masumiノート

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土台が崩れているから・・・

2015年08月14日 | ガソリンスタンド2

先日の記事、SS経営力強化元年のこの部分
「災害時にはエネルギー供給の最後の砦になるSS」「平時・緊急時を問わずに安定供給のための中核機能を担っていく意識と高い意欲のあるSS」を強力に支援すべき、


それは、昔から営業を続けて来た既存の、現存している小口配達を担っている地場のガソリンスタンド全店ですよね。


「世界情勢によって供給が絞られた場合、優先的に供給が約束されている系列玉であっても、元売は前年比何%という形で制限を掛けてくるだろう。だから自店の顧客のためにも全量系列から仕入れておく必要があるんだ」と、どんなに苦しくても業転玉に手を出さずにいるのは、まぎれもなく「安定供給」のためだし、

「うちの店が廃業したら、誰が代わりにポリ容器1つの配達をしてくれるのだ。だから営業を続けるためには業転玉を仕入れるしかないのだ」と、葛藤を抱えながら他社買いをするのも、確かに「安定供給」のためだし。





災害時の“最後の砦” 地場SSの重要性説明 
(以下、最後の砦なんて御免蒙りたい。より)

全石連の河本副会長・専務理事は、東日本大震災直後から石油製品の安定供給に尽力したSS現場の従業員らの懸命の取り組みを説明した。
「ある大手のSS企業では、就業規則で震度6以上の地震が発生した場合、出社してはならないといったことがあったと聞く。これでは地下タンクにいくら在庫があっても、供給してはならないということになってしまう」と概況説明したうえで、

「こうなると、就業規則がないような個人商店SSの人が供給せざるを得ない。
上流のほうでいかに供給体制を整えても、SS現場での震災時における火事場の馬鹿力で供給してくれる方々がおられなければ、石油が欲しいという被災者のご要望に応えることができなくなってしまう」と安定供給を支える中小地場SSの重要性を訴えた。




でもね、
実は就業規則があるような大手には、既に多額の補助金が流れているのです。


(※以下、月間ガソリンスタンド2014年3月号の麻生 豊さんの記事より)
補助事業を利用するメリットは大きく、知人にも複数店舗を持ち、毎年いくつもの補助事業を活用している石油販売業者がいるが、
創業以来、納めた税金よりも貰った税金の方が多いという。

補助金を受けるためには補助金で賄えない部分を自己資金で用意しなければならない。
補助金の仕組みを理解し、補助金を活用するための人材も必要となる。
ところが、この自己資金も人材も用意できない零細・小規模事業者が非常に多い。

つまり、補助事業が手厚くなればなるほど、その額が大きくなればなるほど、
それを利用して儲ける事業者と、まったく儲けることができない事業者との間で、格差が拡大してしまうのである。

本来は零細・小規模事業者ほど補助金の恩恵を受けられなければ制度の意味がないのだが、
現実は、中堅以上の企業、あるいは“業界内で”大手と呼ばれる規模の企業ほど、儲かってしまうという不思議な現象が生じているのである。

補助金と税金。

国の補助制度に不満の声



そしてそういう補助金を多く受け取っている大手業者が、3者店では不可能な安値の価格看板を掲げたり、地場業者(個人商店)の大口得意先へ安値営業を掛けたりして、
全石連の河本副会長・専務理事が、「こうなると、就業規則がないような個人商店SSの人が供給せざるを得ない」と言った、その個人商店SSの経営を不安定にし、廃業へと追い込んでいるのです。

神奈川県警の発券店値付けカード問題にしてもそうですが、

そんな業界の有り様が
「最後の砦なんて御免蒙りたい」という気持ちにさせるのです。




だってもし本当に最後の砦としてガソリンスタンドをこれ以上減らしたくないのであれば、
元売は昔のように市中買いでもして市況の安定を図るだろうし、
販売店の8割が代行給油手数料では「採算割れ」と答えている発券店値付けカードも即刻手数料値上げなどの措置を行うだろうし、
国(政府)も、時間稼ぎのようなことをしていないで、さっさと米国のようにメーカー(子会社)が小売りに進出できないような分離法を立法化するなどして地場の小売業者の生存権を守ると思うのです。


けれども現実はどうでしょう。
相変わらず業転格差は拡大しているし、業転かそれ以下と思えるような安値価格看板を掲げる元売子会社(販社)があるし。
駆けつけ給油とか灯油の配置配達とかは、ガソリンスタンドが地域に一軒になってからでないと機能させられないであろう施策だし。


そういうことを考えると、

先日の記事、SS経営力強化元年のこの部分
「災害時にはエネルギー供給の最後の砦になるSS」「平時・緊急時を問わずに安定供給のための中核機能を担っていく意識と高い意欲のあるSS」を強力に支援すべき、


災害時給油所地下タンク製品備蓄促進事業により 災害対応型給油所となったSSが支援されるのは間違いのないことだけど、
疲弊した個人商店は、その地域で最後の一軒になったら呼び鈴SSとして支援の対象になるー
くらいに考えておいた方が無難だと思っています。



石油協会 経営実態調査 販売業者の声





*****



当店店主は廃業を視野に入れなくてはならない年齢となりました。

それでも、地下タンクに続き、9月には新しいPOSへの設備投資を行います。






「系列店は正規ルートの系列仕入れで経営が成り立つ」

それがほんとうの姿です。
それが基本です。

この土台が崩れたままの、業界・・・・・・・・


2 コメント

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Unknown (かっちん)
2015-08-18 07:35:22
さすが、masumiさん!
良いこと言うね~~!!

そうそう!補助金をもらうにも小規模店には大きな壁があるんですよね。
以前なら乗り越えられた壁も、ここまで疲弊しているとなかなか難しいものです。

そして、小規模店が本当に欲しいのは、
短期的な補助金ではなく、正当な競争が出来る市場です。
過度な競争をして、疲弊させてはいけない業界だと思うのです。

エネルギーというのは、人の命にも直結する大事な大事なものなのですから・・・
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かっちんさん (masumi)
2015-08-18 10:33:25
はい

公平な市場が確約されるものであれば、まだ力を振り絞ることができる小規模店もあると思うのですが・・・
返信する

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