Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(152)シルベスター・スタローン(後)

2024-08-09 00:10:00 | コラム
なかなかに濃ゆいキャリアのひとなので、後半は駆け足気味でいきます(^^;)

下積み時代が報われたスライが、ロッキー・バルボアの次に演じたのが「なんと!」ジミー・ホッファだった。

『フィスト』(78)…全米長距離トラック協会を仕切った男、のちにジャック・ニコルソンやアル・パチーノも演じた「あの」ホッファ。

低予算だが、悪くない渋い映画でした。


同年―『パラダイス・アレイ』で初めて監督業に挑戦。

レスリングを描いた作品で、兼主演。
劇中では自らを「キッド・サラミ」と名乗っていて、

米オスカー賞のプレゼンターでアリ相手に「俺はキッド・サラミだぜ!」といったのは、このことだったのね!
と、のちに答え合わせをした自分なのでした^^


79年より、『ロッキー』のシリーズ化を展開。
ダブルノックダウンが面白い『ロッキー2』(79)、ハルク・ホーガンまで出ている『ロッキー3』(82)、大ヒットを記録した『ロッキー4/炎の友情』(85)は監督を兼任。
『ロッキー5/最後のドラマ』(90)では再び「1」のアビルドセン監督が復帰しましたが、リングに上がらずストリート・ファイトする展開はファンを失望させるものでした…。

16年後の2006年―『ロッキー・ザ・ファイナル』を唐突に発表、
その10年後にはスピンオフとして『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)『クリード 炎の宿敵』(2018)が制作されました。

時代は遡り・・・
渋い刑事物『ナイトホークス』(81)、
ペレやマイケル・ケインとの共演が楽しい『勝利への脱出』(81)、


そして82年―もうひとつのヒットシリーズ、『ランボー』の1作目が公開される。

いつまで経っても「こころの」戦争が終わらぬベトナム帰還兵、ジョン・ランボーの物語は1作目こそ地味めだったが・・・


『ランボー/怒りの脱出』(85)や『ランボー3/怒りのアフガン』(88)などは派手なアクションが売りになる。
けれどもこれは、スライのキャリアが上り調子だったことと、80年代という浮かれた時代性もあったのかもしれません。

その証拠に、『ランボー/最後の戦場』(2008)『ランボー ラスト・ブラッド』(2019)の描写は、戦争アクションではなく戦場映画になってましたもの。
これはあきらかに、スピルバーグの『プライベート・ライアン』(98)が影響しているはずです。

再び時間を巻き戻して。

ほぼ監督に徹した『ステイン・アライブ』(83)は、「監督やりたかっただけ感」のある凡作、ちょっとトラボルタが可哀想だったかな。

本領発揮は監督にせよ俳優にせよ、やはりアクション。
『コブラ』(86)、腕相撲で一本の映画にしてしまう『オーバー・ザ・トップ』(87)、
脱獄モノ『ロックアップ』(89)、


カート・ラッセルと共演したバディ映画『デッドフォール』(89)などなど、どれも楽しく観れますもん^^

それは自覚的だったはずなのに!
ライバルのシュワ氏がコメディでも結果を残したことに火がついてしまったのか、
『オスカー』(91)、『刑事ジョー ママにお手あげ』(92)と立てつづけに(似合わないのに)コメディに挑戦、大惨敗に終わる。

気を取り直し、『クリフハンガー』(93)で復活・笑
SFの快作『デモリションマン』(93)、

シャロン・ストーンとのラブシーンはセックスではなく競技に見えた『スペシャリスト』(94)、


『ジャッジ・ドレッド』(95)、ジュリアン・ムーアやアントニオ・バンデラスと共演した『暗殺者』(95)。

97年―『コップランド』で、ヒーロー然としていない地味な主人公を好演する。
もしオスカーをあげるとするならば、この作品だったと思うのだよなぁ!!



21世紀に入って以降も、おじさんは頑張りつづけます。

若手に「頭を使え」とアドバイスしているだけなのに(なぜか)笑える『ドリヴン』(2001)、
シュワ氏と共演した『大脱出』(2013)、デ・ニーロと共演したボクシング映画『リベンジ・マッチ』(2013)。

そして2010年より、肉体派スターを集結させた『エクスペンダブルズ』のシリーズを監督・主演。


近年はこのシリーズに賭けているようで・・・
『エクスペンダブルズ2』(2012)、
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)、
最新作は『エクスペンダブルズ ニューブラッド』(2023)・・・という具合に、エクスペンダブルズづいています(^^;)

ずっと元気にしていてね、スライさん^^

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(153)スコット・グレン』
コメント
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