Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

東チベット・雲南の旅 2 ガンデン寺

2010-05-02 02:09:12 | チベット文化圏
3月17日

東チベットへの旅行許可申請のため、今朝はゆっくりの出発。
 朝日に輝くポタラ宮に挨拶してラサの街を離れる。

東に向かって市街を出ると広々とした畑にオグロヅルの群れを発見。
 
冬はブータンに越冬に行くこの鶴、日本語だと「オグロ」で英語だとBlack Neck Crane。まあ、どちらも黒いのだけれど。

 やがて街道を離れ、九十九折りの道を登って4200メートルの高さに達する。
この景色、空の近さ、チベットに来たことを実感してうれしくなる。

  
ヤクの向こう、山の上に広がっているのがゲルク派の開祖、ツォンカパによって1409年に建てられたガンデン寺。
と言っても中国軍の侵攻以来、この寺は一度完全に破壊され、今の建物は最近になって建て直されたもの。大きなクレーンも見え、再建はまだまだ続いているらしい。

  
駐車場には街からの定期バスが停まり、チベット人たちはお寺を眺めながらのんびり。境内では若い坊主が携帯電話で長話。由緒ある寺でもチベットの寺はどこかのんびりしている。

 たくさんのお堂が並ぶ中で、まずは大集会堂へ。
  
中の仏像は新しいものだが、お寺の中の空気はちゃんと祈りの場の空気。

 
中では砂曼荼羅の製作中で、その横ではお守り紐を販売中。写真を撮ると20元だが、お布施だから快く払いましょう。

この寺ではもう一箇所、ツォンカパ霊塔殿へ。
ツォンカパの遺骨は中国軍の侵攻、文革の時もチベット人が必死に守ったと聞いた。
その霊塔にお参りできて、まずは満足。

山を降りて、近くの町でお昼。
 典型的な中国の田舎町。

ここを出てさらに道を東へ。
 四川省の成都につながる川蔵公路はえらく立派に舗装されて快適だ。

やがてバル・ラ峠に到着。
  
標識には5013メートル、日本のガイドブックでは4930メートル。
 だらだらと上って来る峠なので見晴らしはさほど良くないが、我々が到着するとちゃんとみやげ物売りがやって来る。この子からルンタを買ってまき、道中の安全を祈願した。

この峠を下りるといよいよ東チベットのコンボ地区に入っていく。
と、景観の中にいやに場違いな紫や赤、青のけばけばしいトタン屋根が目立つようになった。
 街道筋に並ぶこの家々、「模範村」とか称されて山の中に住むチベット人を低地に降ろすプログラムらしい。窓枠などはチベット風の装飾になっているが、どうも不自然で空々しい空気が漂う。なによりもこの安っぽい屋根の色は環境破壊ではないか。もっともけばけばしく安っぽい屋根は日本でもそこらじゅうにあるけれど。

やがて夕方、今夜の宿泊地、コンボギャムダに到着。
 これまた典型的な「中国」の田舎町。
  
ホテルの部屋は一見きれいだけれどちゃんと掃除がしていなかったのでチェンジを要求。そうしたら前の部屋にはあった電気毛布がなく、エアコンの壊れた部屋にされてしまった。寒いよ~。

夕食はホテルを出た街の食堂で。
ここでいつもの野菜炒めを食べていると、添乗員が悲痛な顔をしてやって来て曰く、「皆さんに重大なお知らせがあります。この先、東チベットの旅行許可が急に取り消され、外国人旅行者はチベット地区から退去するようにとの通達が出されました。まだ詳細がわからないので確認中ですが、最悪旅行を中止しなければなりません」って、ええ~!

明日一日は情報収集をして様子を見るとのことだが、旅行3日目にしての重大事。
身も心も寒く床につく。


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2 コメント

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Unknown (miriyun)
2010-05-13 23:31:16
中国では、相手次第というところがいろんな面から読み取れます。こんなに近づいてから入れませんというのは旅行社にとっては目的地にいかれないということですから、がっかりなんていう言葉では言い表せませんね。
 「無念!!」ですが、
それでもいいたび続けてくれるだろうと楽しみにしています。
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miriyun 様、 (lunta)
2010-05-15 01:09:31
そうなんです、もう「無念!」の一言でございました、やっと行けた東チベットだったので。
おかげで雲南旅行記はいつもにましてひねくれたものになってますが(笑)どうぞお楽しみください。なかなか先に進めませんが。
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