5月19日
昨夜は早く寝たので5時過ぎに目を覚ます。
この時期のエジンバラ近辺は5時前には日の出、日の入りは午後9時半過ぎでなかなか暗くならない。
8時までベッドの中でゴロゴロして、台所に下りて行くがまだ誰も起きてこない。
勝手に冷蔵庫を開けて朝食。まるで自分の家みたい。
午前中はゆっくりおしゃべりをして、11時になった所で友人の車でお出かけ。
20分ほどでやってきたのはロスリン・チャペル。
ガラス張りの立派な入り口があり、中にはショップと、その先にカフェがある。
入場料は10.5ポンドだが、65歳以上には割引があって9ポンド(約1800円)。
ここを抜けて外に出るとすぐ目の前にあるのがロスリン・チャペル。
尖塔のたくさんあるゴシック様式だが、サイズはかなりかわいらしい。
1446年にセントクレア家の個人的チャペルとして建てられたもので
外側にはガーゴイルとか猿のように見えるものとか、古い彫刻が見える。
入口は右手にあって、この部分の彫刻は新しいと思ったら案の定ビクトリア時代に増築された部分。
ということで内部に足を踏み入れると、内部は壁から天井まで細かい彫刻でぎっしり。
残念ながら撮影禁止なのだが、素朴なものも多いながら宗教的シンボルやら寓話的なものやら、入り口でもらったパンフレット(日本語もあり)で確認しながら見ると実に面白い。
中にはトウモロコシのように見える装飾もあって、コロンブス以前にセントクレア家のバインキングの先祖がアメリカに到達していたのか、なんて解説も。
中でも有名なのは正面の左右にある2本の柱。
土産物にまでなっているが、左手は親方の作、右手の複雑な彫刻は弟子の作とされていて、弟子の技量に嫉妬した親方が弟子を殺してしまったとされている。
が、このチャペルが有名になったのは2003年に出版されて大ベストセラーになった「ダ・ビンチ・コード」のおかげ。クライマックスがこのチャペルになっていて、トム・ハンクス主演の映画も実際にここでロケが行われたそう。
12時半からボランティアによるお話があったので聞いてみると、17世紀半ばにオリバー・クロムウェルの軍によって占拠されたこのチャペル、以降は荒廃が進んで崩壊の危機にあったとか。しかし本と映画の大ヒットで見学者がどっと増えて、おかげで細々と続いていた修復が大いに進んだというのだからめでたい限り。
ちなみにここはあくまで個人的な家族の礼拝所、本にあるようなテンプラー騎士団やフリーメイソンとの関係はまったくないようだ。
見学が終わったらカフェのテラスでお昼。
スープとパンはカフェの定番メニュー。
一番安全な選択でもある。
腹ごしらえをすませたら周辺の散策へ。
この周りは公園になっていて散策路が整備されている。
歩き出せば周りは緑一色。
この林の中に1803年から1954年まで火薬工場があったとのことで石壁の一部が残っているが
今は野花でいっぱいの気持ちいい場所。
6キロほど歩いたらロスリンの村の中心で一休み。
この左手のかわいらしい建物にあるのがドリーズ・ティールーム。
なぜドリーかというと、世界初のクローン羊を生み出したロスリン研究所がここにあるから。
かわいらしい喫茶室の壁にそのドリーの写真が飾られているが、この中心の説明を読んでみるとドリーの名前の由来は「使われた細胞が乳腺から採られたので、ドリー・パートンにちなんで」とあるではないか!まったくイギリス人のユーモアのセンスといったら!
