Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

壱岐・対馬の旅 7 厳原

2020-11-10 18:10:34 | 国内旅行

10月21日 続き

 

壱岐から対馬も穏やかな航海、1時間で対馬の厳原(いずはら)港に到着。

港から徒歩で町の中心に向かうと早速ハングルの看板。
  
 
町を流れる川の欄干には朝鮮通信使の絵が描かれている。

本日のお昼は街中のお店で「とんちゃん焼き」。
 韓国料理の影響を受けているというが、辛さは全くない豚肉と野菜の甘みそ炒め。普通においしい。

食後は「ふれあい処つしま」へ。ここは観光案内所や食堂、土産物屋などが入った施設で、ここの「観光の間」で本日のガイド氏と合流。
  
 
床に描かれた地図が実に分かりやすくて、ここでまず対馬の位置などの説明。
恥ずかしながら日露戦争の「日本海海戦」が対馬沖の出来事だったとここで初めて知った。日本海というからもっと新潟沖ぐらいだと思っていた。
 他にもこの島特有の生き物の展示などもあり、最近はツシマヤマネコが売りのようだが野生では100頭ぐらいしかいないので遭遇することはまずなく、保護センターは休館中なので生きたヤマネコにお目にかかることはできなくて残念。

それではこれから徒歩で、まずは清水山城跡へ向かう。
 赤い矢印の所が目的地だが、その手前の大きな建物が気になる。聞いてみるとこれは現在建設中の博物館、建物が完成しても歴史資料の保存のためには建材の化学物質などが抜けるのを待つ必要があるので開館は3年後ぐらいになるとのこと。この島は歴史こそ面白いので博物館には期待できそう。

 
この博物館の裏を通り、民家の間の急坂を上がると山の中に入る。
 20分ほどで三の丸に到着。

厳原の町が一望にできる。

この清水城は豊臣秀吉が朝鮮出兵の折に壱岐の勝本城同様に作らせたもの。
居城ではなく要塞のようなもので、遠くからも石垣が目立つように作られていたらしい。
二の丸、一の丸にも上がれるというので、カロリー消費のために出発。

 
良く残った石垣を見ながら一部急な山道を上がると
 
ここはあまり見るもののない二の丸。
さらに少し上がると
  

一の丸に出た。ここまで上がるとさすがに見晴らしがいい。
石組が二の丸、三の丸とは違うのは請け負った大名が違うからではないか、とガイド氏。
朝鮮出兵のためだけにこんな城をいくつも作らせた秀吉、晩年の誇大妄想の罪は深い。

この山城を降りたら次は万松院へ。
ここは鎌倉時代から明治まで続いた対馬藩主、宗家の菩提寺。
 
宗家は江戸時代、朝鮮との外交を担い、朝鮮通信使の接待を行っていた藩なので本堂には朝鮮国王から贈られた三具足なるものもある。
 百雁木と呼ばれる132段の石段を上がると
 
宗家一族の立派な墓所。
 中でも宗義智は朝鮮出兵後の日朝関係修復に功のあった人だが、この人のお墓は他よりも小さくて奥方も隣に葬られていない。奥方は小西行長の娘でクリスチャン、そのため家康の時代に離縁されてしまったのだが、今は別の神社(!)に祀られているとか。こういう話はガイドさんがいてこそ聞ける。

ところで江戸時代の朝鮮通信使、12回も来ているが日本側からあちらに出向いたことは一度もない。あのプライドの高い朝鮮王朝がなぜ、と聞くとガイド氏「僕も不思議だったんですが、どうやら朝鮮出兵に懲りて国内情勢を探らせないためだったんじゃないかと言われています」とのことで納得。

ついでに宗家の子孫は現在千葉県在住。しかし行事の折などには今も島に来て特別な存在なのだそう。

 博物館の脇に立つ宗家の金石屋形跡の大手門を過ぎて、出発点に戻ったら3時間の観光は終了。
島外からの移住者というガイド氏のおかげで面白かった。

そのまま歩いて今夜の宿へ。
 
昔ながらの小さな旅館だが、部屋は10畳もあって広々。

夕食のために大広間に行くと
 
テーブルにはお刺身の他に対馬特産の穴子の天ぷらや珍しいイカの内臓の酢味噌和え、それになぜか中華のエビチリとクラゲが乗っていて
 
メインは石の上で焼く海鮮。穴子、エビ、イカにヒオウギ貝、ブリと鯛の大きな切り身もあってすごいボリューム。

さらに鍋仕立てになっていたのは「ろくべえ」というこの島の名物。
 
これはさつまいもを粉にして乾燥させたせんだんごと言う保存食を水で戻して押し出して作るもの。見た目は黒い糸こんにゃくのようだがそれほどの弾力はなくて柔らかいタピオカみたい。それ自体に甘みや味はほとんどないが汁をよく吸って、いかにも米の取れない土地の食べ物だけれど、これはきらいじゃない。

せっかく山でカロリー消費したのに、元の木阿弥。


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4 コメント

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Unknown (とんび)
2020-11-11 07:42:53
対馬・壱岐にいらっしゃったのですね。当方、長崎にきています。長崎県ひとまわりして、対馬・壱岐にも行きます。行く前にいったん帰って、もう一度行くのですが。
とんび様、 (Lunta)
2020-11-11 10:35:20
このところ九州に通っていらっしゃるんですね(笑)。
壱岐・対馬はGo Toでやっと観光客が戻って一息つけた、と地元の方たちがおっしゃってました。
お金落としてあげてください。
Unknown (kimcafe)
2020-11-13 10:43:17
見た目、対馬のろくべえは短いみたいですね
食べ比べしたいです(^^ゞ
kimcafe 様、 (Lunta)
2020-11-13 13:24:28
確かにお宿のろくべえは短く切れてましたが、他で食べる機会を逸してしまったのでどこもこうなのかはわかりません。
ぜひ行って確かめてください。

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