スペイン語で遊ぼう!みんなの広場_since2004

スペイン好き、ラテンアメリカ好き、スペイン語好き、スペイン語をやってみようかなぁと思っているヒト、寄っといで!

骨と種

2006-02-11 | 留学こぼれ話
hueso というスペイン語の、一番の意味は「骨」である。

スペインでホームステイをしているときの話。遊びに来ていた4歳の子(セニョーラの孫)がオリーブの種のことを hueso と呼んでいた。私は「hueso = 骨」という固定観念があったので、「子どもだから間違えているのだろう」くらいに思い、「動物には hueso があるけど、オリーブにhuesoはないでしょう?semilla(種)じゃないの?」と知ったかぶりをした。しかしその後、その子の母親の発言により、オリーブの種は本当に hueso と呼ばれていることがわかった。

えー!?と思い辞書を引くと、なるほど、二番目の意味に[桃・オリーブなどの]種、とある。種抜きオリーブのことは aceituna sin hueso と呼ぶわけだ。しかし当時は、「スペイン語では骨と種で同じ単語を使う」というのがどうも腑に落ちなかった。骨といえば骸骨のイメージ、種といえば芽が出る植物のイメージが、頭からは離れなかったのだ。

どうやら、やわらかい実に包まれた中心の硬い「芯」というイメージを持って、hueso の意味を考えたほうが良さそうだ。hueso は、脊椎動物の骨格を形成する「芯」であり、魚の骨は含まない。そして、日本では種と呼んでいるが実際は硬い種皮である(例えば梅干の種のような)「芯」を指すが、ブドウの種のような粒々には semilla という単語がある。

そもそも、日本語の「種」という呼び方に問題があるのではないか? とふと思ったりした。例えば梅は、あの硬い「種」と呼ばれるものをかち割った中にやわらかい「本当の種→そこから芽が出る」があるという話ではないか? ひょっとすると桃やオリーブの種も同じ構造になっているのではないか?

骨まで~骨まで~♪ 骨まで愛して、ほしいぃのぉよ~~♪ …と古い歌謡曲を思い出しながら、ついつい「骨と種」について今さら考えてしまった。
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ピソ暮らし(その4)

2004-12-26 | 留学こぼれ話
「寒いよ~」─グラナダ留学─ピソ(アパート)暮らし第4弾

留学前に、「グラナダの冬は寒いよ~」おどかされていたのですが、寒いったって雪が降るわけじゃあるまいし、と軽く受け流していました。しかしグラナダはホントに寒かったー! 夏暑いだけあって、建物が暑さ対策重視で出来ているのか、暖房設備がないがしろにされているのか、なにしろ家の中が寒いのです。雪の降る北海道でのトロピカルな暖房生活に慣れてしまった私にはこたえました。

私はピソの中で、札幌でも必要なかった “おばさんタイツ” をはいて腰巻をして台所に立ち、足元に小さな電気ストーブをつけて勉強し、ピソ中の予備毛布をかきあつめて、さらに湯たんぽを入れて寝ていました。この湯たんぽ、グラナダで買ったのですが、気に入って持って帰ってきたくらいです。日本の水枕(レンガ色の厚いゴムの袋)にそっくりな欧風湯たんぽ(?)。同居人のイギリス人英子さんも、国から持参したマイ湯たんぽを胸に抱いて歩いていました。イギリスもやはり寒いので、家の中ではいつも湯たんぽを抱いているそうです。

グラナダ人は寒さに慣れているのか、ぜんぜん平気な人が多く、ピソの大家さんは居間の窓を開けるのが好きで、英子さんや私を震えさせてくれましたよ。ふたりとも自分の部屋のちゃちな暖房器具じゃ寒いので、居間のテーブル炬燵でよくぬくぬくしていたものです。スペインの炬燵は、BRASERO という小さな暖房器具を、毛布をかぶせたテーブルの中にいれるのが原形らしいのですが、ピソにあったのは新しいタイプで、日本の炬燵でいう上の赤い部分が足元についているテーブル、とでも言いましょうか。靴を履いて暮らしているので、足元が多少熱くても気づかないこともあるのです。誰かが遊びに来て、みんなで炬燵に入ってるとき、なんかちょっと臭いんですけどぉ、、、ひょっとして誰かの靴こげてません~? なんてこともありましたっけ。
猫もこげちゃうスペイン炬燵!?
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ピソ暮らし(その3)

2004-11-11 | 留学こぼれ話
「大家さん」─グラナダ留学─ピソ(アパート)暮らし第3弾

スペイン人の大家さん自身も住んでいるピソの、一部屋を借りて9ヶ月暮らしたのですが、入る前この大家さん、グラナダ近郊の村にも家があり、ほとんどそちらに住んでいるので、ピソにはたまに来るだけだと言っていたのです。それなら気楽かなと思って決めた私がバカでした。実は大家さん、村では彼女の家で暮らしていて、たまに二人でグラナダに来るとピソに泊まっていたのですが、ある日大喧嘩をしたらしく、「別れた」と宣言して毎日ピソに居るようになってしまいました。

