11月26日 燃料油脂新聞より (※青系文字がmasumi)
配達業務に活路
面倒で手間暇かかる隙間ビジネスとも言える配達業務に地場フルSSの生き残りのヒントが隠れている。
電気防食を行って「まだまだ10年以上は商売を続けたい」としている山間部地場フルSS業者
店主本人とパートアルバイトスタッフで運営。ガソリンボリュームは月に30キロ程度。
しかしまったく心配していない。無理な投資、借金もない。
業転も仕入れているのでマージンは20円超あるのではないだろうか。
さらにこれからの季節は灯油がある。
セルフやHCの店頭価格は気になるが配達については、価格についてお客さんはそれほど神経質ではない。
現金顧客はすでにセルフなどの量販店に流れている。
配達業務で内部留保、10年後の自分の退職金を貯めているという感覚だ。
もし我が社が廃業したら誰が配達をやるのだろうか。
お客さんは配達してくれるSS業者を探すのが大変なのではないか。
やれるところまで営業を続けたい。
(※この「やれるところまで」っていうのも、業転を仕入れている店と系列100%仕入れの店とでは、何となく異なるような気がします)
一方で、すべてのセルフSSが配達業務を廃止したわけではなく、むしろセルフSSだからこそ配達業務を強化しているケースがいくつかあるようだ。
有力セルフSS店主は「セルフSSは今後、フルSSに近づいていくのではないだろうか。柔軟性が求められる時代だ」とコメントした。
配達ニーズと価格、折り合い難航
近年の曳売り業者(巡回業者)の減少を捉えて(巡回業者の廃業も多い)、ポリ缶単位の灯油戸別配達を積極化したが、
「積極的な需要の掘り起こしには繋がるも、結果的にコストに見合わない結果となった」
※配達には“車”も“人”も“燃料”も掛かります。
「一缶の配達依頼を受けて訪問した高齢者のなかには価格を提示すると“高すぎる”や、ひどい人だと“暴利だ”と言われたケースが少なくなかった。販売側からすれば例え一缶でも配達に出向くし、行き来だけでも最低30分位の時間は費やす。ましてや団地の3,4階まで階段を上り下りするスタッフの労働力を考えるとコストに合わない。
悪態をつかれてスタッフの士気にもかかわってくる販売には手を出すべきではないとの考えになった」
その商圏(地域)の環境とか、業転玉を混ぜているかどうかで明暗は分かれます。
当店では巡回業者が回り出した15年くらい前に配達先でも店頭でも暴言を浴びせられるようになりました。
業転玉仕入での価格で配達をする店もあるので、灯油も系列100%仕入れの当店の配達の値段はどうしても高値になります。
冬場の忙しい時期に何とか都合をつけて配達に行っても悪態をつかれるだけなら「行かない方がマシ」、そう考えるようになりました。