masumiノート

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「殺す」んじゃなくて「獲る」

2011年09月17日 | 自然や動植物

食わなかったら感激はない。
だから俺、スポーツハンターは理解できないな。
(育雄)


とにかく自由。
大工は人に使われて自由がない。
(ヒロシ)


「死んだの?」
(度々口にするイサム君)


8月28日に録画しておいた
NHKスペシャル「日本人イヌイット 北極圏に生きる」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110828.html

氷の大地グリーンランド、北極点からわずか1300Km。イヌイットの人々が暮らす、地球で最も北の村・人口51人のシオラパルクに、日本人の一族がいる。著書「エスキモーになった日本人」で知られる大島育雄さん(62)。

エスキモーになった日本人
クリエーター情報なし
文藝春秋

1972年に移り住み、現地女性と結婚。1男4女をもうけ、今では5人の孫がいる。長男が、最後の猟師といわれる大島ヒロシさん(32)だ。
氷の海にアザラシやセイウチを狩り,そこから食料や衣服,燃料を得てきたシオラパルクの暮らし。しかし、近年の地球温暖化と動物保護政策によって、イヌイットの暮らしは岐路に立っている。そんななか、孫のイサム君(8)はイヌイットとして、そろそろ猟に出る年ごろ。夏休み、祖父と父親と男3人で北のフィヨルドまで遠征。断崖絶壁を登り、トナカイやジャコウウシを狩りに行くことになった。
番組では、ヒロシさんに小型HDカメラを渡し、イヌイット自身の目で「変わりゆく暮らし」「イサム君の成長」を記録。取材班の映像と合わせて、大自然と向き合いながら極北の地に生きる家族の実像に迫る。



そこいらの映画を観るより良かったな。

自然と共に生きる、猟(漁)で生計を立てる 

これは厳しいことだけど、

人間が温かい。

村の人や家族が穏やか。

 

イサム君のアノラック(ヤッケ)をお父さんのヒロシさんがミシンで縫う。

それを着て、アッパリアス(渡り鳥)を捕りに行く。

ヒロシさんは上手!イサム君は何度か失敗する。
棹の長い網で捕らえたらすぐに心臓を押し潰す。
左手でアッパリアスの首を掴んで、右手親指で押す。

最初、イサム君はそれが上手く出来ない。

アッパリアスのお腹の方から親指で押すけど中々死なない。

アッパリアスの首を掴んだまま、その丸い目と向き合うイサム君。
父親のヒロシさんがコツを教える。

その日はイサム君は4羽捕まえた。

ヒロシさんは「凄いな」と褒めた。

アゴヒゲアザラシの皮を剥いで鞭を作る。

昼間でも氷点下なので凍ってしまう前に解体する。

セイウチの鳴き声が悲しい。

銛を突こうとする育雄さんに孫のイサム君が「子どもがいるよ」と声を掛ける。

子どもがいるお母さんセイウチは狙わない。

それがイヌイットの掟。



自分の手で生き物の命をいただく。

捕らえた獲物の腹を割いて生肝を切り取り、口へ運ぶ。

を他人任せにしてきた現代人の私には目を背けたくなる映像だけど
「脂肪と一緒に食べるんだよ」とイサム君の口に脂肪の一切れを入れるヒロシさんの言葉が 

これが日常なんだ、これは当たり前のことなのだと気付かせてくれる。

(猟・漁)は、仏教によって穢れとされてきたけれど、本当は神聖なことなんじゃないかな。

 

 

6月、9才のお誕生日を迎えたイサム君へのプレゼントは父親のヒロシさんが作った銛の先だ。

嬉しそうなイサム君。

イサム君はアッパリアスを捕りに行きたいと言った。

21羽捕まえた。上手になった。

 

 

山や海の地形、どこにいつどんな獲物がいるか、そういうことをヒロシさんはイサム君に教える。


トナカイ狩りで、おじいちゃんからはぐれたイサム君にヒロシさんが言う。

「おじいちゃんを心配させるようなことしちゃダメだろ」

解体しても10キロはあるトナカイの肉を9才の男の子が肩に担いで岩場を運ぶ。

帰りの船でイサム君は「それ頂戴」と言ってコーヒーを飲む。
「お前もコーヒーが飲めるようになったんだな」とヒロシさん。

舵を握らせてもらうイサム君

「もう全部任せられるやつが出来たな。イサム、お前が舵を握ってくれるから年寄りは寝ていられるな」と寝そべって育雄さん。

まんざらでもないんだよね



男3代、船の上
笑顔がホント、すごく良い。


 


4 コメント

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生きるってことですね (なが子)
2011-09-17 20:37:32
命をいただく
植物も動物も命。

便利っていいことなのかなぁ
わからなくなります。
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なが子さんへ (masumi)
2011-09-17 22:15:13
便利なのは良い事だと思います。
そして不便も又良い事なんでしょう(^-^)
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Unknown (多牌)
2011-09-18 08:40:32
 親元を離れた
 子供二人に「もうわかってるよ!」
といわれるくらい
 何千回も「その残そうとしている肉は本当は死にたくなかったんだ」と言って育ててきました。
 等の父親だって、ついついお肉買いすぎて
 捨ててしまう事になることもあるんですけど。
 ごみと一緒にすてることはしないで
 畑に埋めて土に帰ってもらいます。
 ちいさな子供のうちから
  せめて、食べ残さないのが
 死んだお肉さんへの感謝だと教えるべきです。
  去年「いのちの食べかた」をみて
 なおさらそうおもいました。
  
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多牌さんへ (masumi)
2011-09-19 11:49:49
>「もうわかってるよ!」といわれるくらい

大事なことですよね^^
親は子供にとって鬱陶しいくらいの存在の方が良いんでしょうね。
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