1月13日燃料油脂新聞より
石油業界「効率化のなかの非効率」「部分最適だが全体最適ではない」
・地元自治体がコスト削減のため入札を行い、地元業者以外から納入を受けるケース
・県外業者や元売子会社によるセルフ出店を契機に地元SSが廃業に追い込まれ、その結果地域社会における燃料供給の役割を十分に果たせなくなるケース
安値を選ぶのは合理的な行動だが、その結果、供給網の崩壊(SS過疎化)が起こっている。
※供給網を守るべく営業は続けていても十分なサービス(小口配達など)が行えなくなっており、消費者の不利益につながっています。
「セルフ間で10円格差」元売施策を疑問視
※セルフとフルの価格差ではなく、セルフ間で。
これまでは1SSであっても業転玉100%(PB-SS)なら地域の中で安値店として存在できていたけど数年前から系列セルフの超安値(差別対価)が常態化。
元売の指導に違和感 「実情考慮した施策を」
カーケア販売ではなく、配達業務、潤滑油販売に特化しているケースが地方では多い。
「ドラム缶を積んだトラックで配達することも大切な仕事」
先日、県外同業者の声を聞きました。
大きな仕切り格差(販売価格差)があるにも関わらず一律の単価、インタンクものの大口は一部業者の独占状態で小口だけ利用される公用燃料。
消費者もまた“携行缶だけ”とか“タイヤの空気圧だけ”とか、利益にならない、面倒なことだけ、昔ながらの地場フル店を利用しにくる。
当ブログで書いてきたことと同じです。
昔ながらの地場フル店はどこも同じように憤りを抱えながら営業を続けているのが分かります。
「客商売なんだから..」
「多少の事は我慢しないと..」
そんな声が聞こえてきそうです。
先日もお客さんから言われましたし、身内からもそのように言われます。
この業界が護送船団と言われていた時代でも、「競合」「忍耐」「我慢」は当然ありました。
安値集客する店は利益主義です。
他店より安くすれば客が寄ってくると知っているから安値看板を掲げるのです。
過当競争は弱者切り捨てにつながります。
販社や大手セルフなどは安値販売はしますが、小口配達やスタッフによる携行缶への給油は不採算で非効率だとして行いません。
昔ながらの地場フル店は、卸格差のなか、リッター当たりの粗利を半減(或はそれ以下)させながらも、昔ながらのフル店であるがゆえに、不採算で非効率な(不採算で非効率になってしまった)ことも続けて来ました。
不採算で非効率なことを、自己資産を取り崩しながら続けて、疲弊した末に店を畳んだ者もあります。
土地財産を失った者もあります。
業転に手を出さず正規ルートでの仕入れを貫いてきた地場三者店は、業界事情を知らない消費者からの非難の矛先に立って営業を続けて来ました。
安値店と比べての高値に対して、
「暴利を貪る悪徳業者」
疲弊し、体力を失ったことで十分なサービスを行えなくなると、
「それでもフルか」 「なら、もう来てやらん」 「そんなことでは潰れるぞ」
それらの言葉を浴びてきて、
それでも既存のお客様への燃料供給を「やれるところまでやる」と開き直って営業を続けています。
逆に言えば、開き直らなければ店を畳むしかない。
<石油元売り5社>ガソリン卸を価格操作 給油所半数は高値
2013年2月に全石連前会長が「現卸格差は中小SS生存不能」とエネ庁長官に訴えた、
これがこの業界の実態です。
>配達業務、潤滑油販売に特化しているケースが地方では多い。
当店も、このケースです。
個人客相手の店頭だけなら既に店はなかったと思います。
だから店頭は、「燃料を供給するための施設です」というスタンスで営業できるとも言えます。
(元売が勝手に言い出した“サービスステーション”ではなく、“ガソリンスタンド”です)
配達可能SS減少
PS
1月3日、こうちゃんが店を開けていると県外ナンバーの車が給油に来られて、
開店準備中だったので窓拭きもせず給油だけだったのにえらく感謝されたそうです。
「ガス欠になりそうだった、店を開けててくれててありがとう」
何度もそう言って頭を下げられたそうです。