Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

名刺代わり

2015-07-15 05:44:58 | コラム
あすの夕刻、芥川賞と直木賞の受賞者が発表される。

今回の芥川賞には芸人・又吉直樹の『火花』がノミネートされており、彼が受賞してもしなくても、文学賞ニュースとしては例を見ない報道がされそう。



ふたりの美女が受賞したとき(トップ画像)や、

自称・前科者が受賞したとき、



本物の引きこもりが受賞したとき笑 も、

※何度観ても笑える




それなりに騒がれたが、
今回はその比ではないと思われる。

先日の『アメトーーク』(テレビ朝日)で「読書芸人」が放送されたばかりだし、
日曜の『情熱大陸』(TBS)は又吉ちゃんだし。

ん?
読んだのかって?

読みましたよ、『火花』だけでなく、今回のノミネート作品すべて。
それが趣味なものでね、自分で予想を立てるのが好きなのだ。

で、『火花』。
受賞してもおかしくないと思う。
その逆もいえることで、う~~ん、でも受賞する流れ(物語)は出来ているのではないか、、、という気もする。

本音をいえば、少女のころから文学と向き合ってきた島本理生(=『夏の裁断』)が受賞してほしいのだけれども。


話は逸れるが、20代のころ、自分も本を刊行している。
まぁ自費だけど。

500部を、なんとか完売。
国会図書館にも納本されているし、刊行したときは「いま死んでも、とりあえず自分が生きたという証は残せたわけだ」なんて思っていたっけ。

第二版までいけば印税なんていう話も出たかもしれないが、500部さばくのがやっとだったからね、出版費用のン百万を返済するのに5年ちかくを要したのだった。

出版社は破産し消滅、
自著はアマゾンで1円単位で売られているし、ブックオフでも「たまに」見かけることがある。

じゃあ悲しいかといわれれば、負け惜しみではなくって、楽しいという感情のほうが強い。
ひとに歴史ありじゃん! って。

このところ20代のアンチャンネーチャンと知り合うことが多く、少し親しくなると、
ちょうど君らの歳のころに本を出したんだよ、小銭で買えるから、興味あったらブックオフで探してみてね―といってみる。

すると、本の内容には興味を示さない・・・代わりに、「儲けはどのくらいだったんですか」と問うてくる。

「儲けなんか、ないよ」
「ないんですか!?」
「ないない。儲けようと思ったわけではないしね。儲けるためだったら、もうちょっと内容を変える必要もあったろうし」
「じゃあ、損しただけじゃないですか」
「(苦笑)損得だけでいえば、そうなるのかな」
「損得、だけじゃないんですか」
「名刺代わりね」
「・・・すいません、分からないなぁ~」

なんか、笑ってしまった。


ひとりだけ内容にも興味を示してくれた子が居たのだが、
その子曰く「いまの若いひとは・・・って、自分もそうですけど、合理的に考える傾向にあるから、なにかの得が約束されていないと動けないんですよ」。

・・・・・分からない、でもない、、、かなぁ。

「でもね、得がなかったわけでもないよ」
「そりゃあ、そうでしょう」
「そこそこ、モテたし」
「(笑う)そこですか!?」
「男なんて、結局はそこでしょ」
「まぁ、そうかな」


話を戻して―。

さぁ、又吉ちゃんは芥川賞作家になれるかな。

じつはピースの芸をきちんと見たことはないのだが、
彼がかつて大喜利のお題「放送コードぎりぎりの芸名を考えてください」で、

米良美一

を、

フェラ美一

と答えたのは傑作だと思った。

思ったから、取れればいいね又吉ちゃん! とは思っています笑

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(129)』

コメント (3)
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