学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

学習指導要領の改訂の方向性

2006-02-09 | 教育
今朝,新聞をみていたら
次期学習指導要領の方向性についての記事があった。
ゆとり教育が転換されるそうである。
「言葉の力」が柱になるそうである。

どんな学習指導要領であっても,
長所と短所をもっている。

改訂作業がすすめられるときは,
その長所がクローズアップされて改訂されるのだが,
やがて諸方面からその短所についての批判がまきおこってくる。

そしてその短所を改善すべく
次の改訂が進められるのである。
ところが,改訂された学習指導要領には,
前の学習指導要領のもっていた長所が失われていることが
多いのである。
そしてまた諸方面から批判が起こり,
さらに改訂するのである。

結局どこまでいっても
堂々巡りを繰り返している気がしてならない。

ゆとり教育の生まれた背景には,
過剰な詰め込み教育など当時の教育状況への反省があったからである。

ところが,学校現場には
結局ゆとりはもたらされなかったにもかかわらず
学力低下の原因はゆとり教育であるという
浅薄な議論がまかり通る。

ゆとり教育をやめて,
いまさら詰め込み復活ともいかないであろうから,
知識重視と問題解決力重視の考え方を止揚したところに
「言葉の力」や論理的思考力がやってくるのは
ある意味必然である。

ところが,「言葉の力」を育てるには,
どうしても
読んだり書いたり話したり聞いたりする機会を増やす必要がある。
たとえば,文章を書くことに例をとってみると,
子どもがじっくり考えて文章を書き,
教師が一人ひとりの子どもの文章を丁寧に読むためには,
教師にも児童生徒にも
今以上のゆとりが必要になる。

限られた時間のなかで,
能率的?に「言葉の力」をまんべんなく育てることは極めて難しい。
また,どのような教育が
これからの時代に求められる「言葉の力」を
伸ばすかというノウハウについては
未だ定見が得られていない。
結果,復古的な暗記主義的な教育方法に頼るしかなくなる。

そのあたり,どうなっていくのだろうか??

今後の動向を見守りたい。

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