あるペルーの方は「ブラジル人がミルクと砂糖を入れてシェイクするのは信じられない」と話していました。「ぜったい試してみたくない」そうです。

これは国による習慣の違いなのか、地域差なのか、はたまた家庭によって違いがあるのか、個人差なのか、ちょっとわかりません。

「砂糖か塩か」について言えば、私が子供のころ、祖母が畑で育てた真っ赤なトマトは果物同然の扱いでして、砂糖をかけておやつにしていました。これは我が家では当たり前だったのですが、のちに語ったところ日本国内でもあまり受け入れられなかったです。「納豆に砂糖をかける家庭もある」と聞いたことがありますので、家庭によって食べ物の味付けに違いがあるのかもしれませんね。

アボガドは、ブラジル式を一度試したことはあるけれど(参照:batidora)、やはり私は塩系で「おかず」にするほうが好きです。熟れ熟れのアボガドをつぶして、塩やレモンで味付たワカモレが一番好きかな~。これはメキシコ式ですね。

paltaの一文を理由に「ほうげん・ひょうげん」のカテゴリに入れてみました。
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おやつする?

2014-08-13 | くらべて文法(西・英)
またまた「くらべて西和」(←急遽名づけた)のお時間がやってまいりました。

スペインでは「食べる」ことがとっても大事なので(?)、スペイン語には「食事する」系の動詞が三食分以上あります。とりあえずでっちあげの日本語訳と対比してみますね。

comer = 食事する(食べる)

desayunar = 朝食する

comer, almorzar = 昼食する

cenar = 夕食する

merendar = おやつする

tapear = おつまみする

日本語の動詞「~します」とは新しい言葉が簡単にできて便利ですが、「します」の前に来るのは漢字2文字、またはカタカナという決まり事があるらしいですね。「食事する」「ランチする」うんうん。で、ふと考えたのですが「お茶する」は漢字2文字ではないけれど普通に使われていますよね。「おやつする」も使えるんじゃないでしょうか。たとえば「小腹すいたのでこっそりおやつしてきた」とか、言ってそう。

この「朝食する」「昼食する」「夕食する」という日本語はどうでしょうか。漢字2文字なので普及されても良さそうですよねー。

※「~する」は「~します」の辞書形です。
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存在と所在

2014-08-06 | くらべて文法(西・英)
このカテゴリ、4年以上放置したあげくに「西・英」ではなく「西・日」をくらべてみました。というか、実はこのところコレにはまって悩んでいるのです。

何気なく使っていた日本語が、今更よくわからなくなって困っているんです(汗)。

1)どこそこに・なになに・あります。→これは存在文。スペイン語だとhayを使いますね。

2)なになに・どこそこに・あります。→これは所在文。スペイン語だとestarを使います。

(1)は特定されない物が、存在しているかどうかが問題で、(2)は特定された物の所在を問題にしている…。なのでスペイン語で考えても割り切れたのです。

ところが、これがミラーさんとなると頭が痛くなります。

1)事務所にミラーさんいます。【存在文】
2)ミラーさん事務所にいます。【所在文】

どうでしょう、これ。スペイン語ではどちらもestarを使いますよね(特定の人物だから)?スペイン語的には何か違いがあるんでしょうか。『みんなの日本語/初級Ⅰ翻訳・文法解説スペイン語版』によると、順番が変わってるだけなんですがねー。
1)En la oficina está el Sr. Miller.
2)El Sr. Miller está en la oficina.

日本語だと「が」と「は」の違いがあるうえ「所在文か存在文か」を厳しく区分けしたりして、非常にややこしいんです。そうこう悩んでいるうちに、下記の違いに気づいてしまいました。
「~に何がありますか」のときは、¿Qué hay en ~?
「~に誰がいますか?」のときは、¿Quién está en ~? スペイン語ではestarを使うのだと。。。日本語ではとどちらも同じ「存在文」らしいのですが。

「何が」のときは、「ひとつの本」だったり「ひとつの机」だったり、特定したものを期待しているわけではないけれど、「誰が」と聞くときは、特定した誰かの名前を知りたいのだから、スペイン語ではestarなのかなーと思います。でも、今更ナンですが日本語って「特定してるかしてないか」なんてことはぜんぜん気にしてないわけですよ。

だから我々には定冠詞・不定冠詞がわからないのか~。そもそも、文法的な概念というか、問題にしてる方向というか、言語によってぜんぜん違うから、対訳をつけて安心していたら大間違い、というわけなんですね。
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