Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

シリア周遊 3 アゼム宮殿

2009-05-21 00:20:26 | 中近東/北アフリカ
4月30日 続き

ウマイヤド・モスクを出た後は城壁に沿ってシタデルを廻ってみる。
 11世紀に建てられ、その後代々の統治者によって改修され、フランス統治以降、最近まで刑務所だったという城砦は現在内部を工事中。ロンプラによるとビジターセンターなど旅行者向けの施設ができる予定だそうだ。

ぐるっと回って城壁の西に出てみると、大通りに面してサラディーンのかっこいい銅像がある。
 
日本製だという古~いポラロイドを持った写真屋のおじちゃんが話しかけてきた。
「君たち日本人を我々は大好きだよ。嫌いなのは君たちと同じ、アメリカ人とイスラエル人だけだ。この国ではイスラム教徒もキリスト教徒も仲良く暮らしている。攻撃してくるものを憎むだけだ。」別にアメリカ人を憎んじゃいないけど、おっしゃりたいことはよ~くわかりますよ。

この銅像のすぐ脇を入ればアーケードの連なるスーク・ハミディーエ。

ここでは重要な任務がある。
それはブログのおともらち、Kmala KMARさんのお言いつけどおりこの店↓へ行くこと。
 アイスクリーム・ショップ、「バクダッシュ」
ここはロンプラにも「絶対行くべし」と書かれるほどの有名店。とにかく人気があって、このあたりを歩いている人はみんなここのアイスクリームを持っているほど。
それでは、とテイクアウトで混雑する店頭をすり抜けて奥に入ると中は細長く、たくさんのテーブルにたくさんのお客が座っている。
 
 
メニューは二つ、アイスクリームとムハラビーヤだけ。ムハラビーヤはバラ水で香りをつけたぽってりしたミルク・プディング。上にアーモンドとピスタチオがたっぷりかかっている。
これまたピスタチオがたくさんまぶされたアイスクリームはトルコのドンドルマと同じくサーレップが入っているので粘りがある。これを重い木の杵でついて、手で取り分ける。
どちらもあっさりした甘さで食べやすく、でもたっぷりの量とナッツで満腹になる。ふう、もうお昼は入らない。
老若男女、楽しそうなジモティーと一緒に食べるおやつはおいしい。

ミッションを一つ達成した後はスークの中を歩き、アゼム宮殿へ。
 
あまり目立たない入り口だが、チケットを買って中に入ると広い中庭の周りをぐるっと低層の建物が囲む。
 
18世紀、ダマスカスの統治者によって建てられたという白、黒、黄色の縞模様の建物はディテールまで凝っていて美しい。
 
なんてセンスがいいんだろう。

宮殿のたくさんの部屋は今は民族博物館になっていて、楽器や陶器、調度品などがとても素朴に並べられている。
 本当は撮影禁止なのだけれど、知らずにこれだけ撮っちゃった。すみません、あまり見事だったもので。

室内のこれまた凝った装飾を楽しみ、中庭の木陰で涼むとゆったりと実に気持ちいい。
センスのいい暮らしっていいなあ。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (9)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シリア周遊 2 ウマイヤド... | トップ | シリア周遊 4 ダマスカス... »
最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (いの)
2009-05-21 01:27:19
大きな権力をもった、しかし審美眼のある統治者だったんでしょうね。
何ていう名前の楽器か分かりませんが、
胴部デザインの細かいこと・・すげ!!

すごいといえば、アイスも。
これ、ムッチャ量が多くないっすか?!
大盛り冷やし中華が入るくらい、
ガラスの器、大きくないっすか!?
写真だけを見たら、アイスともプリンとも
つかない物凄い物体に見えてしまいますが、
食べたら旨いんやろな~。
返信する
いの様、 (lunta)
2009-05-21 22:45:31
楽器の名前は・・・すいません、わかりません。

ムハラビーヤの器はやけに大きく写ってますね。冷やし中華ほどの大きさはありませんでしたけど、確かにこれもアイスもたっぷり入ってました。まあ、シリア人の皆さんの立派なお腹を見ればその因果関係は明らかです。
返信する
Unknown (没関系)
2009-05-21 23:28:17
シリアやイランって、この国ではアメリカの宣伝でまるで悪の巣窟みたいに思われてるけど、そこには普通に生活する普通の人たちがいて、良い奴も嫌な奴もいる普通の場所なんだけどね (実際にはイランやシリアは良い奴が多いけどw)。そして彼らには彼らの、その立場からは至って真っ当な意見がある。そういうことを実際に感じることが出来るだけでも、旅なんて酔狂にも少しは意味があるのかなぁ・・・
返信する
Unknown (yokocan21)
2009-05-22 04:12:03
思いっきり出遅れてます。
シリア☆どこからコメントしていいのか迷ってしまう程、素敵なものが盛りだくさんです。
このアイス屋さんは、美味しいでしょうねぇ。トルコの伸びーるアイスとそっくりです。ピスタチオのトッピングが惜しげもなくかかっているのがいいですね。トルコの正統派伸びるアイスは、ナイフとフォークで食べるんですけど(あまりにも硬いんで)、ここのは如何でした?
そして、ウードのお腹の螺鈿細工が何とも綺麗で~。アゼム宮の小さな泉でしょうか、あれも螺鈿がギッシリ。あぁ、美しい~。目の保養になりました!
返信する
Unknown (lunta)
2009-05-23 02:12:06
没関系様、

イエメン、リビア、アルジェリアにシリア・・・いずれも出かけてみればごく普通の人々が穏やかに暮らす普通の国でした。
旅行先で良くしてもらえばその国のこと、悪くなんて思えませんよね。
やっぱり無知や無関心が一番まずいんじゃないかな。


yokocan 様、

トルコのアイスはナイフとフォークで食べるんですか!ひゃ~、びっくり。シリアのアイスはそこまで硬くありませんでしたけど、盛り付けは手でガシガシやってましたね。
そして楽器の名前はウード。勉強になります。
返信する
Unknown (mest)
2009-05-23 15:43:43
写真屋のおやじ素敵。
アイスクリーム屋…行かなかったなあ、残念。
返信する
mest 様、 (lunta)
2009-05-25 23:03:11
写真屋のおじさん、古いポラロイドをそれは大事に使ってましたよ。そういうのってなんか胸キュンですよね。

アイスクリーム屋はダマスカスに行ったら行かない方が珍しいのでは、ってくらいいろんな人でにぎわってました。次回はぜひ。
パレスチナは直行直帰ですか?
返信する
Unknown (miriyun)
2009-05-31 01:54:44
アイスクリーム、やはりピスタチオのかけっぷりがいいですね!
ダマスカスの旧市街、歩きやすい町で、いろいろ見てまわるにいい場所ですね~~。
こうして改めて写真を見せていただくと、あれもこれももっとよく見たかったと思ってしまいます。
返信する
miriyun 様、 (lunta)
2009-05-31 03:28:02
ダマスカス、本当にいい町ですね。
おしゃれで、暖かくて、大好きな場所になりました。また行きた~い。
返信する

コメントを投稿

中近東/北アフリカ」カテゴリの最新記事