をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

親愛なるきみへ (映画)

2011年08月28日 | 映画
映画「親愛なるきみへ

1人の青年と1人の少女の長いときをかけたラブストーリー。
タイトルや雰囲気、原作者も同じということから、「きみに読む物語」っぽい作品かなーと思いつつ観始めました。

冒頭はビーチにある桟橋での出会いから。
青春ものにありがちな若い男女のグループがきゃいきゃいやっているところに、あるきっかけで若く少し翳りのある青年が関わっていくといった展開。
青年は米軍特殊部隊の兵士。少女はこの地方の地主のお嬢様。ありがちなシチュエーションです。
しかし、懐古的なラブストーリーではなく、まさに現代アメリカの話なのが違うんですな。青年の任務終了後、退役して2人は結婚する約束を。そして青年が任地へ赴くのですが…。

そこからはがらりと雰囲気が変わり「ハート・ロッカー」の世界。やはり現場へ赴けば、一緒に死線をくぐってきた仲間を置いて「退役する」などとは言えない。青年は転戦しながら男に成長していくのです。
そして少女は、夢を追い待つことに疲れた女になってしまい、あるとき1通の手紙を戦地にいる男の元へしたためます。
それを読んだ男は、さらに危険な任地へと自分を追い込むのでした・・・。

やっぱり単に甘~いラブストーリーでないところが、このラッセ・ハルストレム監督の映画ならではなんでしょうね。
「自分が選ぶ映画ベスト10」に入る「ショコラ」を撮ったのが、ハルストレム監督。そういえばこの映画も、単にジョニー・デップジュリエット・ビノシュのラブストーリーではなく、夫から妻へのドメスティック・バイオレンスや、よそ者やシングルマザーへの偏見、ロマの人への迫害、女性の自立など、様々な社会的問題が散りばめられていました。

主演は男性が「GIジョー」のチャニング・テイタム。女性は心境著しく、「ジュリエットからの手紙」「赤ずきん」「クロエ」など、日本で出演作公開が目白押しのアマンダ・サイフリット
確かに彼女は若く美しい。テイタムもクール・ガイ。
一つだけ難を言えば、それが残念ながらラストの感動を薄めていて惜しい。これでは数年の時の経過しか感じさせない。
アメリカを離れ、パリの街角で、長い年月をかけたからこそ、いろいろな恩讐もすべて許せるふたりになったのだ・・・と私は感じました。だからこそもっと老けメイクにするか、中高年の俳優でもよかったのではないでしょうか。
それに比べると「瞳の奥の秘密」は巧かったな~。

さて、この2人はどうなるのか…。それは直接映画館で。

<ストーリー>2001年春、海辺で出会ったサヴァナとジョン。出会った瞬間から“恋”の予感があったが、一緒の時間を過ごすたびに強く惹かれあい、2週間で恋におちていく。しかし、米軍の特殊部隊に所属するジョンは戦地に赴かなくてはならず、サヴァナの心はゆれる。それでもふたりは絆を信じ、手紙で心を通じ合わせていく。
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:チャニング・テイタム、アマンダ・セイフライド
9月23日より全国ロードショー
公式HP http://www.cinemacafe.net/official/shinkimi/pc.html
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三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 (映画)

2011年08月21日 | 映画
 (c) 2011 Constantin Film Produktion GmbH, NEF Productions, S.A.S., and New Legacy Film Ltd. All rights reserved.


映画「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

「1人は皆のために、皆は1人のために!」

昨年、三谷幸喜版人形劇「三銃士」で、少年少女名作全集を読んだ思い出を刺激された方々も多いと思われますが、今年はこれが実写になって登場! 否が応でも期待が高まります。

やはり個性的なアトス、ポルトス、アラミスの配役が重要ですが、これもOK。特にアラミスがクールで、聖職ながら女子が誘惑されてしまうような大人の魅力も備えているのが人形劇(こちらはコンスタンスとの恋の悩みも高潔でした)とは違ってなおよし。
で、ダルタニヤンは「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」で神話の世界を堪能させてくれたローガン・ラーマンが演じ、若さあふれて向こう見ずな役に合ってます。

でも、何より重要なのは悪役ですよね。リシュリュー枢機卿には「イングロリアス・バスターズ」でアカデミー助演男優賞を獲得してからオファーが止まないクリストフ・ヴァルツ、ロシュフォール隊長には007最新作「カジノロワイヤル」でクールでニヒルな悪役を演じたマッツ・ミケルセンが演じています。うーん、ミケルセンは剣さばきなど本当にカッコよし!

そして、そして、敵か味方か、はたまた敵か、のミレディ役にはミラ・ジョヴォヴィッチ。からくり回廊のシーンではバイオハザードかっ、と思うほどのアクション&それあり? の連続。ま~「バイオ~」でも夫唱婦随を見せた監督の奥さんだからしょうがないっすケドね。

あ、あとオーランド・ブルームが英国のバッキンガム公として出演。副題の飛行船に大きく関わる役で出てきますぞ。

で、この飛行船のシーンや、フランスのお城の遠景などは3Dで観る価値はありましたね。

来る東京国際映画祭のオープニング作品、娯楽大作として楽しんでみてください。

<story>17世紀、フランス。 銃士に憧れ、パリに上京してきた気が強く無鉄砲な青年ダルタニアン。
成行きで三銃士の仲間入りを果たした彼は、フランス国王の側近の裏切りによって狙われた
王妃の首飾りを取り返すため、イギリスへと向かうことに。
そこに立ちはだかるのは、事件の鍵を握る二つの黒い影、
バッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)と正体不明の美女ミレディ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。
誰も知らない伝説が、今、幕をあける―!

監督ポール・WS・アンダーソン
出演ローガン・ラーマン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、オーランド・ブルーム、クリストフ・ヴァルツ
【劇場公開表記】2011年10月28日3D・2D同時公開
公式HP http://34.gaga.ne.jp/

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