をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

怒涛の6月

2008年06月28日 | 編集夜話
今月は雑誌製作の大詰めと、異動で一緒に編集作業をしていた人たちが地方へ去ったり、外へ出られたりして怒涛のような1ヵ月でした。
送別会貧乏にも陥り、体力・気力とあわせてへとへとです。

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次郎長三国志 (映画)

2008年06月22日 | 映画
次郎長三国志」(映画)

「しみ~ず~み~なとのめい~ぶ~つ~は~」という、粋な歌声が流れてくると、「あ! 次郎長だ」とわかるこの唄で始まる「次郎長三国志」。

日本映画で時代劇全盛の頃、この物語もマキノ雅弘監督によって撮られたのだとか。残念ながら、世代的にそれは見たことがないのですが、TV版は東京12チャンのお正月12時間ドラマで2回ほど見たことがあります。そのときの主演は高橋英樹。豪快ですがすがしいスカッとした次郎長を演じており、また、ライバル役の黒駒の勝蔵役の山城新伍が憎憎しく最期は幕末という時代に翻弄される哀れな姿も描かれており、娯楽や痛快、そして史実もからめ盛りだくさんで面白かった覚えがあります。

さて、今回は、監督はマキノ雅彦。ご存知の方も多いでしょうが津川雅彦さんですね。富士山と茶畑をバックに清水一家が歩いてくるオープニングは、やはり映画は映画館で観たいなーと思わせてくれますね。
次郎長役には中井貴一。観る前は中井貴一は柳沢吉保みたいな冷静な男は合っているけど、次郎長役はどうかな?と思っていましたが、若き頃から描いているので意外と違和感なしでした。
恋女房お蝶は鈴木京香。逆に若い頃はとても違和感があり…。でも、おかみさんになってからはよかったですね。

かわいい子分といって筆頭は森の石松ですが、今回は小政にスポットを当てているようです。演じるのは北村一輝。この人は何年か前のNHKドラマで、とても心が寂しいゆえに嫌な役どころを感情を上手にとらえて演じており、いい役者だなと思っていたら、しばらく間をおいて最近は色々な媒体に出るようになりました。

あと大野の鶴吉役の木下ほうかは拾いもんです。この人、「仮面ライダーキバ」に80年代の喫茶店のマスター役で出ていて、このときはメガネをかけアロハで軽妙な演技をするので気になって調べたら、木下さんという役者だったのです。そしたら、今回はメガネをとっていましたが、おいしい役ででています。脇で見せながらでしゃばらない演技が上手ですね。

その他、笹野高史岸部一徳温水近藤芳正など芸達者が並びますから観ていて飽きないですね。

黒駒の勝蔵は佐藤浩市ですが、そんなに出てきません。この対決よりも三馬政との対決がメイン。でもこの役の竹内力がひと頃の本田博太郎のような演技であまり合わず浮いていました。ああいう演技は小柄な本田さんから滲み出るものがあり、悪人の中でも卑劣に見えるから良いのであって、竹内力の今回の演技だと大味で単なるお馬鹿さんにしか見えないのがツライ。多分あれではモテないだろうし。逆に冷徹で寡黙な男に設定した方が良かったのではと思います。

ま、なにはともあれ、眉間にしわ寄せて観る芸術作品とは違い、気軽にぶらりと映画館に立ち寄って、小一時間楽しく過ごして家路に着く、こういう王道の娯楽作品っていうのは必要ですよね。映画本来の楽しさを思いださせてくれる1本です。

9月より角川シネマ新宿、シネカノン有楽町2丁目などでロードショー
http://www.jirocho-movie.jp/


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映画が好きな人寄っといで! 東京国際映画祭ボランティア募集

2008年06月09日 | 映画
毎年多くのボランティアに支えられてきた東京国際映画祭
今年も一緒にTIFFを盛り上げてくれるボランティアを大募集するそうです。
まずは、下記の募集概要をよく読んで説明会にエントリーしよう!

http://www.tiff-jp.net/ja/tiff/tiffcrew_outline.html


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クライマーズ・ハイ (映画)

2008年06月08日 | 映画
(C) 2008「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ

映画「クライマーズ・ハイ

1985年8月12日の日航ジャンボ機事故を、当時、上毛新聞で記者をしていた横山秀雄がその取材や社内の体験をもとにのちに書き上げ、ベストセラーとなったのがこの「クライマーズ・ハイ」。横山原作の小説というと「半落ち」が有名だが、「クライマーズ・ハイ」の方が骨太で、圧倒的な迫力の点では分があるように思う。実際、この作品は直木賞が満場一致で決まっているはずだったという(本人がそれ以前に辞退発言があったとか)ほど。

本作以前に、NHKで佐藤浩市主演でドラマ化されたので記憶にある方もいるかもしれない。今回はその取材全権を任された主人公を堤真一が演じる。
日航機墜落事故が群馬県御巣鷹山で起きたときの地元新聞社の記者たちの姿を軸に、新聞社内の現場部隊と内部上役との思惑の違い、悲惨な現場を見た記者のメンタル不調、記者と広告・販売の対立、社主のセクハラ・パワハラ、地元政治家への気兼ね、中央の新聞の引き抜きなど、一般にはなかなか知られない組織の問題が見えてくる。一般から見ると、そんなことをやってる場合じゃないだろう! と言いたくなる様なもどかしい気持ちにさせられる。
サブストーリーとして販売部にいる登山仲間(高島政宏)が出てきて、尻拭い的な過重労働の末に倒れて登山の約束が果たせなかった…という話が挿入される。

