をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

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映画「TAKESHI’S」

2005年11月30日 | 映画
木枯らしの中、行って参りました。館内は空いてて良かったー。
えー、賛否両論あったというが、悪くないテイスト。

それから、ある意味たけしの映画を借りた「美輪明宏の独壇場」という見方もできました。まさに卒塔婆小町!美輪さんというとすぐオーラのイメージだけを取り上げて茶化す人がいますが、まず舞台ありき、歌ありきなのですよ。その人生の合間に文学者との交流やオーラな相談が垣間見えるわけで、そういう人には舞台を1度御覧なさいと言いたいですね。
そんな美輪さんへのオマージュか、後半、シャンソンや「ヨイトマケのうた」を歌うシーンがあって、映画「黒蜥蜴」の三島由紀夫のように、ゾマホンが彫像になっているシーンがあります。
冒頭の文句を垂れている美輪さんは醜悪に演じているが、その後「いるわよ、怪物が」といってたけしをあごをしゃくって指し示すシーンはスコーンと言い放ち、同じ流れのシーンでこうも変わるのかとドキリとしました。最後の日傘をさしてもらいながら傍観する後姿が映るシーンは美しい。これは卒塔婆小町のラストの鹿鳴館で踊るシーンに使われたドレスでは?(美しいといえば、映画「黒薔薇の館」で田村正和と波打ち際を走る姿も美しかったです。)

あ、たけしの映画でしたね。まあ、たけし版「マルホランド・ドライブ」でしょうか。自作へのオマージュとよく評に書かれていましたが、色々な映画へのオマージュも感じられたのは私だけでしょうか?
岸本加代子、イヤーなおばちゃん役がぴったり。特に、女プロデューサーってあんな感じなんでしょうか?たぶんたけしの中では岸本演じる女と京野演じる女性は女の両極であると同時に、結局は同じ穴のむじななんでしょうね。最後なぐりあっちゃうとおんなじになっちゃう。
昔イチオシだった津田寛治、軽薄そうな役合ってますね。
でも、京野ことみはあんな撮られ方で脱いでよかったのでしょうか?
難をいえば、ゾマホン。旬が去っているけど、言われればわかる微妙なとこ。笑いづらい。いっそ、忘れられてるか、無名の人を使うか、今でも旬のボビーにしとけばよかったのに。映画の撮影と公開のタイムラグのマイナス面が出ましたね。
それから、タクシー運転手のたけしがおでぶとおやまを乗せて人がいっぱい死んでいる道を蛇行しながら走るシーンがあり、笑わせようという演出だったけど、笑えませんでした。まったく同じようなシーンが「ホテル・ルワンダ」にもあり、それは現実にあったこと(霧の中山道を車で走らせていて、悪路なので主人公が降りて見ると、大虐殺された人々が累々と横たわる上を走らせていた場面)なのだから。たけしがもし「ホテル・ルワンダ」を観ていて想を得たとしても、いただけない気がした。例え意図的だとしても。

松竹の新ビルの2階にカフェがあるけど、男性5人のゴスペルグループが歌ってて、美しいハーモニーでした。

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