Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ムスタン紀行 7 ギリン~ツァーラン

2011-09-09 23:11:35 | チベット文化圏
8月11日

ギリンの宿で目を覚ますと外は昨夜から続く激しい雨。
ヒマラヤの北側は雨が降らないと信じこんでいたけれど、やっぱりモンスーン時期はそれなりに雨が降るんだ。

この雨の中を歩くのはいやだな、と思っていると、今回の添乗員はGNHの社長なので太っ腹。「今日はジープを手配して一気にローマンタンまで行っちゃいましょう!」

昨日は疲れ果てたし、やれうれしや、と朝ごはんを食べているうちにあれだけ降っていた雨が止んで雲が薄くなってきた。でももうジープを手配したことだし、と昨日気になったゴンパを見に行くことにする。

 宿を出たすぐ近くにも立派なチョルテン。
  
村の小高い所にあるゴンパは縞模様のサキャパのお寺。
 だからご本尊の前にはサキャパの座主のお写真がある。 
 お寺の屋根から見る村の畑が本当にきれいだ。

村の様子を眺めていると峠から白い車が降りてくるのが見えた。
 これに我々の荷物をすべて乗せ、我々日本人一行5人にガイド2人、いつもはキッチン道具一式を担いで歩くキッチンスタッフ4人も乗り込んで、さあ、出発だ。

車は広い谷を抜けて高度を上げる。
  
すぐに到着してしまったニイ・ラは今回の旅程の最高高度4020メートル。でも車で簡単に着いてしまったので高いという実感がない。

この峠から下ってピンクと緑の畑が見えてきたらそこはガミの村。
  
ムスタン王国では3番目に大きな村だそうだが、車はあっという間に通りぬけてしまって、谷底の川を渡り、また反対側の崖を登る。

  
登り切ったところはチョヤ・ラ、3870メートル。ここからガミ村を振り返ると白い川がまるで天から流れてくるように見える。

 
峠の反対側、これから向かう方向はまた乾ききった景色。道は砂利道だが、車は快調に飛ばす。 
 やがて印象的なきれいなチョルテンが見えたらその先がツァーラン村。
馬なら7時間かかったはずの距離を車ではたったの2時間半。11時過ぎには着いてしまった。

 
ここはローマンタンに次ぐムスタン第二の都、というか村。
 
さすがに立派なゴンパとゾン(王宮)があるが、ゾンの方はもう何十年も使われていないのだそうだ。

  それにひきかえゴンパの方はばりばり現役らしく、境内に電話屋さんまである。

この本堂に入ろうとしたら鍵がかかっていて入れない。鍵番を呼びに行っている間に「日本人ならこっちも見せてあげよう」とお寺の人に案内されたのがこちら。
 崩れかけた廃墟のようにしか見えないが、中に入ると
 
おお、見事な壁画がある!中央にある像は仏様ではなく高僧のようだが誰かはよくわからず。でも造りはきれいで周りの壁画も美しい。
 
中にはラダックの衣装のようなものも見えて、それほど古いものではないと思うがとてもおもしろい。
 
入り口にある六道輪廻図も洗練された筆致。でも保存状態がかなり悪くてもったいない。

この後は本堂も見せていただいたが印象になし。たぶん新しいお堂だったのだろうが、こちらの素敵なお堂を見せていただけたので満足、満足。

  
ところでツァーランと言えば河口慧海がチベット潜入前、1年ほど滞在してチベット語を習得したところとしてチベット好きには有名なところ。この村のどこかに河口が滞在した家が残っているはず、と聞いてみるとなんと
 現在建て替え中。
マルファの家の方は河口慧海記念館になっていたけれど、さすがにここでは「河口って誰?」ってことか。

この村でお昼を食べて、さあ、いよいよローマンタンまであと少し。
 そこにたどり着くにはツァーラン村の下を流れるこの川を越えなければならないのだが
 普段はジープで簡単に渡れるらしいこの川が昨夜の雨で増水している。運転手が川の中まで入って確かめたが、今日は無理と判断。
 仕方がないのでツァーランに引き返す。

 結局この日はお昼を食べたMaya's Innで一泊。

お楽しみは明日まで持ち越しとなった。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (霧のまち)
2011-09-10 10:59:01
いよいよ佳境って感じですね~。
素晴らしいです。 あの極彩色の壁画には
感動ですね。 保存 よくして欲しいです。
それにしても、英語の案内板・・・世界はやはり「英語」なんですね~。
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Unknown (lumiere)
2011-09-10 16:31:56
今回は2週間もの長旅だったんですね。
3つめの記事以降に出てくる地名、すべて生まれて初めて目にします! 
すごいですねー。しかもお馬さんに乗ってでしょう。
こんな旅をしてしまう日本人ってluntaさんのほかには数人しかいないのでは?って思ってしまいますが、もしかしてマニア(って、何の?)の間では有名なルートなのでしょうか?
返信する
Unknown (lunta)
2011-09-11 00:36:20
霧のまち様、

もう一息でローマンタンです。
いよいよ壁画も出てきて、でも本番はこれからなんですよ~。
このルートはいまやヨーロッパ人に人気のトレッキングコースのようなので、看板は外国人用です。


lumiere 様、

ムスタン、確かに日本ではチベット文化圏に興味のある人にしかまだ知られていないかもしれません。でも秘境系(?)旅行社からはちゃんと定期的にツアーも出ているし、年間4,50人は日本人も行っているんじゃないでしょうか。
それにしてもヨーロッパ人、特にイタリア人の多さにはびっくりしました。しかも皆さんフィットネス命、みたいな体型の人ばかり。
馬で行くのは軟弱者なんです。
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