夜はまた友人お手製のラザニアをご馳走になった。
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2024年5月17日~6月4日 スコットランドの旅
5月17日
21:55の出発のため早めに羽田空港に到着。
ターキッシュはスタアラなのでANAのラウンジへ行くと、予想通り中はお客さんでいっぱい。
うどんなどはあるものの、日本のラウンジは相変わらず食べ物の提供がしょぼい。
機内食も待っているので杏仁豆腐だけいただいて待機。
時間になってゲートに行ってみると並んでいる大半は欧米人で、イタリア語やスペイン語が多いような印象。
ただし乗り込んでみるとビジネスクラスの6割は日本人シニアのツアー客で、添乗員が忙しそうに説明に回っている。日本の若い子たちはもう海外旅行に行かないのだろうか。
5月18日
13時間のフライトで朝5時のイスタンブール空港に到着。
2019年に開港したこの新空港を使うのは初めて。広い空港内には早朝から大勢の旅行客が行きかい、案内ボードの便数もすごい。なんでもターキッシュエアラインズは就航地数が世界一とか。
免税店や土産物屋もいっぱいだが、バクラバが40ユーロ(約6800円)、ロクムが25ユーロ(約4250円)もしたら貧乏な日本人には買えない。
ということで早速ラウンジへ。見つけたMiles & Smiles Loungeへはエスカレーターで上がる。
すると自動ゲートがあって、搭乗券のバーコードをかざして中に入る。
入ってみると横長のラウンジは大盛況で座る場所を見つけるのも一苦労。というのもここはPriority Passでも入れるラウンジで、実はビジネス客用には別にもう一つあったのだが、この時には気が付かなかったのだ。
このラウンジは飲食に力を入れていてライブキッチンがいくつもある。
中でも焼き立てパンが大人気で、焼きあがるとたちまちなくなる。お腹が空いているわけではないがせっかくだからとシミットとアイランを確保すると、これがうまーい。さすがトルコだ。
ラウンジ滞在は1時間ほどでエジンバラ行きのゲートへ。
ここではなんと3回もパスポートと搭乗券のチェックがあるが、定時には無事出発。
新空港の周りには何もなく、ドイツなどの上空を飛んで
緑の中に菜の花畑の黄色が目立つようになったら4時間半でエジンバラ空港に到着。
入国は自動化ゲートで楽々。が、実は有人ゲートの方が空いていたのでそちらの方がよかったかもしれない。
ターミナルビルを出ると目の前にEdinburghの大きな文字。この左手にはトラム乗り場があるが、正面の駐車場下で待っているとやがて友人が車で迎えに来てくれた。
今回のスコットランド旅、以前の同僚だったスコットランド人が引退して故郷に帰った。そこでやはり同僚だったシンガポール人が一緒に遊びに行こうと言うので実現したもの。
家は空港から車で20分の閑静な住宅地の中。近くにはハリー・ポッターの作者の家もあると言う所で
この大きな家に夫婦二人暮らし。中国生活が長かったので中には大きな中国家具がいっぱい。居間には原寸大の兵俑まで立っている。
そしてこの家にはベッドルームがなんと6つもあるというので
バスタブまで付いたこの部屋をいただく。
が、滞在中最も多くの時間いたのは大きな台所。
正面のグレイのキャビネット内は実は冷蔵庫。お皿のラックも素敵だけれど、これは地震国ではとても使えない。
そしてこのキッチンの外にはとてつもなく広い庭が広がっていて
ちょうどたくさんのシャクナゲが満開。奥の温室や菜園にはまだ手も付けていないとか。
キッチンの外には鳥のための給餌器がたくさん下げてあるので、横のテラスで待っていればバードウォッチングし放題。
兎やキツネも姿を現すし、庭のどこかにはアナグマもいるらしい。
友人はこの近所で生まれ育ったそうで、ここに帰りたかったわけを深く納得。
一息入れた午後には近所に散歩に出ることになった。
徒歩20分ほどの所にあるLauriston Castleという16世紀後半に作られたお城。
城内は予約したツアーでのみ見学可能らしいが、広い敷地内は解放されていて、犬の散歩をしたりピクニックをしたりする近所の人たちでいっぱい。
最近作られたという日本式庭園があったり、今日はもやっていて見えないが敷地の向こうには海が見えたり、近所にこんな所があるとは羨ましい限り。
出発したイスタンブールの空港では10℃の表示だったが、天気のいいこの日の午後は20℃ぐらいあった。
夜は友人の手料理でビーフシチューをご馳走になって、大きなベッドでゆっくり休ませてもらった。
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今回のスコットランド行きにはトルコ航空改めターキッシュエアラインズを使用。
