商売に頂いたむらっちさんのコメントに、何故かふと過去を思い出して涙が出そうになりました。
私たちのような地場店は、自分や家族が生活している、その地域で、生業としてこの商売を行っています。
ですから、「信用を失う」ということは最も恐れることなのです。
燃料商社の「この地域では9割の販売店が業転玉を取っていますよ(※)」という業転玉の売り込みがあっても応じなかった最大の理由は「お客さんを騙すような真似はできない」という意識ではなかったでしょうか。
次の赤文字は、そんな当店が当時公にされていなかった“卸格差”によって消費者から浴びせられた言葉です。
「ほんまにえげつない店や。こんなぼったくりの店止めときって近所の人らに教えたらなアカン」
http://blog.livedoor.jp/masumi_i/archives/584480.html 何故書くのか
前全石連会長が「現卸格差は中小SS生存不能」とエネ庁長官に訴えました。
しかし本当は、
地場店にとっては、卸格差よりも、信用を失うことこそが、生存不能(心)なのだと思います。
PS
(※)9割というのはセールストークだと思います。
けれども常に13円、当店では最大で18円にもなったことがある業転と系列の仕入れ値の差。
「背に腹は代えられない」と他社買いを始めた販売店もあることは事実で、
だから余計に泣けてくる。
特にこのご時世ですから、ひとつ間違えると企業として存続できなくなりかねませんから。
目先の利益を求めて業転玉もそうですが、どこかの車メーカーのデータ改ざんじゃありませんが、ガソリンタンクに品確法の範囲(4%でしたかね?)で灯油を混ぜて問題になった某SSもありましたよね。
その影響でそのSSだけでなく、下手すればまともに販売しているその元売系列全体のSSがそのような目で見られかねませんから、信用は大事ですね。
(今でも某元売看板掲げてる何店舗かあるユニー○イルのせいで他のまともに商売している某元売系列SS全体が同じ目で見られて困ってると某SSの店長が言ってました)
油外の、詐欺まがいの押し売りも同じですね。
業転玉もそうですし、いい加減で不必要な油外の押し売りもそうです。
「ガソリンスタンドなんかでは、ガソリン以外買わない」
このお客様の言葉に全てが集約されています。
お客様を騙す事なく、正直にやっていてもそういう目で見られるようになるわけです。
そりゃ、安値の店があると「その価格でやっていける」となるわけで、そこと価格差があれば色々な言葉を投げかけられます。当店もこの手の経験が多数あります。
そして、そういう言葉を聞いた時に、なんともいえない気持ちになります。
これはキツイ一言です。
痛い目って何を?どんなことを?何時?どんなふうに?と妄想が膨らみ・・・心がぎゅうううっとなりました。
しかも相手は近隣というかまぁ周辺に在住している人物で、向こうはこちらのことを知っているけど、こっちは相手が何処の誰か知らないという・・・。
もう恐怖以外の何物でもありません。
今は何でもハラスメントと言う風潮ですが、これこそ客と言う立場のハラスメントじゃないでしょうか。
本当に、あの頃の私に伝えたい。
そんな人間に頭を下げ続けることなんかないよ、相手にすることないよって。
兎に角、店を畳んでほしいと思う最大の理由は無知で無理解な消費者からの罵詈雑言でしたから、私が全石連に一番に望んでいたことは卸格差についての意見広告を出してくれることだったのですが、如何せん組合が業転玉の斡旋を行っていたような有様でしたから、考えてみれば無理な話でしたね。
まぁお陰様で開き直れるようになりましたけど。