をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

光る君へ(ドラマ)

2024年02月12日 | ドラマ
ドラマ「光る君へ

2024年の大河ドラマは紫式部が主人公の「光る君へ」。
これがすこぶる面白い。

子供のころからの主人公と、のちの権力者・道長の出会いから描く筋が一本あって、当時の官職や政治状況、政略結婚や宮中の権謀術策、貧乏貴族や庶民の暮らしが描かれていて、なんだか平安時代、穏やかじゃないぞという感じ。

それから先週は「蜻蛉日記」の道綱の母が出てきたり、今週は「枕草子」の清少納言が出てきたぞ。
また、盗賊(多分、袴垂;はかまだれ)かと思われる男なども出てきて、「今昔物語集」や「宇治拾遺物語」の世界に広がってきて、あら懐かしや。
特に今週は、漢詩の会のシーンがあって、各人が作った漢詩の文字が画面に出たり(あそこでレ点だからこう読むとか)、訳が語られるのでとても面白かった。
恋する人に贈る和歌のシーンも、草書がさらさらと画面に出るので、あー練習帳にさんざん書いたな、とか、あれはあの字だよなとか思いながら見ていた。

衣装も美しい。五節の舞のシーン、真上から撮影したシーンがとくに美しかった。

役者については、女性陣も良いが、ことに男性陣が良いように思う。
父兼家役の段田氏のしらっとした策士ぶりしかり、長兄の新も大きく構えた感じの人物が出ているし、次兄役の玉置玲央は十八番の屈折した役柄を存分に発揮している(同局では「引きこもり先生」で屈折した若者役を印象的に演じたが、最近の「大奥」では一心に感染症に取り組む医学者の役を演じ、内野聖陽的な演技巧者になるのではと思わせてくれた)。芸人、実は盗賊の毎熊も、ぶっきらぼうさが「まんぷく」時代と変わらず、適役。関白(当時左大臣)の小さな声でしゃべる演技もなかなか。
そして、今週の漢詩の会から去る際の、道長=柄本兄の好きな人の前でする顔、リアルすぎだ。

などと思いつつ、楽しんでいる国文女子も多いのではないでしょうか?!







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ミワさんなりすます(ドラマ)

2023年12月07日 | ドラマ
ドラマ「ミワさんなりすます」(NHK)

映画好きの人がニヤリとするドラマ。
毎日15分という短時間での夜の帯ドラマでしたが、とても面白かった。

ストーリーは、映画オタクの主人公が、ひょんなことから憧れの世界的な実力派俳優の家に家政婦として働くことに。
俳優の作品の隅々まで知りつくした主人公が、身分がばれそうになりながらも、俳優の支えやヒントを与えたり、立場をきちんと保ちつつ交流を深めていくといった内容。
主人公に松本穂香さん、世界的俳優に堤真一さん。

小道具にも映画ファンが分かるような工夫が。
有名俳優はあの人がモデルかなと思ったり、映画関係者が集まるバーに、ジム・ジャームッシュ監督作品風のポスターが貼られていたり。

映画以外にも、家政婦の一人を演じる片桐はいりさんが面白く、でも出しゃばりすぎず、楽しめました。




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