12月9日燃料油脂新聞より
新工法で地下タンクライニング実施
コスト安く施工期間短縮
平成23年の改正消防法施行以降、地下タンク規制の期限切れをきっかけにSSを閉鎖するケースが相次ぐなかで、愛知県稲沢市の山忠石油さんはFRPライニング施行し生き残りの意志を明確にされました。
山忠石油さんは掛け売りが全体の70%を占める典型的な地元密着型のお店ーとあります。
山田社長(51歳)は
「早期の営業再開はありがたかった。とくにハイオクは1基しかなく、ライニング施行中は販売できず事前に周知できなかったお客に迷惑を掛けたくなかった」
「体力の続く限り、営業を続けたい。それが10年になるか20年になるかわからないが、(ライニング施行で)しばらく安心して商売ができる」
**以下masumi
技術の進歩は目覚ましいですね、
当店が期限を迎えた平成25年はまだライニング施行は費用も高額で、何より工期が長いことが最大のネックでした。
補助率も上がっていますし、羨ましいです。
でもガソリンスタンド施設を持たない灯油屋さんなどは補助を受けられないんですよね...
同じように燃料供給を担っておられるのに。
・・・
掛け売りが7割ということは市場環境が昔からあまり変わっていないのでしょうか?
当市は大手の新設店の方が既存地場店の数を上回ってしまいました。
掛け売り70%は昔の話ですね....
もし今でもそういう環境であったなら、平成25年の期限の際も迷わず営業継続を決断していたと思います。
先日、もう十年来のお客さん(フリーの現金客)が、精算の時にTカードを出されました。
横断幕を見て「今初めて見たんですけど、あれってコレですよね?」、と。
Tポイントの後付けが出来ないことを伝えると、「そうなの、じゃあ次来たときに最初に渡せば良いのね?」、ーと。
これが“お客さん”の反応なんですよ。
“車はセルフでセルフでは買えない携行缶だけ”などの消費者は、「次」が無いからああいう反応を見せる(過去記事参照)。
「満タン」と言われて給油してみたら数リッターしか入らない、これも一見さんに多い。
お客さんは「ちょっとしか入らないけど」とか、ひと言付け加えて下さる。
改正消防法で地下タンクの期限を迎えた時、わたしは「廃業」を勧めた。
こうちゃんは悩んだ末に「うちのお客さんはもう良いお客さんしか残っていない」と対応工事をして店を続ける事を選んだ。
設備投資の回収はできないことを承知で。
先週、まだ新しい常連の、Tカードのお客さんがゴミ箱を手に降りておられ「捨ててもらえるかな?」と言われました。
(このブログに書きましたが規制緩和以前から“変わらず”ご愛顧下さっている掛け会員さんなどのゴミはこちらも“変わらず”受け取るけど、それ以外は常連客であってもゴミを受け取ることは止めにしました。昔からのお客さんでゴミを出される方は数名です)
感じの良い方で来店回数も給油量も多い上客ですので一瞬迷いましたが、「ゴミの受け取りはしてないのですが・・・」と言うと「そうなの、わかった」と快諾してもらえたので、送り出しの時にそのことに対してお礼を言うと、「頑張ってはるの分かってるから。気にしないで」と言って下さったのです。
その時少しジンときたのですが・・・
その夜、ベッドの中で考えてしまいました。
こうちゃんの「店を続ける」という意志に従うことにした私ですが、私自身に「店を続ける」という強い意志はありません。
こうちゃんの年齢からいっても何が何でも生き残る(勝ち残る)とも思えません。
そういうことを考えていると、
必死で頑張っているわけじゃないしな...「応援してるよ」なんて言ってもらえる資格なんてないよな。
と思うのです。
そしてお客さんの優しさに申し訳ない気持ちになるのです。
で、こうちゃんにそう話すと「じゃあゴミ捨ててあげれば?」と笑われるのですが、それは出来ないmasumiさんなのであります。
お客さんにはほんと、「ごめんなさい」と「ありがとうございます」、なのでございます。
わたしも鹿児島の油屋さんのコメントに涙が出そうになりました。
「同類相憐れむ」
この言葉には負のイメージがありますが敢えて使わせて頂きます。
この業界で、この理不尽と闘いながら営業を続けてきた地場3者店の心情は、同じ境遇の者でなければ分からないと思うので。
鹿児島の油屋さんはまだ34才。
まだまだこれからの人です。
そういう若い人が、夢や希望を持って働ける、そういう業界になればいいなと思っています。
そして私は、せめて消費者の誤解による罵詈雑言は無くしたい。
今年もあっという間の一年で、あと10日で新年ですね。
お互い無事に年を越しましょう。
ありがとう。
鹿児島の油屋さんも、
ファイト!