をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

映画 花束みたいな恋をした

2022年11月29日 | 映画
花束みたいな恋をした(映画)

今日は、バリアフリー体験の上映会に行ってきました。
スマホがあれば、日本語字幕、外国語字幕のほか、手話字幕まで見られる体験後、実際の上映会がありました。
寒く雨交じりの中、8割の参加者。

映画は、当代若手人気俳優である菅田将暉と有村架純主演による恋愛もの。
そんな期待しないで見ていました。
特に、有村架純の設定がどうかなー。自宅生であんな終電や友人の家に泊まって、同棲して、親が全然心配しないのはどうなの。
両親が広告代理店勤務だからって、子供への心配は一緒じゃないのかな?
リアルなのは、男親が「今、オリンピックに関わってて」っていうシーン。お縄になっている図が目に浮かびました。
公開時は、現実がこんなことになっているとは思わなかったんでしょうが。

それから、菅田君の父役がいきなり小林薫。名優だからこそ、この部分が浮く。ディレクションがうまくない感じがした

まあ、細部には目をつぶり、端々に出てくる時代を表すワードを拾いながら、編年体で主人公たちと歩んでいくのですが、まあたわいのないのが大半です。ただ、本人たちがもうだめになって思い出の場所で話すシーンは、誰もが経験したことがあるような場面で、身につまされます。
昔の自分たちのような2人が出てきて、振り返るけれど、もう、元に戻れない。

そうなると、最後のシーンは冗長に感じました。冒頭に戻るためなんでしょうが。
ただ、見て損したとは思わなかったのは、菅田・有村の演技が良かったからでしょう。


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サッカーワールドカップ コスタリカ戦

2022年11月27日 | サッカー
負けた~。0対1。
23日のドイツ戦は感動の勝利だっただけに、今回のコスタリカ戦は取っておかねばとか、格下だからとかが裏目に出たのかな。
やはり勝負は分からない。
勝てないと言われた試合に勝て、勝てるだろうとされた試合に負けた。
だから面白いのだが…。
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落語と歌舞伎の競演(さよなら国立劇場)

2022年11月14日 | 歌舞伎
さよなら国立劇場の11月公演は、落語と歌舞伎のコラボレーション!
第1部が春風亭小朝師匠による落語が2席(合間に太神楽あり)と、中村芝翫が座長の歌舞伎「忠臣蔵」という、一粒で2度おいしい構成です。
月曜ですが、しかも歌舞伎座は団十郎襲名披露を行っていますが、こちらもほぼ人は入っていました。

まずは、小朝が一席。でも、歯を直しているのか入れ歯か差し歯にしたのか、どうもさしすせそがきれが悪く、らりるれろが滑って聞こえる。徹子さんなども一時こんなことがありました。
間に太神楽を挟んで2席目。
これは、口が回るようになったのか、話の醍醐味のせいか活舌が良く、聞きごたえがありました。
今回は、歌舞伎・落語とも関わりの深い、中村仲蔵の話がテーマ。落語で仲蔵がどう当たり役をつかんだかを語り、歌舞伎で「忠臣蔵」内のその当たり役の名シーンを観てもらおうという趣向。
よく、国立劇場では歌舞伎鑑賞会を社会人や学生、外国人のために催していますが、その説明部分を普段は歌舞伎役者が行うのですが、落語でやっているような趣向で、これは面白い発想の転換。

ここで休憩。
なんてったって国立劇場ですから、有名な画家の大作がこれでもかと飾ってあります。下手な美術館よりよっぽどよく、ゆっくり見られます。お食事や買い物もいいですね。
来年のカレンダーをちょうど売っていて、歌舞伎の名場面が写真で。国立演芸場の方は先日観た講談の師匠が表紙。え、すごい人なんだと改めて。

さて、休憩から戻ると、小朝だけを見に来た人もいたようで、空席も。目の前が開けてこちらはいいんだけど。
あ、そういえば、枕で「今年、落語界は名人が何人も亡くなって」なんて小三治師匠やら名前を上げていたけれど、圓楽師匠の名は出ませんでした…。

打って変わって歌舞伎の場面。
「忠臣蔵」のお軽と勘平(芝翫)です。
仲蔵が演じた斧定九郎のシーンもあり、イノシシも登場し、勘違いが解けず腹を切り…。
でも後半は話は暗くとも場面は明るく、勘平はコバルトブルーの着物に着替え、お軽も仇っぽい装いです。
最後には四十七士の神崎与五郎ともう一人が出てきて、無事、仇討のためのお金を渡すことができます。

やっぱり年末は忠臣蔵なんだな、という感じがした今日の観劇です。


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神田松鯉師匠の講談に名人芸を知る

2022年11月04日 | 落語・講談・演芸
某寄席(演芸)

