をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

メッセージ そして、愛が残る (映画)

2010年07月25日 | 映画
(C)Copyright 2008 FIDELITE FILMS - AFTERWARDS PRODUCTION INC - AKKORD FILM PRODUKTION - WILD BUNCH - M6 FILM

映画「メッセージ そして、愛が残る

最初、フランスの恋愛モノかと思って試写に行ったら、とってもスピリチュアルな内容で、「恋愛」ではなく「愛」についてのストーリーでした。

演じるのは、仏映画といえば最近はこの人が必ず出てくるといっていいロマン・デュリスと、名優ジョン・マルコヴィッチががっちり組んで、最初は反目、のちに信頼そして…という関係を演じています。

欧州映画だけに、あることが見えちゃったシーンでもハリウッドのように仰々しくなく、静かーにじわじわときます。

あることが見える、つまりこのストーリーの根幹ですが、死期が近い人がわかる能力を持つ人=メッセンジャーが、その相手がいかに幸せに旅立てるよういろいろ手を尽くすんです。その役柄がマルコヴィッチ。不治の病の人のためにホスピスを経営している医師の役柄です。
彼がデュリス演じる弁護士の元へやってくる。最初は受け入れられない弁護士も、様々な説明できない予兆を見せられ、自分の過去を振り返り、優しくできなかった妻に会いに行くという話です。
(ちょっと予兆が事故や事件が殆どなので、穏かな死も入れないと現実味がないなというのが難点です。)

画像が幻想的で美しいシーンが多いのも印象的でした。妻に会いに行く後半のロケ地、メキシコの白い砂がきれいです。あと綿帽子が飛ぶ中を親子3人が歩いていくようなシーン。


そしてクライマックス、妻と避けてきた話し合いをしたあとの「和解」にはグッときます。

いよいよラスト、エッというどんでん返しが用意されていますから、主人公といっしょに驚いてください。

いつかは来るとはいえ、大事な人とのお別れについて考えさせられる映画です。

監督:ジル・ブルドス
脚本:ジル・ブルドス、ミシェル・スピノザ
製作:オリビエ・デルボス、マルク・ミソニエ
原作:ギヨーム・ミュッソ
製作国:2008年ドイツ・フランス・カナダ合作映画
映倫指定:PG12
2010年9月15日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開

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ビューティフル・アイランズ (映画)

2010年07月19日 | 映画
(c)海南友子

映画「ビューティフル・アイランズ

地球温暖化が言われて久しい昨今、海面上昇で消滅の危機にある南太平洋のツバルと、地域はまったく異なるが、同じ危機に瀕している欧州イタリアのベネチア、米国アラスカのシシマレフの3つの地域を追ったドキュメンタリーである。

監督は海南(かな)友子氏。会場にいらっしゃっていたが、この小柄な女性が極寒のシシマレフにじっくり腰を据えて撮ったタフネスとは信じられないほど。

そして映画はセリフはなく、人々の姿がありのまま撮られ、そこでところどころ語られる言葉を観客が受け取っていく。
ツバルの美しい海、ベネチアのマスカレード(仮面のカーニバル)、シシマレフの雪原など美しい場面が目を見張るが、もちろん合間には過酷な自然災害の様子が映し出される。ツバルの場合などは、満潮時は地中から水は湧き出てくるため、防波堤では防げないと、地元の教師は語る。

少女らの天真爛漫さが、そして島はなくならないと信ずる心が途絶えないよう、私たちが身近なことから始められることがあるのではとおもわずにはいられない映画である。

<ストーリー>
南太平洋に浮かぶ島・ツバル、イタリアのヴェネチア、アラスカのシシマレフ島。絆を育む祭りや、長年受け継がれる伝統工芸、水辺の暮らし、そのすべてが失われようとしている。気候変動、地球の温暖化…海南友子監督は「気候変動で、私たちが一体何を失うのか、を感じる作品を作りたい」という想いを胸に、気候も文化も異なる島で生きる人々の普通の暮らしに焦点を当て、3年がかりで撮影した。

