をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

第79回アカデミー賞決定!

2007年02月26日 | 映画
第79回アカデミー賞が決まりましたね!
結果は
作品賞『ディパーテッド
監督賞 マーティン・スコセッシ
主演男優賞 フォレスト・ウィテカー
主演女優賞 ヘレン・ミレン
助演女優賞 ジェニファー・ハドソン
助演男優賞 アラン・アーキン
でした。

でも日本での話題は「バベル」の菊池凛子さん(写真)で決まり!
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ボビー

2007年02月25日 | 映画
ボビー

ボビーというのはロバート・ケネディのニックネーム。
だからてっきり伝記映画なのかと思ったら、彼が暗殺されたアンバサダーホテルに当日いた人々の1日を描いた群集劇なのだ。

そういう意味では「マグノリア」や「クラッシュ」形式と思ってくれればよい。
俳優たくさん出てます。アンソニー・ホプキンスローレンス・フィッシュバーンデミ・ムーアマーティン・シーンクリスチャン・スレーター・・・。
中でも、シャロン・ストーンが美容室のマダム役で出ているのだが、最初は老けてて誰かわかんないくらい、中高年女性の疲れがでていて、それでいて人情派の演技で上手い。

ただ、感動するとか言われ、オスカーも獲った「マグ―」や「クラ―」といった群集劇、私にはいまいち薄味にしか思えなかったんだよね。
さて、今回の「ボビー」はどうか?自分の目で確かめてみてね。

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それでも生きる子供たちへ

2007年02月11日 | 映画
(C)2005 MK FILM PRODUCTIONS Srl RAI CINEMA SpA

映画「それでも生きる子供たちへ

 本日、イタリア大使館主催で「それでも生きる子供たちへ」の試写会を観に、イタリア文化会館へ行ってきた。

 このタイトルのとおり、世界7カ国において、過酷な現実の中で生きる子供たちの姿を、「エイリアン」のリドリー・スコット監督、「マルコムX」のスパイク・リー監督、「狼たちの挽歌」のジョン・ウー監督ら7人の監督が、7つの物語として描いていく。
 したがってドキュメントではないのだが、ストーリテラーの監督たちの凝縮された1話20分の中の子どもたちの行動は胸に迫るし、逆に現実はもっと悲惨で過酷だろうと想像させられてしまう。
 
そこに出てくるのはすべて小学生低・中学年くらいの子どもなのだが、戦争・貧困・エイズ・いじめ・差別・親のエゴなどの問題を背負い込んでいて、これらの過酷な現実が「実際に」今世界で起こっているということなのだ。

1話目は「タンザ」メディ・カレフ監督 アフリカ
民兵にさせられた子どもたちの話だ。本当は子どもらしく遊びや学校に惹かれる姿と、銃を手に理由もわからず殺し殺される姿のギャップが酷い。「はじめは11人いたけど今は僕とあいつだけ。だから君たちのような子を入れるんだ」という言葉に愕然とする。

2話目は「ブルー・ジプシー」E・クストリッツァ監督 セルビア・モンテネグロ
犯罪者の子どもの話で、少年院から出所しても、親からの暴力(ウイスキー瓶を頭に叩きつけられる)や、親が犯罪を強要するなどし、また舞い戻ってしまう。出所したら床屋になりたいと思うのに、犯罪の連鎖を断ち切れない子ども。
「少年院の中の方が安全だ」と彼らに思わせてしまう原因が垣間見える。

3話目は「アメリカのイエスの子ら」スパイク・リー監督 アメリカ
生まれながらにしてエイズの子どもの直面する胸が引き裂かれるようないじめや、薬中毒者の親。親にしてもイラク戦争のトラウマを抱えた帰還兵という問題も描かれる。救いなのは、親がきちんと子どもを愛していて、子どものいじめを知った時に、同じ境遇の人に対してのカウンセリングに連れて行くシーンがあることだろう。

4話目は「ビルーとジョアン」カティア・ルンド監督 ブラジル
貧民街に住む兄妹が1日かけて市場の手伝いをしたり、ゴミ拾いをしたりしながら、やっと換金するとあれやこれや引かれて、大したお金はもらえない。それでも毎日を生きていく生命力を感じさせる映像だ。

5話目「ジョナサン」ジョーダン&リドリー・スコット監督 イギリス
戦争犠牲の子どもたちを描いた作品だ。トラウマに悩みパニック障害を起こしている戦場カメラマンが、森の奥で死んだ友人たちに出会い、子どもに還り、戦地をめぐって自分のしている報道の意義を思い出すという、少し幻想的な映像だ。

6話目「チロ」ステファノ・ヴィルネッソ監督 イタリア
南イタリアのスリの子らの話。有名なイタリアの子どもによる窃盗がどういう環境から起きているかわかるし、本当は遊園地や綿菓子を好む普通の子どもなのだということもわかる。