いろいろ寄席の形はあれど、定席以外にも、地域や企業、個人が主催して行われるものがある。
毎年恒例の●●●●寄席もその一つ。
落語、講談、漫才、漫談、マジック、音曲など、通常の寄席をコンパクトに楽しませてくれる。
これが年に一度の楽しみの一つ、といえるのも、おおっという演者の本物の芸が身近に聞ける見られるからだ。
ここのところはコロナ禍で、少人数、人数制限アリで、当時トリを取った小游三師匠に「私だったら来ませんねえ」と言われる状況でした。
でも、今回は少し改善して100名までとなったようです。

さて、今年のトリは講談の神田松鯉師匠。最近では伯山の師匠として知られるが、傘寿を迎え、その記念で9月には歌舞伎座で伯山と講談を披露するなど、まだまだ現役。
この寄席もトリが落語ではなく講談というのも、やはり講談ブームなんでしょうかね。

トリの話をする前に、まずは最初から。
前座は神田鯉花さん。最近は他の寄席でも前座が女性落語家というのが珍しくなくなりましたね。
この方は、講談師。演目は「狼退治」で、犬の鳴き声と狼の鳴き声を使い分けて拍手をもらっていました。
女性講談師にしても落語家にしても、たまーにキンキン声の人がいて聞きづらい。自分が発している声と聴かれている声にギャップがあることもあるので、録音してみるといいですな。

お次は、二つ目の春風亭かけ橋さん。
コロナ禍真っ盛りでガラガラだった2年前もこの高座に上がったそうですが、ちょっと演目を覚えていません。
まずは枕が出身地の横浜ネタで、かけ橋の名前の由来を説明。
続けて横浜国立大学出身…ではないんですと笑いを取りに。「ほお、さい(せい)ですか」、と答えたいところ。
そして演目「黄金の大黒」へ。
まだ、ストーリーを語っているという感じでした。

そして仲入り前は落語の大御所・三笑亭夢太郎師匠。
まず、枕で三遊亭圓楽(楽太郎)師匠との思い出を、艶笑騒動をネタにおもしろおかしく話してくれました。
当方も昨年、圓楽(楽太郎)師匠が最初の闘病復帰直後、職場のイベントで講演されるのを聞きましたが、ずっと立って動きながら講演されたので、復活されるとばかり思っていました。それが、再度倒れられて車いすに座られて。でも国立演芸場で話されたので、まさかすぐお亡くなりになるとはと衝撃を受けたことが思い出されました。

本編は「死神」。落語としてだけでなく、よくショートショート的な小説のオチでもよく聞いたようなことがある話ですが、話し方がやはり違うのですね。声色や呼吸というか。一人で話すのですが、対話や複数人での会話しているのが違和感なく聞こえてきて、強弱や声色で、その人物や異形のものがリアルに頭に浮かんでくるというか。
布団の四隅を持って180度方向を変えるなんていう情景を、下手な人だと単なる解説・説明になってしまいます。
やっぱり聞き手の頭に情景が素直に浮かぶというのが、また、さらに笑わせるというのが、名人ならではと思います。

大爆笑の後、少々ここで休み時間。
ちなみに、お囃子も生演奏で、森本規子社中が奏でます。

中入り後は漫才。この枠が毎年、ふり幅がある。例えば、ねずっちの年は熱演で大爆笑、ザ・ニュースペーパーのうち2人が出た年は、時事ネタ以外の体を使った芸が意外なことに面白く、大爆笑で涙が出るほどだった。半面、ナイツは前半ファミリー向きでないネタで、後半に野球ネタになってホッとしたという記憶がある。
知名度があっても、場にそぐわないとなかなか厳しいのである。
今回は宮田陽・昇が登場。
陽が金髪で赤と青の縞柄の派手ないでたちで奇抜なことを言い、昇が受けるという形。
でも、陽さんはプロフィールを見ると結構年配と分かり、苦節ウン年、受賞歴も並び、花開いたというところか。
内容は、地名ネタや出身地ネタでボケて笑わせる。大汗をかいての熱演。

さて、最後のトリはいよいよ神田松鯉師匠だ。
枕で述べたが、80を越えというからすごい。その中で、役者などいろいろな仕事を経て、講談師になられたそう。でも天職ですね。
さて、歌舞伎がお好きということで、歌舞伎にちなんだお話をと始まった。
やっぱり声の張り、深さが違う。
おまけに、中村歌右衛門、中村勘三郎など、もちろん今の時代ではないけれどお馴染みの役者の名が出てきて、こちらも歌舞伎好きなので大変楽しめた。江戸っ子ならではの、義理人情の話で、歌舞伎見物の江戸っ子たちも巻き込んで、為政者の横暴に対しギャフンと言わせる話のつくりも粋で聞き入ってしまった。
最後に師匠が「男の花道」と、きちんと題を言ってくれたので忘れることはないでしょう。
ホント、どんないい人が出ていても、なかなかこのレベルの話芸は聞くことができません。至高の芸だったと思います。
帰り道中、感動に包まれて帰りました。
ありがとう!





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