をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

オレ流落合選手VS組織力の落合監督

2007年12月31日 | TV
先ほど、NHKBS-1で「最強チームはこうして生まれた!~落合監督が語る 日本一への道~」が終わった。中日ドラゴンズ落合博満監督と日ハムの新監督梨田昌孝監督と、元中日の与田剛さんが鼎談のスタイル。

見終わって一言。凄く面白かった! 選手時代は「個」=オレ流であった落合監督が、「集団」=組織力のある今の中日を作れたのか、現役時代を見てきた者にとってはそのギャップが不思議かつ知りたいところ。

今回の話で思ったのが、時代も合ったのだと思う。現代の若い選手は物質的かつ情報的には豊かだが、たくさんの情報の中で何が自分に必要なのかわかりにくい状態なのだと思う。そこへ白黒はっきりしている監督がきて、目に見える形で1軍と2軍行きの条件を見られ、その意味ではわかりやすかったのだと思う。
とにかくプロは甘い世界じゃない、能書きやマニュアルより、練習で体をつくることというシンプルなものなんだというのが浸透したんじゃないかな…昔は当たり前だったことですが。

とにかく、会社など組織の中でもいえるような事が多く勉強にもなった。
落合監督の選手を見る目については、中村(紀)の話が面白かった。
中でもデーゲームに弱い中日のために、早朝、監督は主力選手に早朝ノックをした。これは捕れるか捕れないかではなく、朝、体を目覚めさせることにより、デーゲームに少しでも体を慣れさせるための練習なのだという。それを選手たちもわかっていてくらいついていく。もちろんナイター明けなので捕れないが、そのことについては監督は目的が違うので怒らないのだという。

それが、中村(紀)にもノックしたら、全然あきらめてしまうのだという。そのとき「あ、こいつはこのノックの意味をわかっていないな」と思ったという。
大局的にみるトップとそれを理解する部下がいてこそ勝利はつかめる。その後、落合監督は中村(紀)に1時間説教をし、そこから彼は変わっていったのだという。

今2軍に落ちている山本昌投手も、あと7勝で200勝なのだが、「あと7勝なのだから、自分ではいあがってもぎとればいい」と語った。温情で1軍に上がって200勝獲っても、勝利の味が違ってきてしまうだろう。本当の優しさとは目先ではなく、大局で見ることなのだと思う。

思えば、落合も星野仙一監督との出会いが大きかったのではと推測される。
今回インタビュアー的だった与田も、中日時代エース投手として星野監督のもとで育てられた1人だ。
そんな星野仙一監督も、いまでこそオリンピック日本代表監督の仙ちゃんだが、中日の投手時代は、打倒巨人で「燃える男」と呼ばれ、アウトロー的イメージが強い人だった。それがとても今いい形で人生を歩んできている。

やっぱり人は一人では生きていけない。個のイメージが強かった落合だが、「4球団を渡り歩いたけれど、喧嘩別れをしたことは1度もない。狭い業界ですから、いつお世話になるかもしれないのだから立つ鳥あとを濁さずです。」「監督は自分のためにじゃなく、選手70人のために働かなくては。だから、やってくださいといわれれば続けるし、辞めてくださいといわれればスッとひく」というようなことを言っていた。意外にも思える謙虚な発言に、上に立つ人となった落合の冷静さを見たような気がした。
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貫地谷しほり 「ちりとてちん」

2007年11月26日 | TV
以前、「風林火山」にでていた“貫地谷しほり”の演技がよいと書いたことがあったが、今「ちりとてちん」に主演して、これまた好演技を見せている。

当初こそ、ストーリーがちょっと暗いというかダルいため割を食っていたが、大阪へ出て落語家がらみの話しになったら俄然、彼女の持ち味が生きてきた。
友人いわく、今までは悲しげな役(「氷点」とか)のイメージが強かったが、こういう明るくおとぼけな役がとてもいいと言っていた。
合間に見せる涙のシーンがまた上手だなと思う。
応援したい役者の一人だ。