道中長いから、とビジネスクラスを奮発してしまった。
まずは羽田から21:55出発。
機材はB777-300で、成田発は最近流行のより個室っぽいシートの機材らしいが、羽田発は残念ながら2-3-2配列の旧型座席。
隣との仕切りもないがフルフラットになって、特筆すべきはシートピッチ。足が前の座席下に潜り込む形ではないので190㎝もあって、おかげでモニターが遠すぎて見にくいほど。
乗り込むとスリッパと薄いひざ掛けが用意してあるが、食事前には座席に薄いキルティングのベッドシートを敷いてくれて、その際にはもっと厚い上掛け布団ももらえる。
出発前にはターキッシュ自慢のレモネードなどの飲み物が回ってくるが、以前くれたロクムのサービスはなくなってしまったのだろうか。残念。
そして登場するのはシェフスタイルのスタッフ。
メニューを配りながら注文を聞いて回る。
ただし配膳は普通のCAさんたちがするので、シェフの姿を見るのはこの時だけ。
食事は夜中近くになったが、楽しみにしていたターキッシュのビジネスなのでフルコースでいただく。
まずはトルコ式の前菜3種盛り。
ナスと、ちょっとピリ辛のトマト、ハーブの入ったラブネはカタールの前菜よりおいしいかも。
小さなライトと塩コショウ入れがかわいい。
メインはトルコらしいものがなかったので珍しく和食を選択。鯛の焼き物にお味噌汁が結構おいしい。
デザートにはトルコ菓子がまた3種盛り。
バクラバはおいしいけれどトルコのはやっぱり激甘。
お茶をお願いすると愛想のいい男性CA氏、「バクラバは甘すぎるよね」
こちらのメニューはお茶が充実していて、ブレンド茶もいっぱい。
ビジネスクラスではノイズキャンセリング機能付きのDENONのイヤホンが配られるので、食事中は遠いモニターで映画を一本。ただしあまりそそられるものはなくて、選んだのは
Lift
2022年のドキュメンタリー映画で、NYのホームシェルター出身のバレエダンサーが同じ境遇の子供たちにバレエを紹介して貧しい境遇からの脱出を助けようとする話。
映画は10年に渡って子供たちを追いかけるので、中には奨学生からアメリカンバレエシアターに合格する子供まで出る。ただし教室は無料でも送り迎えが無理、と途中でやめてしまう子供たちもいるし、10歳ごろには可愛かった女の子が数年たつといっぱしの不良を気取って休学させられたりする。するとメンターであるダンサーがこんこんとこの先どんな不幸が待っているかと諭して、さすがに反省してダンスに戻ってくるのでちょっとほっとする。
アメリカの下層の厳しさ、チャリティー活動の様子などがわかるいいドキュメンタリーだった。
食事の後はフルフラットで5時間ほど眠って、トルコ料理の紹介ビデオなど見ているうちに朝食。
と言ってもあまりお腹もすかないので、フルーツとパンだけもらった。
13時間のフライトでイスタンブールに到着、ここからエジンバラまでは4時間半。
機材は A321 Neo、中距離路線なので昔ながらのビジネスクラスシート。
今度はラズベリー入りの赤いレモネードをもらった。
出発が7:15だったのでまた朝ごはん。
今度はたっぷりのラブネの上にグラノラとベリーがいっぱい載って、これはとてもおいしかった。
この後さらにオムレツなどの提供があったが、もう食べられないとパス。
この機内でまた映画を一本。キャストに惹かれて
The Burial
この映画、日本では「眠りの地」というタイトルでアマゾンの配信でだけ見られたらしい。
物語はトミー・リー・ジョーンズ扮するミシシッピーの葬儀屋が大手葬儀社に乗っ取られそうになり、黒人弁護士のジェイミー・フォックスを雇うという、実話に基づいた話だそう。
大手葬儀社の社長も大型クルーザーなど見せびらかしていやらしいが、黒人弁護士の方も大邸宅に住んで派手な暮らし。大手が貧しい黒人たちを食い物にして大儲けしたということで奮起して見事巨額の賠償金を勝ち取るが、アメリカの訴訟ってやっぱり、面白いけどなんだかなあ、と思ってしまう。
ジェイミー・フォックスは相変わらず上手い。
帰路も同じ機材で、11時過ぎの出発なので昼食が出るかと思ったが、また朝食。
メインは薄ーいパンの間にほうれん草とチーズが挟まったもの。ただしこれ、あまり温かくなかったのが残念。
イスタンブールでは長い乗り継ぎがあって、羽田行きは夜中2時の出発。
なのでこの時間に食事を頼んでいる人たちもいたが、自分はシェフに注文だけしてすぐ就寝、フルフラットのおかげで5時間以上寝ることができた。
起きたのは日本時間でお昼過ぎ。ということで昼食として
まずはスモークサーモンとエビ、カニのマヨネーズ和え。サーモンはちょっと塩辛すぎ。