色々な苦難を経て、事故原因をスクープした主人公は、ダブルチェック(裏をきちんととる)ことができるか、県警付きの記者の電話を待つ。

ラスト近く、県警付きの記者を演じた堺雅人が読み上げる遺書には、どんな報道もかなわない夫から妻へ、父から子へのメッセージが込められており、胸を衝く。と同時に、これを伝えていかなければ何を伝えるんだというメッセージが伝わってくる。

配役も、堤・堺・高島をはじめ骨太な面々が集まった。遠藤憲一が年がちょい上の上司で、主人公とぶつかりながらも、信条が同じであればGOサインを出すいい役所を上手く演じている。TV版では岸部一徳だったので、年の差が違和感があったが、今回はこの2人の微妙な上司と部下の関係が出たように思う。
また、でんでんも、昼行灯ぽいがここぞで強いおやっさん的演技で存在感アリだ。
山崎努だけがちょっと芝居のスタイルが伊丹監督作品のようで浮いていたが、その他の役者さん全てが迫力があり、あっという間に時間が過ぎた。

なんといっても、日本映画はアイドルや漫画原作に頼らずともしっかりしたものを撮れるんだ、ということを証明してくれた作品がでてきてくれたことがとても嬉しい。

監督/原田眞人
原作/横山秀夫(文春文庫刊)
出演/堤真一、堺雅人、尾野真千子、嶋政宏、山努
7月5日(土) 丸の内TOEL・1他、全国ロードショー【2008/2時間25分】
URL http://climbershigh.gyao.jp/
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イースタン・プロミス (映画)

2008年06月01日 | 映画
        (C)2007 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

映画「イースタン・プロミス

ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続いて、クローネンバーグ監督と主演ヴィゴ・モーテンセンが再び組んでつくりあげた映画と聞いて、是非観たいと思い行ってきました。

怪物やSF的な怖さ不思議さの中に、異形の愛を描いていたクローネンバーグでしたが、最近は生身の人間で充分表現できるということがわかったのか、その範疇で描くようになってきました。

一方、今回のヴィゴはビシッと寡黙に決めてます。ラストまでハードボイルドだー。役どころはロシアのマフィアの役。普段はボスや幹部の運転手、指令されれば掃除人に。いつも怖いくらいに沈着冷静に物事に対処していくので、いつしかボスに一目置かれるように。
ボスは「ゴッドファーザー」や「レオン」などのイタリアン・マフィアの映画と同じで表向きは料理店の店主なのですが、出来の悪い息子がいて問題を起こしているのです。

この闇とは対照的に、ナオミ・ワッツ演じる助産師が日常生活を送る陽の世界があって、それは交わることがないはずだったのに、ある日母子ともに危険な状態の妊婦が病院に運び込まれたことから、2人の運命は引き寄せられていくのです。

この妊婦の母は死に、子は生を得るのですが、母の遺品である日記にはロシア語である秘密が書き込まれており…。

ともかく、クールな場面や緊迫する場面があって、さらに、たった1度、一瞬ですがふたりの心の通い合いなど、大人の映画です。
あと、ヴィゴが刺客に襲われるシーンは全裸でアクションに臨んでいます。でも切迫したシーンなのでどころじゃないですね。
随所に「あなたはどういう人なの」と尋ねられる「水戸黄門のセリフ」状態のシーンが出てきます。
前回の「ヒストリー・オブ・バイオレンス」は善良な市民、実は凄いワルでした。さて、今回もまた、何かある主人公なんでしょうか…。


出演:ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル
監督:デヴィッド・クローネンバーグ 脚本:スティーヴ・ナイト
音楽:ハワード・ショア
原題:EASTERN PROMISES/2007年/英・加/英語・ロシア語/1:1.85/35mm/カラー/100分/ドルビーSRD/字幕翻訳:石田泰子/R-18
後援:カナダ大使館 配給:日活 www.easternpromise.jp

6月14日(土)よりシャンテ シネ、シネ・リーブルにてロードショー

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以下は当映画のスポンサーさんからのお知らせです。

『イースタン・プロミス』公開記念
総額100万円相当 豪華プレゼントキャンペーン

★応募は『イースタン・プロミス』公式HP www.easternpromise.jp、モバイルサイト、劇場設置の応募はがきから
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☆特賞――1名様
1833年創設のスイス高級時計ブランド ジャガー・ルクルト。劇中でヴィゴ・モーテンセン演じるニコライが着用していたものと同じモデル「マスター・コントロール」
提供:ジャガー・ルクルト www.jaeger-lecoultre.com

☆A賞――10名様
ロシアン・マフィアのIDであるタトゥーをあしらったコラボレートTシャツ
*サイズはお選びいただけません
提供:LOST CONTROL www.lostcontrol.jp

☆B賞――100名様(商品6本セット)
プレミアムウォッカ"スミノフ"をベースとした世界No.1RTDスミノフアイスシリーズ。大人気のスミノフアイスのほか、ブラック、ドライ、スパイスの3つのフレーバーを展開中
*種類はお選びいただけません。
*20歳以下の方はご応募いただけません
提供:サッポロビール

*応募は9月末日締切
*当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます
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とのことです。(上記のキャンペーンについて、当サイトは一切の責任を負いません。スポンサーサイトをよくお読みの上、同意の上応募して下さい。)


 
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