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君たちはどう生きるか

2023年11月17日 | 映画
映画「君たちはどう生きるか」

宮崎駿監督の久々のアニメ作品。引退宣言はしたが、復活の最新作。つくる元気が沸き上がって、あるいは残しておかねばの気持ちから現場に戻られたなら、何度でも撤回して戻ってきてほしいと思う。

少しむずかしいという声もあり、それはそうだなとも思う。でも子供時代の戦争という記憶を映像に投影するため、極私的世界になったのではと思う。だから最初からファンタジーの世界へとか、次々と起きる不思議な世界というのは、前半は抑え気味だし、ラスト前のあたりの話も子どもには分かりにくいかもしれない。
とはいえ、不思議な塔へ行く森の道の絵は、手書きの緑が呼吸をしているような感じですごく美しいし、ストーリーもアオサギと出会ってからは、めくるめく冒険の世界だ。
ただ、主人公と旅をするアオサギがいま一つ入り込めなかった。いつも善も悪も出てくるのだから、ひねくれものの設定はいいのだが、見た目、鼻が大きくブツブツがいっぱいなおじさんなところが、手塚治虫氏の猿田彦のキャラクターに重なってしまう。違う面体のおじさんがよかったかも。
一方、現実のお屋敷で働く下女のばあさんたちが、白雪姫の7人の小人のようで出色だ。宮崎監督の他の映画に出てきたんじゃないの?というばあさんもいる。また、そのうちの一人が、異次元で若くなって船をあやつるエピソードがとても心に残ってよかった。なんか「レッド・タートル」も思い出した。
そして、カギとなる女の子は誰なのか…。
他作品と比べて冒険のめくるめく感は小さめだが、でも、極私的だからいいか。
まずは一見を。

(1つだけ文句を言えば、パンフレットが、解説無しで絵があるだけで1000円とは高い。)










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