ちなみに脇役で滅多に出ないけど、ライバルの落語家役で「ライオン丸」の波岡一起も出ていて、この人も芸達者で応援しているので、朝ドラが楽しみだ。

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醜さはどこにあるか~先週の風林火山「非情の掟」 ~

2007年07月01日 | TV
先週は台湾に行っていたので、1週遅れで「風林火山」を見ました。

今週は「誰が武田を継ぐか」という話題で持ちきり。信玄の妹と諏訪城主との間にできた寅王丸は出家させられ、正室三条夫人の子・太郎と、由布姫の子・四郎との争いになるのは誰の目にも明らかなのに…。
以前の大河で中井貴一が信玄を演じたときの三条夫人はとてもキツイ性格で信玄と不仲に描かれていたが、今回は優しそうだし、アツアツなのでどうなるのかな?と思っていたら、こういう形で黒雲が出てきたのかという感じ。

さて、この週は、出家をさせられる寅王丸の預け先、駿河の今川義元邸での場面が見どころでしたな。今川義元谷原章介)は勘助の醜さを蔑んでいるのだが、知恵者の雪斎と母とのやり取りから、しぶしぶ承諾するくだり。「「信玄のために」ということを隠れ蓑に自分の詭弁を正当化している。それがお前の醜さなのだ」というような捨て台詞をはいて、義元は去る。
これは、ある意味芯をついている。
良く言えば策だが、悪く言えば誠実なやり方ではない。まして、もともと勘助を生理的に嫌っている。義元は知らないが、由布姫のためというのもうっすらある。
現実でも、王道にかなわないやり方をする者に対し、上に立つものは、そういう策があるにせよ、部下のやり方を良しとしないだろう。反対に、王を支える軍師は、なるほどとひざを打ったりするのだが。
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千葉ちゃん役者だねー、風林火山「三国激突」

2007年06月03日 | TV
風林火山三国激突」 、今日は久々に知略や大将の器を描いた内容で見ごたえがあった。

先週までは正妻さんと側室さんのせめぎあいで、エッセンスとして入るのはいいのだけど、1話45分間全部だと見ていて結構ツライものがあった。
昔、同じNHKで人形劇でありながら「三国志」ブームを巻き起こした「人形劇 三国志」がなぜ人気があったのかをスタッフは思い出してもらいたい。やはり、群雄たちが織り成す知略、謀略の数々に醍醐味があったのだと思う。もちろん、絶世の美女や寵妃がキーポイントになることはあるけれど、それが伏線の場面で使われるからこそ、大所の場面で生きてくるのだ。

さて、本日の見どころは、山本勘助内野聖陽)と今川方の軍師・雪斎伊武雅刀)との知略合戦だ。結局は雪斎の掌で転がされていた・・・ということで、主役だが勘助をスーパーマン的には描かず、上には上がいるのだなと思うと同時に、素知らぬ顔で全てを動かした雪斎という人物を静かで最小の演技で表現して見せた伊武サンにも拍手を送りたい。(デスラー総統やYMOとコラボしていたときは大げさ演技が魅力でしたが、サスガ。)
そして、のちの武田信玄こと晴信(市川亀治郎)はそれを知っていながら、その策に乗じたというところで将の大きさを見せるという二重構造。
さらに今回は知が働く系の小山田田辺誠一)が策したつもりが雪斎の筋書きの一つにされていたということで、呆然という場面も。人の上に立つべき人の「器」とは何かというものを考えさせられました。

さて、今週は久々に千葉ちゃんこと千葉真一の見せ場が随所にあって、場面が引き締まりました。
まずは勘助と姫との仲を問いただす場面。
そして、北条氏の館へ出向く場面では、ムチを口にくわえたままで馬を駆る、往時を髣髴とさせるシーン!(もちろんスタント無し)。うーん、静・動両方いいですなー。
「よーし、わかった!」の加藤武さんやゴリさんこと竜雷太さんは今回お休み。次号を待て。
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風林火山 ちょっと中だるみ

2007年04月30日 | TV
昨日の「風林火山」、ちょっとトーンダウン。
自分の面白さのバロメーターとして、何かをしながら見るようになったら、それはつまらなくなってきたと言うことである。

なにがいけないのかなー、と思うと、やはり由布姫役の女優(柴本幸)だろう。山本勘助の人生だけでなく、武田家の命運をも狂わすファムファタルなのに演技が1本調子で・・・。それに、お父さん譲りなのか鼻の穴がでかく、しかもアップで下から撮るのも本人のせいではないとはいえ、残念。
どちらかというと、みつの役の女優(貫地谷しほり)と逆の配役の方がよかったように思う。親の七光り(柴俊夫と真野響子)と言われぬよう、次回以降の芝居に期待する。
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