をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

龍三と七人の子分たち (映画)

2015年03月08日 | 映画
(C)龍三と七人の子分たち制作委員会

映画「龍三と七人の子分たち」

北野武の最新作というと、いろんな意味で構えてしまうかもしれないが、変に考えずに気楽に観てください。
痛快だし、大笑いでき、思わず同感とうなってしまう、ピカレスクムービーです。

ストーリーは、いわゆる昔かたぎの親分ランクの極道さんが、今はリタイアして普通の(?)おじいちゃんとして過ごしています。藤竜也が演じる主人公龍三もその一人。一般市民でお堅いサラリーマンの息子家族からは煙たがられ、近藤正臣演じる昔仲間のマサとつるんでは街をブラブラ。でも昔と違って待ち合わせは駅前の公園で、飲みに行くのは近所の蕎麦屋という具合。
そんなとき、竜三に息子を騙るオレオレ詐欺の電話がかかってきます。気づかない龍三はいわゆる金目のモノを見繕って、待ち合わせ場所へ…。

このあと、昔仲間の兄弟子分たちと団結して、年寄りを狙うイマドキのワル集団と対抗すべくジジイ軍団を再結成するのです。
いかんせんやり方はハチャメチャですが、意気だけは負けてないし、曲がったことを嫌い、仁義は通す。さて、どうなるのか…。

今回、笑いに関しては昔は鉄火なおじいちゃんのギャップという大きな笑いのほか、小さな笑いがちりばめられて声を出して笑えます。
また、あの渋い藤さんが、「え!その扮装はアリ!」という場面も。そういえば、始終「ブーッ」とおならをしているのは、監督の分身かなとも思います。
近藤さんもグラサン姿が相変わらずカッコいい。中尾さんが滑稽な感じを出して、中心の3人の骨組みがカッチリあった感じ。

とはいえ、「北野監督のハードテイストが好きだからこういうのは・・・」と言う人にも、中尾さんがワル集団に1人乗り込んでいき…の場面で、「アウトレイジ」さながらのドライなワンカットが見られます。

北野監督といえば、刑事役で出演。出てくるシーンでは急に現実に引き戻されるようなリアルさがあります。ただ、ラストはカッコイイところもってっちゃったかな~という感じも。

本作みたいに、この時代にはこういう社会問題があって、それを食い物にするこういう悪がありというのを、大上段からでなく身近で庶民的で軽妙なタッチで見せ、みんなが「気をつけなきゃ」と気づく、世相の断片ってのも、大衆娯楽の持ち味。TVからのスピンオフやアイドル、アニメもいいんだけど、日本映画の題材、もう少し今の日本がどうなのか、今後の日本がどうなのかというテーマの映画ってでてこないのかな。
それはTVドラマでもいいんだよね。今、欧米の連続ドラマが人気があるのってそこだと思うし。たとえファンタジーや中世期ものでも、今、そこにある危機を物語にのっけてあったりして。
ま、いいや。

4月25日からロードショー。

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激戦 ハート・オブ・ファイト (映画)

2015年03月01日 | 映画
映画「激戦 ハート・オブ・ファイト」

久々にベタな内容の香港映画でしたが、これがなかなかいい。
片や、大富豪の息子ながら、とある事情で一攫千金が叶う総合格闘技の優勝者を目指す青年。
片や栄光のチャンプの過去がありながら、今やはぐれものとなった中年男性。
2人が出会ってチャンプを目指すが・・・。
という内容。

東京国際映画祭で観たときも、意外とひろいものと感じた作品。

監督ダンテ・ラム
出演ニック・チョン/エディ・ポン/メイ・ティン/クリスタル・リー/
シネマート六本木にて上映中
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