政府は電気自動車(EV)の購入者に対し、現行の2倍となる最大80万円の補助金を支給する制度を2021年度に導入する方針を決めた。自宅やオフィスの電気契約を再生可能エネルギー由来の電力に切り替え、EVへの充電設備を整えることなどを条件とする。

 環境省と経済産業省が今年度第3次補正予算案に必要経費を盛り込む。両省は、新制度を2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府目標の実現に向けた目玉施策の一つと位置づけている。

 EV購入者へは現在、最大40万円の補助が支給されているが、最大100万円前後の欧州と比べ少なく、普及が進まない要因と指摘されてきた。新制度では、電気契約を二酸化炭素(CO2)が排出される石炭などの化石燃料で発電された電力から、太陽光や風力といった再エネによる電力に変更することを条件とする。再エネ由来の電気でEVに充電することで、CO2排出を抑制するのが狙いだ。

 環境省によると、再エネ電力の電気料は、一般家庭で通常の化石燃料由来の電力と同程度か、最大で2〜3割高い。両省は新制度により、EVと再エネ電力の普及を加速させたい考えだ。