恵比寿ガーデンシネマでロードショー
http://www.kadokawa-gardencinema.jp/yebisu/
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ザ・ウォーカー(映画)

2010年07月17日 | 映画
© 2009 ALCON FILM FUND, LLC

映画「ザ・ウォーカー

デンゼル・ワシントン主演で、久々にゲイリー・オールドマンがエキセントリックな悪役で出ているとなれば見逃せない!と思いつつ、本業の雑誌の締め切りに追われてなかなか映画館に立ち寄れず、やっと昨日観ることができました。

設定は大きな戦争で地上にいた者はすべて閃光の中に消え、その爆発で空との間に穴が開き、紫外線が直接降り注ぎ作物もできないため、殺人を犯して持ち物を奪うことが日常茶飯事で、人肉を喰らう者も少なくない荒廃した近未来の地球という設定。
そこにただひたすら「西へ」と歩き続ける1人の男。

冒頭からチャコールグレーの画面と重低音の音楽にこの監督独自の世界観が伺えます。だって近未来エンタメにしようと思えばできる内容を、あえて乾いたストイックなものにしています。
そして、終末の際、たまたま地下にいたりして生き残った人々を暴力で縛り付けている町長がオールドマン扮するカーネギー。今はもう、字が読める人も少なくなった世界で、ある本を捜し求めている男なのです。

そしてこの街に、デンゼル・ワシントン扮するザ・ウォーカーがやってきます。カーネギーの義理の娘とのやりとりで、この本を西へ運ぶのが彼の使命なのだということが徐々に分かってきます。

もちろんこれを狙うカーネギーとのバトルになるのですが、ゴロツキ相手にウォーカーの強いこと強いこと。居合い抜きですな。しかも彼を撃ってもなかなか当たらないのがスゴイ。敵のサブメンバーも、一瞬「彼は人間か・・・?あるいは・・・」と思う場面があるのです。

キーワードはこの「本」。この本が原因で戦争が起き、すべて焼かれたとされ、人々を支配したいカーネギーはこの「本」には人々が服従する言葉が書かれているから手に入れたいと、執拗に追い求める。つまりこの本は「聖書」だったのです。

最後まで観ると、小説で言う「伝奇ロマン」ものに近いなーという感想です。キリスト教圏の人にはいろいろな伏線や示唆が映画の中で小ネタになって印象に残るんだろうなと思いました。
西にはなにがあったのか、もともと罪深い人たちが押し込められていた場所が、あらたな文明の1歩を刻む場所となるとか。
ザ・ウォーカーがただの人間だとカーネギーに言われるところとか。

<ここからネタバレにつき注意>

しかし、あの聖書のどんでん返しを知ると、ウォーカーの立ち回りは、そうだったのかと思います。
ルトガー・ハウアー主演の作品とかいろいろな作品がありますが、勝新太郎さんの座頭市のハリウッドに与えた影響は大きいんだなと思います。

そしてラスト。ウォーカーについていったカーネギーの娘の凛々しいこと。
映画館で観るのがいい映画だなと思いました。
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ワールドカップな毎日

2010年07月04日 | サッカー
いよいよサッカーワールドカップも大詰め。目が離せません!
準々決勝までくると、スピードやテクニック、激しさなど、トップレベルの違いがよくわかるのがサッカー。日本も「もしやベスト8?」と期待をさせてくれるまでになって感無量。
あと、スイスが序盤善戦したのが嬉しかったですね。スイス・トゥーン村に数日泊まってスイス1部リーグのFCトゥーンを観戦した日々を思い出しました。

只今オランダが快進撃ですが、オランダのサッカー熱も凄かった。
ぜひサッカーに興味を持った方には、W杯だけでなく、海外旅行に行った際には地元のクラブチームの試合を観戦してほしいですね。国や地域によって気軽に買えない場合もあるでしょうが、イタリアではトッティ全盛時のローマ戦が「女・子ども席」(ナント!)という当日券で買えました。

サッカーの試合とコンサートは必ず現地でとるようにしています。運が良ければオフプライスになっていたり、ちょっと良い席だったりします。それになんといっても貴重な思い出は旅の醍醐味ですから。
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