Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

抱きしめたい

2015-07-23 05:44:02 | コラム
世代的にドンピシャなので、渡辺英樹の訃報に触れてうろたえてしまった。

バンド「C-C-B」の、リーダーね。



年齢不詳っぽい見た目なので、まだ55歳だったというべきか、もう55歳だったというべきか。

ともかく合掌。
シングルもアルバムも揃えたし、コンサートにも行った。

未だカラオケでは選曲することもあるし、このひとたちの代表曲を入場曲としていたボクサー・内藤大助も悲しんでいることだろう。

個人的なベストソングは、『ないものねだりのI Want You』。

難しい曲でね、カラオケで歌うことはないけど。

♪ 悲しい魂、君は抱いても感じない 暮れない都会に飛べない小鳩が一羽
揺れない酔えないやるせない、後ろの正面だ・あ・れ ♪





さて。
映画やドラマなどの台詞で頻繁に使われる「抱く」「抱かれる」ということば。

20代だったころは「使わないよ、日常生活では」とか思っていたんだが、数年前から「ごく自然に」「多用」していた自分に気づき、思わず赤面してしまったよ。

最近、度々、自分が女子を口説いている場面を友人知人に目撃されている。

その際に自分は、恥ずかしげもなく「お前を抱きたい」といっているそうなのである。

「そうなのである」ってヒトゴトっぽく書いているが、自分では覚えていない?

そんなこともないのだが、酔っているものでね・・・って、それをイイワケにするのも卑怯か。
べつに口からデマカセいっているわけでもない、ただ半分は覚えているが、もう半分は酒の力を借りているということなんだろう。

どのツラで「お前を抱きたい」なんていっているのかね。
いつもどおりのヘラヘラ顔だとは思うのだが、友人によると「いつもより、少し真面目な顔」だという。

少しだけ、なのか。
こんど、動画を撮っておいてもらおうか。

相手を褒めて褒めて、そのあと「抱きたい」という。
ここいらへんまではいつも同じなので、大体覚えている。

「抱きたい」といわれ、引かれたらそこで口説くのはやめる。
少しでも笑ってくれたり、恥ずかしがってくれたら、「脈あり。」と解釈し、どんどん攻める・・・らしい。

うん、ここいらへんは覚えていないので、「らしい」としかいえない。

口説きとしては、上手だか下手だか分からんよね。

理想は、『トゥルー・ロマンス』(93)のクラレンスなのだが。

エルビス・プレスリーの信奉者である彼は、女子を前にして、いかにエルビスが素晴らしいかを説く。

「―ここだけの話、エルビスにだったら、俺は抱かれてもいいとさえ思っている」

そのあと「エルビスのことより、きみのことを―」と話をスライドさせていくのだ。

「あたしの、なにを?」
「映画に行かないかい?」

ベタといえばベタだが、ストレート過ぎる自分のよりスマートだし、なによりこっちのほうが映画小僧らしいじゃないか。

要は自分の場合、背伸びし過ぎであると。
これで何度も成功しているのであれば多用するのも「あり。」だが、けっしてそうじゃない。

仲良くなることはあっても、なかなか「抱けない」のである。

♪ 悲しい魂、君は抱いても感じない ♪

なら、まだいい。

抱くまでいってないのだもの!!


※トップ画像は、香港の鬼才ウォン・カーワァイの処女長編映画。
完成度は「それほど…」かもしれないが、瑞々しい感性に溢れ、これを観たときは「どえらい新人が現れた!」と驚き、歓喜したものである。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『THE CLAIMER』
コメント (1)
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