いくら良い人とはいえ、同じピソに男性がウロウロしているのはちょっとうざったい。大家さんの部屋と私の部屋は、居間をはさんだ形で離れているからまだいいけれど、お風呂とトイレが一緒でひとつしかないので、彼の朝のシャワータイムと私の “おつうじタイム” が重なっては困るし、何かと気を使う日々でした。そのうち、大家さんは新しい女ができたらしく、たまにピソに連れてくるようになりました。しかし村の彼女と本当に切れていたわけではなかったのです。ピソに帰らない夜もあるし、村の彼女からもこっちの女からもピソに電話が来るし、なんだかあやしい雰囲気。大家さんはその揺れ動く男心を私に打ち明けてくれたのですが、あんまり楽しい話じゃないわよね。

私はどちらの女の味方でもなく、修羅場を見たくないがため、なんとなく大家さんをかばう言動をとってしまうこともありました。「キミは本当に良い人だね」というふうに、大家さんは私に感謝してるようす。でもね、あとで辞書引いてみたら、そのとき彼が使った単語 PRIMA には 間抜け、お人好し (スペインの口語)という意味もあるじゃないですか!

PRIMO は従兄弟、PRIMA は従姉妹。イトコみたいに良い人だとかなんとか言ってるのかと、勝手に解釈してへらへら笑っていた私って。。。
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ピソ暮らし(その2)

2004-10-24 | 留学こぼれ話
「バスタブ」─グラナダ留学─ピソ(アパート)暮らし第2弾

私はグラナダで、3人用のピソに9ヶ月暮らしていました。居間をはさんでスペイン人の大家さんの部屋と私の部屋、そして奥の台所の向かいに小さい部屋があり、同じグラナダ大学の留学生が住んでいました。前期はイギリスの英子さん、後期はスウェーデンのスエカさん(両方仮名)。このスエカさんは良きルームメイトでした。真面目に勉強してたし(そうじゃない子が多かった)、スペイン語で会話できたし話も合ったし、、。共同生活はとてもうまくいっていたのですが、一度だけギョッとしたことがありました。

スウェーデンからスエカさんの妹が訪ねてきて、数日泊まったときの話です。妹はスペイン語が話せないし、私は “世界の共通語” 英語がダメだし、家の中で顔を合わせてもお互いニッと微笑みあうだけ。あるときシャワーを浴びようとしてお風呂場に行き、バスタブをみてギョッとしました。どろどろに真っ黒い足跡があるのです。まるで炭鉱の中を歩き回った足でバスタブに入ったみたい。汚い靴下のまま入ったのか、足そのものが汚れていたのか、なんだか知らないけどとにかく黒い。スエカさんはきれい好きなので、犯人はきっと妹のほうでしょう。

私はシャワーを浴びる前にお風呂掃除から始めなければなりませんでした。彼女は最後にバスタブを見て何とも思わなかったのでしょうか。それにしても、こんなに汚れたバスタブから出た彼女の足がきれいになっていたとはとても思えないのですよ。
その濡れた汚い足をタオルでぬぐったのだろうか? 
まさかそのまま靴を履いたのだろうか??
いったいお風呂でアナタどこを洗ったのよ!? 
ムッとするというより、なんだかハテナがいっぱいで、その日はニッと微笑む気分じゃなかったですよ。
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ピソ暮らし(その1)

2004-10-18 | 留学こぼれ話
1998~1999年、グラナダ大学の現代語学センターで勉強しました。スペイン語圏研究の一年コース(実質9ヶ月)です。この間、ピソ(アパート)をシェアして経済的な生活を送りました。スペインでは、アパートに家具や寝具、食器までついているので楽チンです。しかし同居人の生活習慣や衛生観念の違いにギョッとしたりムッとしたり、がまんできなくて引越したいう話はよくあります。

私はたまたま同居人には恵まれましたが(それでも色々エピソードはありますが、それは次回に)、スッちゃん(仮名)はがまんできなくて一人暮らしを始めました。同居人のスペイン人女性が掃除をしない、というのです。まぁ、いろんなことが積もり積もったのでしょうけれど、極めつけはトイレの紙。。。スペインは中南米より配管設備が良さそうだからトイレットペーパーを便器に流してもいいのでは?と思いきや、場所によってはくず入れに捨てなければならないようです。私のピソも、スッちゃんのところもそうでした。

たいていくず入れには蓋がなくて丸見えなので、多めに紙を使ってたたんでみたりして、なんとなくごまかして捨てるのですが、これって慣れるまで抵抗があるものです。でも現地の人は慣れまくっているわけで、気にせずじゃんじゃん放り込むのですね。スッちゃんの同居人はコントロールが悪いらしく、よく外していたのでしょう。トイレ(普通はお風呂といっしょ)の床に紙くずが落ちているのを発見するのはスッちゃんで、見かねて拾ってくず入れに捨ててあげるわけです。ムッとしながらね。なんで私があんたの尻拭いた紙を拾うわけぇ~?ってね。

そりゃー拾っちゃいますよねぇ、しぶしぶ。知らん顔して放っておいて、次に入った同居人に自分のだと思われるのも嫌ですもん。「私の後釜でこのピソに入る人さがしてるんだけど、どう?」とスッちゃんに勧誘されたけど、断ってよかったわん(その後、親しくなってから実情を聞いたのでした)。
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