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ナイトメア・アリー(映画)

2022年02月23日 | 映画


「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞受賞のギレルモ・デル・トロ監督が、受賞後初の作品。

 移動遊園地やサーカスなどを行う一角の見世物小屋を舞台に、暗い過去を背負った主人公の男性が拾われ、その中で本来マジックである読唇術を修得したことでそこを抜け出し華やかな上流社会のショービズへ抜け出すのだが、さらに上を目指すため、やってはいけないと言われた禁断の「幽霊ショー」(ホントなら霊視もしくは降霊術と字幕に書いてくれた方が違和感なかったのだが・・・)を行ったため、奈落へ落ちる話。

 移動遊園地や移送サーカスなどが米映画の主題や背景に描かれることが多いが、その一角にある見世物小屋がストーリーの舞台。日本人にとってはこの手のおどろおどろしさやいかがわしさは、理解できるところだろう。
最下層に置かれた獣人(ギーク)が出てきて、ストーリーのバックボーンとなる。
そして、主人公の前に3人の女性が現れ、運命が変転していく。

後半は一転して、上流階級を相手にした高級ホテルでのショーに舞台が変わる。ケイト・ブランシェットの演じる謎の女性が登場。相当な凄みがあってかつスタイリッシュな美しさに目を奪われる。
主人公も見た目や衣服は一流に変化しているが、心は…?

欲を言えば、ケイト・ブランシェットの演じる心理学者にもう一つ因縁話があれば、もっと面白いものになっただろうにとも思う。
とはいえ、ブラッドリー・クーパー、ブランシェット、トニ・コレット、ウィレム・デフォーの演技や凄みは見てよかったと思わせるもの。そして舞台美術も小物も清濁とも素晴らしく雰囲気を盛り上げる。
最後、主人公は自分の運命を悟っていたんだろうなと思わせる顔。最後まで悪人になりきれない男の悲哀は、「ワンスアポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のラストシーンが思い起こされた。シチュエーションは全然違うのだが。



「ナイトメア・アリー」
2022年3月25日公開
ショービジネス界の華やかな光と甘美な闇が誘う、華麗なる迷宮
ギレルモ・デル・トロ × オールスターキャストが贈る、サスペンス・スリラー超大作
第94回アカデミー賞で、作品賞・撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞の4部門にノミネート
https://searchlightpictures.jp/movie/nightmare_alley.html
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