メインはパスタにしようと思ったらすでに品切れとのことでまた魚。
ハドック(コダラ)のグリルは魚より付け合わせの野菜がおいしい。
デザートにはアイスクリームを頼んだらこんな工夫のない姿で登場した。
ホームベース発なのでちょっと期待していたが、選択肢にあまりトルコらしいものがなくてかなりがっかり。
24時間以上前ならメニューの事前予約も可能だったのだが、タイミングを逸してしまって残念。
この食事中にまた映画を一本。いまさらながら
「バービー」Barbie
この映画、アメリカでは大ヒットしたものの日本での受けはいまいちだったようなので見るのを躊躇していたが、見てみたら面白いじゃないの。
まずは冒頭、「2001年宇宙の旅」のパロディが自分的にツボ。
以降、登場するバービーの家やら様々な設定のバービーやら、自分はもちろんリカちゃんで育っているが、これで育ったアメリカ人に受けた理由がよくわかる。
フェミニズム・テーマもうまく茶化していて、この題材で大人向けの映画を作るとはすごい、と感心してしまった。
主役のマーゴット・ロビーは最近のお気に入り。バービーになりきっているのがすごく、途中人間界で苦労して「私、こんなに醜くなっちゃったわ」と言うとヘレン・ミレンのナレーションが「マーゴット・ロビーが言っても説得力ないけど」と入るのにも笑った。
ただしケン役のライアン・ゴスリングが自分的にはいまいち。もっとミーハー的美男だったらよかったのに。
と思っているうちに着陸2時間前になって、妙な時間だが朝食の提供。
これはもう食べられないと断って、スムージーだけ頼んだが
これはむちゃくちゃおいしい。
19:20に羽田に到着して長いフライトも終了。
食事は正直期待したほどではなかったが、しっかり眠れたおかげでかえって帰国後時差ボケしてしまった。
おまけは機内でもらったアメニティー。
ピンクは往路、赤は復路にもらったもので、ブランドはフェラガモだがビニール素材には残念ながらあまり高級感は感じられない。
アイマスクが厚みがあってなかなか良かった。
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帰国して早々、友人を呼びだして外食。
リクエストはもちろん和食、ということで珍しく自由が丘で
「あえん」
ネットで「花籠ご馳走膳」というコースを予約しておいたところ、
まずは優しい味のグリーンピースのスープ
生ハムの乗ったサラダが来て
ちまちまといろいろ乗った花籠登場。
シラスとマグロのたたきを海苔に巻いて食べるのや、鯛のお刺身がおいしい。
食事は鶏の乗ったわっぱ飯。お米を食べるのは3週間ぶり。
これで飲み物1杯付きで3800円。
日本の外食は安い!
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ここ2週間とちょっと、スコットランドに行っていた。
昔、会社勤めをしていた頃、一時期グラスゴー出身の上司と働いたことがあって、その訛りの強さに辟易したことがある。
そんなわけでスコットランドで果たして言葉が聞き取れるかと心配したが、実際にはよそ者には標準語で話してくれるのでわからなかったのはバス運転手の一言、二言ぐらい。
スコットランドのみなさんは愛想が良くて親切。
空港などでもテキパキと働いて、どこの公衆トイレもきれいでペーパーもちゃんとあるのに関心したり。
天気も予想以上に良くて、心配した寒さに震えることもほとんどなく、最後は日焼けまでしてしまった。
そんなわけですっかりスコットランドびいきになったが、辟易したのは円安ポンド高。
なにしろコロナ前なら1ポンド140円前後、1年前でさえ180円前後だったものがいまや1ポンド約200円。
ロンドンなどに比べれば安いだろうとはいえスコットランドも物価は高い。
初めはいちいちⅹ200で考えていたが、あまりに心臓に悪いので途中で計算するのはやめた。
ところでスコットランド、紙幣がなんと4種類もあるという変わった所。
同じ5ポンド紙幣でも左上のBank of Scotland、下のThe Royal Bank of Scotland、さらに今回は見なかったがClysdale Bank発行の3種にBank of Englandももちろん有効というややこしさ。
絵柄はもちろんスコットランドらしく、ロバート・バーンズなどの有名作家に、赤リスやかわうそも国の自慢。
とはいえスコットランドももはやすっかりカード社会で、電車やバスもクレジットカードのタッチ決済でOK、現金は1ペニーも使わずに済んでしまった。
これからしばらくは盛沢山だったスコットランド旅行記です。
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