7話目「桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)」ジョン・ウー監督 中国
富裕層の娘と貧民層の娘をめぐり、何が幸せと言えるのか問う作品。恵まれていても親の不和の渦中にいる娘と、ゴミ拾いだが質実に生きるお爺さんに拾われた捨て子の物語で、子どもたちの熱演もさることながら、大人の責任をひどく痛感させられる。


大使館員の方の解説では、この映画の売り上げがユネスコや国連世界食糧計画に寄付されるとのこと。
一朝一夕ではこれらの問題は解決しないだろうし、誰かが助かっても他の子どもが同じ境遇になるのかもしれない。それでも、これを読んで、今年の夏に思い出して映画館に足を運んでくれる人がいて、あの子ら、あるいはその人の子らのためになるのであれば、物書きとして少しは役に立っているのかなと思うのである。

2007年初夏 シネマライズにてロードショー
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元米副大統領アル・ゴア氏に接近遭遇「不都合な真実」

2007年02月09日 | 映画

元米副大統領アル・ゴア氏が来日し、環境問題を扱った「不都合な真実」という映画のために記者会見があった1月某日、行ってきた。

アメリカの元副大統領アル・ゴア氏のドキュメンタリー、と聞くと、政治的がらみの映画ではと勘繰ってしまうが、本作に関してはそのにおいは無い。世界中で温暖化による数々の異変、被害、そしてこれから起こりうるであろう恐るべき出来事を、同地点観測や科学的に分析したデータを通して、ゴア氏が講演している姿を追ったドキュメンタリーである。
 地球温暖化対策のシンボル的「京都議定書」会議議長国である日本の住民だが、「切実に考えていなかった」「身近なことから対策をはじめたい」などと思ってしまうだろう。それほど、この映画は、普段は漠然としてあまり感じない環境問題を、地球と人類にとって「今、そこにある危機」なのだと映像をもって印象づけるのに一役買っている。

 何と言っても、キリマンジャロの1970年と2000年のスライド映像の対比は衝撃的だ。あのヘミングウェイの小説のタイトルで有名な「キリマンジャロの雪」が殆ど消滅しているのだ。各都市では異常気象が起こり、津波や洪水が多発、嵐や竜巻は巨大化し、普段起こらないところにも起きた。これは、昨年を振り返っても各地で起こった気象災害としてニュース映像を思い起こすことができる。日本でも尊い人命を奪った北海道の竜巻が記憶に新しい。
 映画の中では次のような予測もしている。いずれ北極の氷が急に溶けて6m海面上昇した場合、フロリダが水没し、世界貿易センターの跡地も水底へ沈み、上海で4000万人の被害、カルカッタでは6000万人の被害という。アジアの近い地域がこれだけの被害ということは、日本は・・・まさか・・・と、考えてしまう。
 そうならないために、身近で簡単にできることも、この映画の中でで提唱している。

例えば、

1.白熱電球を電球型蛍光灯 (CFL) に交換する
CFLは従来の電球に比べてエネルギー消費を60%低減する。

2..ボイラーやエアコンのフィルターを清掃・交換する
空気フィルターを掃除するだけで、年間約約160㎏の二酸化炭素を削減できる。

3.乾燥機の代わりになるべく物干し台を使う
1年の半分は洗濯物を空気乾燥させるようにすれば、約320㎏ の二酸化炭素を削減できる。

4.使っていない電気製品のスイッチを切る
使っていないTV、DVDプレーヤー、パソコンのスイッチを切るだけで、二酸化炭素を削減できる。

5.家屋の気密性を高める
壁や天井に断熱処理を施すと、暖房費を25%抑え、年間約910㎏の二酸化炭素を削減できる。

6.家庭でのリサイクルを心掛ける
家庭で発生するゴミの半分をリサイクルすれば、年間約1,100㎏ の二酸化炭素を削減できる。

7.再生紙利用商品を購入する
再生紙は製造にかかるエネルギーが70%~90%少なく、世界各地での森林の消失を防ぐ。

8.木を植える
一本の木は生涯で1tの二酸化炭素を吸収する。また木陰は空調費を10%から15%抑えてくれる。

9.過剰包装商品を購入しない
ゴミを10%減らすと、約540キログラム の二酸化炭素を削減できる。

10.徒歩や自転車、公共交通機関の利用などでマイカーの走行距離を減らす
毎週の走行距離数を約16km減らすだけで、二酸化炭素の排出量は年間230㎏ 減少する。 

・・・などなど、まだまだあるが、現在、米の批評家賞を数々受賞し、アカデミー賞も2部門でノミネートの本作を、自分の目で確かめるといいだろう。

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