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J.エドガー(映画)

2012年02月04日 | 映画
(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC

映画「J.エドガー」

アメリカ初代FBI長官のフーバー長官といえば、よくアメリカの実録モノの映画に脇役や背景として出てきますが、主役というのは初めて。そういえばどんな人かはあまり知られていなかったなー。
イーストウッド監督、ディカプリオ主演で描かれたということで、期待して行ってきました。

数々の事件に辣腕を振るい、時には政権をも脅かす…というのを期待していましたが、どちらかというと、長官の知られざる性癖というか、両刀遣いであったという隠された事実と、男性の愛人との出会いから晩年まで日常の様子、しかもマザコンという話がメインで、ちょっと思っていたのと違いましたな。
もちろんその合間に、FBI設立、アメリカ史に残るリンドバーグの息子が誘拐された事件や、コミュニストの国外追放、ギャングとの闘い、ケネディ大統領暗殺、ニクソン大統領就任などが挟み込まれます。ただ、こっちがメインだと思うと面食らうでしょう。

でも、若かった頃のフーバーの求婚を袖にして、「私は仕事が伴侶」と言って一生秘書を務めた「ミス・ガンディ」はすごい! 彼女がいなかったらこの組織は成り立っていただろうか、J.エドガーは長官になっていただろうかと思わせます。なんだか、「名探偵ポワロ」のミス.レモンを彷彿とさせます。

あと、副長官で愛人だったクライド・トルソン役のアーミー・ハマーは役に合っていました。初めて2人が会うシーンで、一際美男子で、上流階級で金持ちの息子という風情が良く出ています。仕立て屋のシーンでも、おいもちゃんで疎いJ.エドガーのスタイリストとしていろいろ指南し、店の支配人がエドガーは信用していないが、トルソンには下へも置かない扱いをしているところもどういう出かよく分かります。

しかし、大統領の男女のスキャンダルより、この男性2人の方が当時なればこそもっとスキャンダルだったのでは?誰も気づかなかったのか、秘密を徹底していたのか…?
それにしても、男同士の痴話喧嘩はバイオレンスですごいもんだというのがよく分かった映画でした。

監督:クリント・イーストウッド
脚本:ダスティン・ランス・ブラック 「ミルク」アカデミー脚本賞受賞
キャスト:レオナルド・ディカプリオ ナオミ・ワッツ アーミー・ハマー ジョシュ・ルーカス ジュディ・デンチ
URL  www.j-edgar.jp
     www.facebook.com/jedgarjp

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